2017年3月29日水曜日

SNSによって売春の闇へと堕とされた、途上国の少女たち 悲劇は一通のメールから始まった

Source: https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170328-00051297-gendaibiz-int
ヤフーニュースより、現代ビジネス 3/28(火) 

彼氏に売り飛ばされた
 「彼に、インドへ遊びに行こうと誘われました。反対されると思ったので、家族には黙って家を出ました。バスで国境まで行き、2晩列車に乗った後、またバスに乗り換えて、3階建ての家に着きました。

 そこで3人の男にレイプされ、明日から客を取るようにいわれました。嫌だというとひどく叩かれ、“お前を連れてきた男に大金を払った。お前の借金だから全額返すまで働いてもらう”といわれました。それから毎日10人以上の客の相手をさせられました」

 ネパールの首都カトマンズ。空港近くの住宅街に『マイティ・ネパール』というNGOがある。インドの私娼窟に売られ、売春を強要されていた被害者を保護する施設だ。

 その一室で、カルパナ(17歳)が、自分の身に起こった悲劇を打ち明けてくれた。現地NGOと警察によってインド・プネーの売春宿から救出され、ネパールに帰還して2週間目のことだ。

 カルパナの家はカトマンズ近郊の下町。家族は、雑貨店を営む両親と兄ひとり弟ひとり。映画とおしゃれが好きな普通の女子高生だった。

 そんな彼女の日常を大きく変えたのは一昨年。SLC(高校卒業試験)を終え、春休みに入って間もなくのことだ。きっかけは、Facebookに寄せられた1通のメッセージだった。

 「私の写真を見た彼が、かわいいねってメッセージをくれたんです。それでやりとりするようになって、電話でも話すようになりました」

 カルパナの6歳上の兄は、Facebookを通じて知り合った相手と結婚したばかりだった。学校の友だちも、Facebook上で出会ったボーイフレンドの存在を自慢していた。だから、知らない男性からのアプローチにも疑いを抱かなかった。SNSから始まる恋は、あたりまえにあると思っていた。

 しかし、彼女を待ち受けていたのは、信じた男に売り飛ばされるという現実だった。
少女の値段は約数万円~数十万円
 ネパールとインド間の国境を越えて、年間7000人ものネパールの少女が人身売買されている。少女の値段は、わずか数万~数十万ルピー(約数万円~数十万円)。売られる先は、デリーやムンバイ、コルカタ、プネーなど、大都市の一角に巣食う私娼窟だ。

 売春宿での生活は過酷だ。狭い部屋に閉じ込められ、昼夜を問わず客の相手をさせられる。

 しかし、何人客をとっても自分の手には1ルピー(約1円)も入らない。与えられるのは粗末な食事と数枚の衣類、そして安物のメイク道具のみ。HIV/AIDSなどの重い病気に罹かるか、客がつかない歳になるまで、性奴隷として酷使され続けることになる。

 私がこの問題を知ったのは1994年のことだ。以来、本業のかたわら、『ラリグラス・ジャパン』というボランティア団体を立ちあげ、人身売買根絶を目標に被害者支援を続けている。活動は今年で20年目を迎えるが、未だ解決の糸口はつかめていない。

 決して、無策だったわけではない。活動パートナーである『マイティ・ネパール』は、農村部を中心に啓発活動を行い、インドとの国境の要所に独自の監視所を設けるなどして犯罪抑止に努めてきた。それでも少女たちを守りきれないのが実情だ。むしろここ数年、犯罪の手口の複雑化により、さらなる困難を強いられているといえる。
SNSを通じ甘言で惑わせ連れ去る
 かつて、人身売買のターゲットとされるのは、基本的なインフラも整備されていない山間の村に暮す少女たちだった。急峻な地形が耕作を阻み、現金収入の手立てもない村の暮らしは厳しい。こうした村では、子どもも貴重な労働力として扱われる。小学校に通うこともなく、家事や畑仕事を手伝い、10歳ぐらいになると日雇い労働に出て家計を支える。それでも、1日1食さえ口にできないような生活だ。

