2016年3月8日火曜日

大やけど女児の国外移送めぐり、豪で「難民論争」 政府「流入の裏口に」、国連「保護不十分」

Source:http://www.sankei.com/world/news/160302/wor1603020068-n1.html

2016.3.2、GOOGLEニュースより

【シンガポール=吉村英輝】難民認定を求める人々の子供の扱いをめぐる論争が、オーストラリア国内で熱を帯びている。同国への受け入れを求めるネパール人の両親の間に生まれた1歳の女児が、移送先の小国ナウルの収容所でやけどを負ったため、豪州で治療を受けさせて送り返そうとしたのがきっかけだ。劣悪な環境を懸念する医師や市民らが反発、抗議デモに発展した。
 女児は豪州国内で難民認定を求める両親の間に生まれた。生後5カ月だった昨年6月、両親とともにナウルの収容所に移送されたが、所内で熱湯により大やけどを負い、豪ブリスベンの病院で治療を受けた。
 豪政府は、インドネシアなどを経由して密航船で上陸する人々を「不法難民」と位置づけ、ナウルなど海外の収容施設に移送して難民認定の審査を行っている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は「保護が不十分」だとするなど、治安や衛生面で問題が指摘されている。
 豪連邦最高裁は2月、治療を要する子を抱える亡命希望家族267人に対する特例措置を却下する決定を下した。ダットン移民相も「例外は認めない」として、女児を治療終了後にナウルに送り返す方針を表明していたが、医師らの抗議を受けて22日、国内施設に「一時的」に移送した。
 人権団体などから批判を受けたターンブル首相は、前労働党政権時に15万人以上の難民希望者の不法上陸を許した結果、密航船の転覆などで1000人以上が死亡したとし、「毅然とした対応」を堅持する姿勢だ。
 隣国ニュージーランドは、年間150人の難民受け入れを肩代わりすると申し出ているが、ターンブル氏は不法難民が豪州に流入する「裏口」になるとして拒否。ナウルで難民と認定した人々については他国に定住させようと、すでに協定を結んだカンボジアに加え、フィリピンなどとも協議している。

0 件のコメント:

コメントを投稿