2018年11月27日火曜日

北欧女子と考えた「外国人が増えるとどうなる?」 移民受け入れで揺れる母国 「日本はまず知ることから」

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181127-00010000-withnews-int
11/27(火) 、ヤフーニュースより


【#となりの外国人】
 最近「外国人が増えた」と聞きます。不安になったり、受け入れに反対したりする声もあります。日本で漫画家として活躍するスウェーデン人のオーサ・イェークストロムさんと、国内外で移民などを取材してきた朝日新聞の真鍋弘樹編集委員が、日本に暮らす外国人について話しました。オーサさんは移民に寛容だった母国をみながら、思うことがあるようです。
日本にいる外国人って多い?少ない?
真鍋編集委員 「オーサさん、いきなりですがクイズです。日本で暮らす外国人って、どれぐらいいると思いますか?」

問題:日本の総人口のうち、日本で暮らす外国人の割合は?
 
 (1)約2%
 (2)約4%
 (3)約8%
 (4)約12%

オーサさん 「突然ですね! (1)の2%ですか? 前に1%と聞いたことがあります」

真鍋編集委員 「おお~、正解! 日本人だと正答率2割なんです。もっと多くいると感じている人が多いようです」

オーサさん 「外国人は目立ちますからね」

真鍋編集委員 「では日本で働く外国人はどれぐらいいると思いますか?」

問題:日本で働く外国人労働者は労働者全体の何人に1人?

 (1)約300人
 (2)約150人
 (3)約50人
 (4)約25人

オーサさん 「ん~、人口比から考えると(1)な気もするけど、(2)ですかね?」

真鍋編集委員 「ブー。(3)の『50人に1人』です。127万人で過去最高になりました」

オーサさん 「え、そんなに? でもそういえば、日本で見る外国人って、お年寄りや子どもより、働ける年齢の人ですよね」

※問題は三菱UFJリサーチ&コンサルティングの加藤真研究員作成

たくさんいるはずなのに見かけない外国人って?
真鍋編集委員 「どんな国から来た人が、どんな立場で働いているのでしょう。オーサさんは専門的・技術的分野ですね?」

オーサさん 「芸術ビザです。最初は漫画が『芸術』と認めてもらえず、大変でした。『技能実習』って何ですか?」

真鍋編集委員 「アジアの国々の人などに、日本の技術を教えて、母国で活用してもらう、というのが建前の制度です。でも実のところ、農業や建設など人手不足の現場で労働してもらっているのが現状です」

真鍋編集委員 「『資格外活動』もそうです。多くは留学生として来た人たちにアルバイトをしてもらっています。都心のコンビニでは店員の3割以上が外国人という店があるとも言われます」

オーサさん 「驚きました。私の友達は、英語の先生やアニメーターなどで働く欧米人が多いです。建設現場で働くアジアの人は知りませんでした」

真鍋編集委員 「都市部で技能実習生と出会うことは少ないかもしれませんね」
働きたい国、ではない?
オーサさん 「日本全国に外国人がいるんですね。東京と大阪はやっぱり多いですが、愛知も多いですね」

真鍋編集委員 「愛知はものづくりの中心地で、トヨタで有名な豊田市もあります。愛知県内の製造業で働く24人に1人は外国人と言われています」

オーサさん 「日本語学校で勉強していたとき、周りは日本で就職したい人ばかりでした。でも実際に就職できても、欧米人だと辞めて帰国してしまう人が多かった。残業が多いとか、上下関係が厳しいとか。自分の国の文化と違ったからです。私の周りでは『日本は、学ぶのはとても楽しい国なのに、働くのはとっても大変な国』と言われています」

真鍋編集委員 「その気持ち、日本人でも感じている人は増えていると思います。でも、せっかく日本に留学したのに、もったいないですよね」

オーサさん 「もったいないです! まず日本語を勉強して、何年も専門学校や大学に通って、やっと働けるとなった途端に帰ってしまうんだから」

真鍋編集委員 「今の日本の制度では、技能実習生も最長5年で帰ってもらっています。留学生も次の資格を取らないと帰国せざるを得ません」

日本の働きづらさは弱点になる?
オーサさん 「私もビザは苦労しました。留学ビザだと、出席状況や就労時間の上限などルールがたくさんあり、ダメなら取り上げられます。卒業後は就活ビザで仕事を探します。2015年に作品を出版したので、芸術ビザがとれましたが、毎年、仕事を証明しなければいけません」

オーサさん 「将来の見通しが立たず、『来年は追い出されちゃうかも』って思うと、日本社会に入るための努力が弱くなってしまう人もいます」

真鍋編集委員 「外国人が増えているのは、日本人で働ける人口が減っていることが一番の要因です。オーサさんの言うように『ずっと働くのは厳しい』と思われる国になってしまっているなら、大きな問題ですね」

オーサさん 「でも、ベトナムの方は増えているんですね」

真鍋編集委員 「経済格差があるため、日本で稼いで母国に仕送りしたいと考える人が多いようです。以前は中国の方が多かったのですが、自国の経済が良くなったために相対的に減り、代わりにベトナムが増えました。今後はネパールやミャンマーの方が増えるだろうといわれています」

