2016年8月17日水曜日

6畳に2人で暮らす留学生たち  急増するネパール人 沖縄に来た理由(2)

Source: http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160812-00057180-okinawat-oki

沖縄タイムス 8月12日(金)、ヤフーニュースより
■6畳に2人で暮らす 
 アルバイトと学業に精を出すネパール人留学生たちは一体、どんな暮らしをしているのか。14部屋全てにネパール人留学生が住む専門学校が丸ごと借り上げたアパート(寮)を訪ねた。国際通りまで自転車で約10分、那覇市の幹線道路沿いにあり、1階には彼らの足である自転車がずらり。奥の階段を上り、2階のドアを開けると、留学生たちが出迎えてくれた。(デジタル部・與那覇里子、ライター・大橋弘基)

2階の入り口には、共同の靴箱。一つのフロアに4部屋あり、1部屋6畳ほどの広さに2人で暮らす。案内された部屋の棚には薬や書類が分類され、押し入れには、それぞれのスーツが1着と白のYシャツ1枚がかけられていた。ほかには、歯ブラシと洗面道具、毛布、スーツケースがあるだけのシンプルな部屋だ。
■家族を古里に残して留学
 この部屋で暮らすディネッシュ ・チャウダリさん(32)は、妻をネパールに残し、15年に沖縄にやって来た。「勉強のために日本に来た。遊んだり、物を買ったりするためのお金はほとんど使わない」。居酒屋のホールで週6日アルバイトをして生活費を賄う。「世界一の日本のホスピタリティを学んで古里に帰ることが夢。今の目標はホテルや旅行業界の仕事に就くこと」と話す。家賃3万3千円は、ディタール ・サンディープさん( 21)と折半し、暮らしている。

 ディタールさんは、ネパールの大学で科学を専攻していたが、途中で留学の道を選んだ。「日本は政治が安定していて、治安もいい。ネパールとは正反対。日本で勉強してみたいと思った」と振り返る。学校が終われば、アルバイト先の居酒屋に向かい、沖縄で覚えたチャンプルー料理や天ぷらを客に提供している。

 隣の部屋に住むプラカシュ ・グルング(30)さんは、妻と2人の子どもがいる。「アメリカやオーストラリアでの留学も考えたが、費用が非常に高額で、沖縄であれば来られるかもしれないと思って来た。多くの人からお金を借り、150万円を用意して日本に来た。日本に留学すると、古里ではとても尊敬される。日本のサービスを学んで、ネパールに還元したい」と話す。

■世界最貧国からの仕送りで賄う生活費
 共同の台所に案内してくれた。ネパールから持ってきた圧力鍋で小豆料理を作るという。毎日、自炊。共同で使うシャワー室、キッチン、廊下、トイレの掃除当番もある。

近所とトラブルになりやすいゴミの分別は、専門学校の教員らが週1日、午前7時半にチェックに来る。壁には、「女の人を入れない」「たばこはベランダで吸う」などルールが掲げられている。

 3人によると、沖縄で必要な生活費は、国民健康保険料やアパート代、食費などを含めて12万円ほどだが、アルバイトで稼げるのは毎月7~8万円。足りない分はネパールから送ってもらっている。ちなみにJICA(国際協力機構)によると、ネパール国民の1人当たりの年間所得は707ドル(2012年)。日本円で7万円ほどだ。世界最貧国の一つに挙げられている。「就業時間がもう少し長くなるとうれしい。アルバイトをしないと生活は厳しい」と3人は声をそろえた。(随時掲載)
與那覇里子,大橋 弘基

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