Source:http://bylines.news.yahoo.co.jp/kodamakatsuya/20160306-00055107/
2016年3月6日、ヤフーニュースより
それも嘘ではありません。スパイスが苦手な日本人は多いのですが、それでも徐々にスパイスに慣れてきています。激辛カレーや激辛ラーメンなどが流行る時代です。私は、このスパイスの効いた食べ物は体質的に厳しいですが、まわりの人は結構、辛いものが大好きです。また、ヨガなどもかなり流行っています。ヨガやインド健康法を習っている人もインドの本場カレーのファンになる確率は高くなります。またインドやネパール、バングラディシュなどに行く日本人も徐々に増えていますから、それに伴って本場のカレーを食べたいという人も増えていきます。
かなり日本のインドカレー店のレベルは高いようで、インド人い聞くと、日本のインドカレー店の味はインドのモノと同等か、むしろそれよりいい味の店がある、ということでした。まあ、日本の方が価格も高いですから、それだけいいレベルのものが可能ということもあるのでしょう。
しかし、この「インド本場カレー店」をよくよくみると、多くは「インド本場カレー・ネパール本場カレー」とあります。 時々、インドの後にスリランカやパキスタンがつけ加えられている店もあります。中に入って、話をすると、インド人がいるのはそれほど多くありません。「インド・ネパールカレー」とうたっている店はほとんどがネパール人が運営しています。「インド・スリランカカレー」とうたっている店はほとんどがスリランカ人が運営しています。
これは一体どう言うことなのでしょうか。在日のインド人、ネパール人などの数をみてみると驚かされます。ネパール人は最近急増していて、2014年に登録しているのは4万2346人です。インド人は微増で、2万4524人。パキスタン人が1万1892人、スリランカ人が1万741人、バングラディシュ人が9641人となります。ネパール人が非常に多く、いわゆる南アジアからの在住者の中のインド人の割合は少ないのです。またインド人の中にはかなりIT企業関係の会社の社員が含まれます。カレー店を運営しているインド人の割合はさらに少なくなっています。インドの中でも、香辛料をたくさん使ったいわゆるカレーの味は地域によって異なります。ネパールやスリランカ、パキスタン、バングラディシュのカレーの味の差もそのようなもの。日本人にとってみると、カレーの味の差が地域の差なのか、店の味の差なのかよくわからないところです。日本ではインドが最もよく知られているので、ネパールカレーというよりも、インドカレーと言ったほうが通りがいいということで、店の名前はまずはインドを先に持ってきています。
この状況には、ネパールなどのブローカーの働きがあります。ネパールは政情が不安定だった時があり、やや豊かな層の人が日本への移住を試みたのです。問題は労働ビザ。これを取得するのはかなり難しいのですが、料理人としてビザをとるのが現実的なのです。そこで、ブローカーが移住希望者から200万円程度をとって、必要書類を揃え、カレー店への就職を可能にしたのです。最近は状況がかなりわかってきたので、200万円という暴利的価格ではなく100万円を下回る費用のようです。しかし、ネパールでは100万円でも非常に大きなお金です。まさに人生をかけてジャパニーズドリームを勝ち得るために日本にやってきています。分かるように、この仕組みの中で最も儲かるのはブローカー。10人、20人の斡旋をすると、かなりの額のお金が入ります。
これだけのお金を払って日本に来ても、「本場カレー店」で働いて得られるお金は多くありません。一部の店を除いて、それほど賑わっている店はありません。日本でビジネスをするには、ただ単に本場の味を守るのではダメなのです。東京などの大都市ではいい味であれば固定客もつくかもしれません。しかしほとんどの場合それだけではダメです。日本人向けの味とサービスが必要でしょうし、マーケティングや宣伝の力も求められます。
日本に来た外国人に、日本の本場カレーの店の味が非常にいいということで、人気があります。日本人にもスパイスの味が徐々に受け入れられています。地域にあったマーケティングができれば、日本で人気が出る可能性は高いのです。せっかく日本にきて新たなビジネスに挑戦している南アジアからの人たち。できれば成功して欲しいものです。
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