2016年5月20日金曜日

千葉日建工科専門学校、建設業界向け外国人育成を

Source:http://www.reform-online.jp/news/reform-shop/8890.php

 建築・建設分野の専門学校である千葉日建工科専門学校では、4年前から外国人留学生への門戸を開き、今では生徒の9割以上が外国人となった。卒業した生徒たちは、日本で内装工事や鉄筋、水道工事会社などさまざまな分野に就職。徐々に活躍の場を広げている。外国人への教育を行う現場に潜入した。
千葉日建工科専門学校 留学生卒業生は累計300人超留学生卒業生は累計300人超

就労ビザで長期雇用も可能

 同学校ではグローバル化を視野に2012年から留学生の受け入れを開始した。それから4年。2年制の学科、建築CAD技術科には定員80人の枠に240人以上の願書が殺到する。1年制の学科である建築設計研究科、建築デザイン研究科もほとんどの生徒が外国人となっている。累計の留学生卒業生は「300人を超える」と酒瀬川博之副学校長は話す。
 留学生の国籍はベトナムやネパール、中国などアジア系が多い。彼らは日本語学校で勉強後に入学。授業はすべて日本語で受ける。卒業時には読み書きがビジネスレベルで行える生徒も多く、今年は他校への進学者などを除き24人が無事就職した。「皆、日本で就職したいと考えています」と坂井久光学校長。
 よく、滞在期間が3年に限定される外国人技能実習生と間違われるが、留学生の場合、就労ビザを取り続けられれば、期間の制限はない。10年以上の滞在で、永住権が下りるケースも多い。つまり、留学生たちは、日本で長期間働く考えで、日本にやって来ている点で外国人技能実習生と性質が大きく異なる。
 リフォーム事業者団体の日本住宅リフォーム産業協会(JERCO)では今年4月、授業の様子を見学するツアーを実施。千葉のライズホームの森山秀夫社長、東神ホームサービスの中野伯彦社長は「採用を検討したい」と生徒のレベルの高さに驚いていた。
 実際の授業では、建築法規から建築史、建築計画といった座学から、CAD、製図といった実務を月曜日から金曜日までみっちり学ぶ。ただ、アルバイトをする生徒を考慮し、月曜日以外はほぼ午前中で授業が終わる時間割だ。卒業後は2級建築士を受講できる資格を得られるので、試験を受け、資格を持つ留学生も一定数存在する。
 「インターンシップも行っています」と酒瀬川副学校長。文化が異なる外国人をそのまま採用することにちゅうちょする企業は、インターンシップを利用し生徒の人となりを見る機会も設けられる。
 6月14日にはJERCOが企画し、再び学校見学ツアーが午前10時から行われる(問い合わせは同協会の米光氏)。
 業界での外国人活躍の一歩目が進みつつある。

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