2018年11月1日木曜日

企業が求める人材像は多様化 国際的な競争力強化に向けた新たな戦略 ~「外国人採用」

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181026-00010000-biz_jinji-bus_all
10/26(金) 、ヤフーニュースより
日本企業にとって、海外を視野に入れた競争力強化はすでに避けては通れないものとなっています。グローバル人材の獲得、労働力の確保は、企業の成長を支える上でますます重要性を帯びてきました。そうした中、積極的に外国人を採用し、国際的な競争力強化を目指す企業が増えています。
増え続ける外国人採用数
厚生労働省が発表した「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」によると、日本で就労する外国人労働者数は平成29年10月末の時点で約128万人。前年同時期に比べて18.0%の増加となっており、平成19年に届出が義務化されて以来、過去最高を更新しました。じつに、日本の全労働人口の2%近くを占めるに至っています。外国人を雇用している事業所数の推移は以下の通りです。

平成24年:119,731ヵ所
平成25年:126,729ヵ所
平成26年:137,053ヵ所
平成27年:152,261ヵ所
平成28年:172,798ヵ所
平成29年:194,595ヵ所

平成24年から平成29年の5年間で約63.0%の増加と、事業所数においても増加の一途をたどっています。都道府県別では以下のようになっています(平成29年10月末)

東京都:約39.4万人(30.9%)
愛知県:約12.9万人(10.1%)
大阪府:約7.2万人(5.6%)
神奈川県:約6.9万人(5.4%)
埼玉県:約5.5万人(4.3%)

5都府県だけで国内全体の半数を超えており、外国人労働者を採用している地域が集中していることが分かります。

国籍別の割合では、中国が約37.2万人(29.1%)と最も多く、次いでベトナムが約24.0万人(18.8%)、フィリピンが約14.6万人(11.5%)、ブラジルが約11.7万人(9.2%)、ネパールが約6.9万人(5.4%)の順となっています。
国内で雇用されている外国人のカテゴリー
外国人労働者は、出入国管理および難民認定法で定められている在留資格によって、就労可能な範囲が決められています。厚生労働省が発表した「日本で就労する外国人のカテゴリー」によると、平成29年10月末の時点で、国内で雇用されている外国人を在留資格別にみた状況は以下のようになっています。

1.就労目的で在留が認められる者:約23.8万人(18.6%)
大学教授や高度専門職、弁護士、医師といった「専門的・技術的分野」に従事する外国人が該当します。
2.身分に基づき在留する者:約45.9万人(35.9%)
日系人などの「定住者」「永住者」「日本人の配偶者等」を指します。活動に制限がなく、複数の分野で報酬を得ることができます。
3.技能実習:約25.8万人(20.2%)
開発途上国への技能・技術の移転による国際協力を目的としている制度です。経済発展を担う者に付与される在留資格です。
4.特定活動:約2.6万人(2.1%)
特定活動とは、「法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動」のこと。ワーキングホリデー、経済連携協定に基づく外国人看護師、介護福祉士候補者、外国人建設就労者などがこれに該当します。
5.資格外活動:約29.7万人(23.2%)
留学生のアルバイトなど、本来の在留資格を妨げない範囲での就労が認められています。
外国人採用が増加している背景
外国人採用が増加している背景にあるのが、少子高齢化に伴う国内労働力の減少です。国内の生産年齢人口は減少が続いており、平成9年に8,699万人だったのが、平成28年には7,665万人にまで減っています。アメリカやイギリス、ドイツなどの先進国と比べても減少傾向が顕著で、労働力の確保が急務となっていることが分かります。人手不足を補うために、国籍にかかわらず人材を求める動きが外国人採用数の増加に大きく影響しています。
企業が求める人材の変化と外国人留学生の増加
企業の海外進出が活発になるにつれて、求める人材が変化したことも外国人採用の増加に拍車をかけました。厚生労働省が平成26年に発表した「外国人留学生の採用意欲調査の結果について」を見ると、中小企業の52%が「外国人留学生の採用に前向き」と回答。その理由として最も多かったのが「グローバル展開の中心的役割」を求めるというもので、全体の36%を占めました。

次に続くのが「海外拠点の中心的役割」(33%)、「専門知識、日本人と異なる視点」(30%)という回答です。外国人労働者に対する企業の期待は大きく、グローバル化するビジネス環境に対応するための重要な経営戦略となっていることが分かります。

一方、外国人留学生の状況を見てみると、平成24年以降、留学生の数は増加を続けており、平成28年5月1日時点での留学生の数は23万9,287人(日本学生支援機構「平成28年度 外国人留学生在籍状況調査結果」より)。前年と比べて3万908人(14.8%)増加しています。グローバル採用の機会が広がったことも、外国人雇用が増加している大きな理由に挙げられます。

0 件のコメント:

コメントを投稿