真鍋編集委員 「でも人口減少は、韓国も台湾でも問題になっており、中国もいずれは直面します。人材の取り合いはすでに始まっており、日本の働きにくさは弱点になっていくのかもしれません」

オーサさん 「日本は最近、働き方改革をがんばっていますが、家庭と仕事の両立が難しいとも聞きました。人口減だから外国人を入れるというのは分かりますが、まずは仕事の時間を減らせば、結婚しやすく、子どもも持ちやすい。さらに外国人も働きやすい。ダブルで良い結果になりますね」

知らないと怖くなる
オーサさん 「スウェーデンは移民や難民をたくさん受け入れてきました。でもその方たちは自分たちのコミュニティーを作り、なかなかスウェーデン社会に入れなくなりました。いま、問題になっています」

     ◇

【2018年9月11日朝日新聞デジタル記事から抜粋】移民や難民に寛容な国として知られるスウェーデンで9日、総選挙(定数349)があり、反移民・難民を掲げる極右「スウェーデン民主党」(民主党)が得票を伸ばした。(中略)今回の総選挙は、中東やアフリカなどから人の波が欧州に押し寄せた2015年の難民危機後、初めて行われた。「人道大国」を自任するスウェーデンは、人口あたりで欧州最多の難民申請を受け付けたが、犯罪増加や、充実した福祉が割を食うとの懸念が世論に広がり、民主党の躍進につながったとみられる。

     ◇

オーサさん 「外国人が多く暮らす場所で、日本人とぶつかることはないですか?」

真鍋編集委員 「日本も90年代に、日系ブラジル人を多く受け入れました。でも日本語が分からず、習慣やルールが違う人もいて、労働者として多く受け入れた愛知では近隣とのトラブルも起きています。同様に今後、外国人を多く受け入れる各地でそういうことが起こる恐れもあります」

オーサさん 「問題は、コミュニティーができることではなくて、そういうコミュニティーと接点がない人たちが、不安や恐怖を感じたからだと思います。日本では、外国の人と地域の人が互いの料理を作りあったり、お祭りをしたり、そういう交流できる場が増えればいいですね」

「来たばっかりさん」にもやさしい国に
真鍋編集委員 「日本社会で民族的、文化的な多様性が広がることについてどう思いますか?」

オーサさん 「良いことだと思います。人口減少の対策もそうですが、私は日本が好きなので、外国の人には日本の魅力を発見しに来てもらいたいです。文化的にもリッチになります。料理で例えると、お寿司はなくならないけど、ピザが食べられるようになるとか」

オーサさん 「一方で、社会が早く変わりすぎると不安になる人もいます。日本では外国の人に来て欲しいと考える人は決して多くはないと聞きます。どうしたら、外国の人は危なくないと感じてもらい、賛成してもらえるか、考えていかないといけませんよね」

オーサさん 「日本に来たばかりのころ、私は『外人』と呼ばれました。後で『悪い言葉』と聞いてショックでした。今は、『外国人』と呼ばれるようになりましたが、どちらも結局意味は同じですね。スウェーデンでは『来たばっかりさん』という言葉があります。少しウェルカムな感じがしませんか?」

真鍋編集委員 「アメリカでは国籍を取れば、○○系アメリカ人と呼ばれます。就職面接などでも偏見を避けるために、『どこから来たんですか』などと人種的・民族的バックグラウンドは聞いてはいけないことになっています。それが世界の標準ですよね」

真鍋編集委員 「日本が『来たばっかりさん』にやさしい国になるためには、どうしたらいいと思いますか? たとえば行政用語をわかりやすく言い換えた「やさしい日本語」を広める自治体もあります」

オーサさん 「それはいいですね! 年金も税金も、資料が分厚くて読んだら3日かかります。情報量が多い割に、必要ないこともたくさんあって」

オーサさん 「日本は紙が好きなので、文書や手紙が送られて来ますが、印刷によっては漢字が潰れていて読めない。Eメールで来たら、グーグル翻訳にかけられるので10倍楽になります」

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<オーサ・イェークストロム>1983年生まれ、スウェーデン出身。日本生活は通算7年。日本のアニメと漫画を知り、19歳で初来日。スウェーデンで漫画家やイラストレーターとして活躍後、2011年から活動拠点を日本へうつす。日本で暮らす外国人の日常をコミックエッセー「北欧女子オーサが見つけた日本の不思議」(KADOKAWA)やブログ(https://ameblo.jp/hokuoujoshi/)で発信する。朝日新聞beで「北欧女子オーサの日本探検」を連載する。

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<真鍋弘樹>1965年生まれ。朝日新聞ニューヨーク支局勤務時代に、初のアフリカ系米国人としてオバマ氏が大統領に当選した選挙や、反移民感情を高めたトランプ大統領の誕生などを取材した。現在は編集委員。

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【#となりの外国人】
この記事はwithnewsとYahoo!ニュースによる連携企画記事です。日本で働き、学ぶ「外国人」は増えています。近くで暮らしているのに、よくわからない。withnewsでは「外国人」の暮らしぶりや本音に迫る企画を始めました。ツイッター(@withnewsjp)などでも発信します。みなさんの「#となりの外国人」のことも聞かせてください。

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