Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181120-00000011-mai-soci
11/20(火) 、ヤフーニュースより
国が人手不足対策で外国人労働者の受け入れを拡大する中、栃木県内でも栃木労働局などが外国人留学生の就職支援に取り組んでいる。ただ留学生の間では、日本語や就職活動への不安や、母国での就職を模索する声も。政府は「5年で34万人」といった受け入れ見込みに、枠を広げれば人手を補えるという期待をにじませるが、留学生の声からは、若者が手放しで日本を選ぶわけではない実情が垣間見える。【林田七恵】
「(外国人向け日本語能力試験で最も難しい)N1を取ってください」。宇都宮大で13日に開かれた就職セミナー。県内の医療機器メーカーで働く中国出身の元留学生が職場で求められる日本語レベルを説明すると、会場にざわめきが起きた。
この日は栃木労働局が主催するセミナーに宇都宮大や県内の専門学校などの留学生31人が出席。外国人の就職・転職を専門とする人材会社や日光にあるホテルの幹部、元留学生の女性が、日本で就職活動するイロハや外国人の従業員に求めること、内定を得るまでの体験談などを話した。
ベトナム出身の専門学校生、クアン・ヴァン・ハイさん(28)はセミナー後、記者に「私は今(日常的な読み書きまでできる)N3。日本に残れた方が生活が安定しそうだけれど…(働くハードルが)もっと下りてほしい」と不安を漏らした。クアンさんが近くで耳を傾けていた留学生とベトナム語で話してから「日本語が分からない人は多い」と続けると、数人がうなずいた。
ネパール出身の専門学校生の女性(30)は「日本のホテルで働きたいので、仕事の内容やあいさつの仕方を聞けてよかった」と話す一方で、「日本のビザの法律も日本語も難しい」と戸惑いも。中国出身の大学院生の女性(27)は「来日したての去年は日本で働きたいと思っていたけれど、日本人とうまく交流できなくて今は難しいと思っている」と迷い、ベトナム出身の専門学校生の男性(24)は「国に帰る」と断言してセミナーを中座した。
講壇に立った元留学生も「日本での経験をすぐに母国で生かせるわけではない。私も一人っ子なので悩むが、結婚や親の介護を考えて、帰国するなら今のうちの方が良い場合もある」と助言したように、若者の将来設計と日本企業での体験は必ずしもマッチしない。
◇背景に「留学生30万人計画」
栃木県内では2013年、産官学で留学生の就職を支援する協議会が設立。交流会や、企業と留学生それぞれに向けたセミナーを開くなどして橋渡しに取り組んでいる。
背景にあるのが、国が「高度人材」の呼び込みを名目に08年に掲げた「留学生30万人計画」で、全国の大学や専門学校、日本語学校などの留学生は昨年、26万人を超えた。
一方で、留学生や「技術移転」が建前の技能実習生が人手不足を埋める制度上のゆがみは進展した。昨年10月末現在、全国の外国人労働者約128万人のうち、留学生のアルバイトは約26万人。ほぼ同数の技能実習生と合わせて全体の4割を占め、コンビニエンスストアや製造などの現場を担っている。
県内でも昨年、外国人労働者数が事業主による届け出が義務化された2007年以降最多の2万1235人となったが、増加幅が大きかったのは技能実習生(前年同期比28%増の5214人)と留学生のアルバイト(同24%増の1699人)だった。
政府は開会中の臨時国会に、外国人労働者の在留資格を新設し在留期限も事実上延長する入管法改正案を提出し、5年で26万~34万人を受け入れる見込みを示している。現行の技能実習制度や留学生によるアルバイトは継続する見通しだ。
「(外国人向け日本語能力試験で最も難しい)N1を取ってください」。宇都宮大で13日に開かれた就職セミナー。県内の医療機器メーカーで働く中国出身の元留学生が職場で求められる日本語レベルを説明すると、会場にざわめきが起きた。
この日は栃木労働局が主催するセミナーに宇都宮大や県内の専門学校などの留学生31人が出席。外国人の就職・転職を専門とする人材会社や日光にあるホテルの幹部、元留学生の女性が、日本で就職活動するイロハや外国人の従業員に求めること、内定を得るまでの体験談などを話した。
ベトナム出身の専門学校生、クアン・ヴァン・ハイさん(28)はセミナー後、記者に「私は今(日常的な読み書きまでできる)N3。日本に残れた方が生活が安定しそうだけれど…(働くハードルが)もっと下りてほしい」と不安を漏らした。クアンさんが近くで耳を傾けていた留学生とベトナム語で話してから「日本語が分からない人は多い」と続けると、数人がうなずいた。
ネパール出身の専門学校生の女性(30)は「日本のホテルで働きたいので、仕事の内容やあいさつの仕方を聞けてよかった」と話す一方で、「日本のビザの法律も日本語も難しい」と戸惑いも。中国出身の大学院生の女性(27)は「来日したての去年は日本で働きたいと思っていたけれど、日本人とうまく交流できなくて今は難しいと思っている」と迷い、ベトナム出身の専門学校生の男性(24)は「国に帰る」と断言してセミナーを中座した。
講壇に立った元留学生も「日本での経験をすぐに母国で生かせるわけではない。私も一人っ子なので悩むが、結婚や親の介護を考えて、帰国するなら今のうちの方が良い場合もある」と助言したように、若者の将来設計と日本企業での体験は必ずしもマッチしない。
◇背景に「留学生30万人計画」
栃木県内では2013年、産官学で留学生の就職を支援する協議会が設立。交流会や、企業と留学生それぞれに向けたセミナーを開くなどして橋渡しに取り組んでいる。
背景にあるのが、国が「高度人材」の呼び込みを名目に08年に掲げた「留学生30万人計画」で、全国の大学や専門学校、日本語学校などの留学生は昨年、26万人を超えた。
一方で、留学生や「技術移転」が建前の技能実習生が人手不足を埋める制度上のゆがみは進展した。昨年10月末現在、全国の外国人労働者約128万人のうち、留学生のアルバイトは約26万人。ほぼ同数の技能実習生と合わせて全体の4割を占め、コンビニエンスストアや製造などの現場を担っている。
県内でも昨年、外国人労働者数が事業主による届け出が義務化された2007年以降最多の2万1235人となったが、増加幅が大きかったのは技能実習生(前年同期比28%増の5214人)と留学生のアルバイト(同24%増の1699人)だった。
政府は開会中の臨時国会に、外国人労働者の在留資格を新設し在留期限も事実上延長する入管法改正案を提出し、5年で26万~34万人を受け入れる見込みを示している。現行の技能実習制度や留学生によるアルバイトは継続する見通しだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