 そうした少女に周旋人は触手を伸ばす。

 「いい仕事を紹介してやろう。お金を稼げばおなかいっぱい食べられるし、家族に仕送りだってできる」

 と声をかけ、村から連れ去るのだ。農村部における貧困と教育の機会の欠乏が、人身売買犯罪を生むとされてきたのである。

 しかし近年、カルパナのような中産階級家庭の子女までもが、犯罪に巻き込まれるようになった。衣食住に困ることもなく、教育の機会にも恵まれたごく普通の女子中高生が、インドに供給されるケースが目立ちはじめているのだ。

 その要因とされるのが、携帯電話やSNSの普及だ。カルパナの例にみられるように、少女たちが開設したFacebookにコンタクトをとり、甘言で惑わせて連れ去る手口が横行しているのである。
驚くほど安いスマホ
 ネパールは、アジア最貧国のひとつとされている。そのような国の中高生が、日常的にSNSを利用できる環境にあるのかと不思議に思われることだろう。

 確かに一昔前のネパールでは、インターネット回線どころか、多額の初期費用を要する固定電話を持つことさえできない家庭も珍しくなかった。そうした人々のために、街や村のあちこちに貸電話屋があったのだが、近年、その数は激減している。SIM形式の携帯電話やスマートフォンが爆発的に普及したからだ。

 日本では決して安いとはいえない携帯電話だが、ネパールでは驚くほどの値段で購入できる。もちろん、当初は経済力のある者に限られた高級品だったが、10数年前から中国製やインド製の格安携帯が出回り始め、庶民にも手が届くようになった。もっとも安価なものであれば、日本円にして本体価格1000円程度。SIMカードは100円から購入でき、追加チャージは50円から可能だ。

 スマートフォンも同様、本体価格5000~6000円。インターネット専用チャージであれば20円から可能だ。また、スマートフォンを持たずとも、ネットへのアクセスに不自由はない。貸電話屋から商売替えしたサイバーカフェが、1時間50円で利用できるからだ。

 ネパールの庶民的な店でお茶を飲むと1杯10円程度。雰囲気のいいカフェでも25円ほどだ。バス代でいえば、カトマンズ市に隣接するパタン市との間が25円。パタン市より30分ほど遠方に位置し、乗り継ぎを要するゴダワリとの間でも50円ほどだ。つまり、追加チャージ代やサイバーカフェ代は、中高生の小遣いでまかなえるほどの安さなのである。
信じられないほど無防備
 世界のFacebookのユーザー数は、2014年に13億5千万人を突破したという。手軽に交友の輪を広げられることが魅力のひとつとされるが、一方でストーカー被害に遭うなど、トラブルに巻き込まれるケースも発生している。ゆえに、ネット上で知り合って間もない相手から「会いたい」と乞われたとしても、警戒心が先に立つのが普通の心理といえるだろう。

 ところが、ネパールの少女は信じられないほど無防備だ。「かわいいといってくれた」、「悩みを聞いてくれた」、「好きといってくれた」。この程度のやりとりで、素性もわからない相手に恋心を抱いてしまうのである。

 ネパールの少女の恋愛偏差値は、きわめて低いといわざるを得ない。

 その理由は、ネパールの国教・ヒンドゥー教が自由恋愛を禁じているところにある。とくに女子は、「父親に従い、嫁して夫に従い、嫡男を生み育て、成長した後は嫡男に従う」との三大義務を果たすため、清く正しく生きることを求められる。よって、男性と並んで歩いただけでも不良扱いされかねない。
 
結婚はもちろんお見合いだ。初恋の甘酸っぱさも、恋煩いの悩ましさも、失恋の苦しさも、ひとつとして経験することなく嫁いでいくのがよしとされているのである。

 最近では恋愛結婚も増加傾向にはあるが、親の世代は未だ自由恋愛に否定的だ。恋人ができたとしても、デートらしいデートはかなわない。「お寺にお参りにいってくる」といって出かけ、境内の片隅でおしゃべりするのが限界である。これでは、恋愛偏差値を上げられるはずもない。

 テレビで湯水のように放送されるインドの恋愛映画も、少女たちに影響を及ぼしている。インドもネパールと同じ、ヒンドゥー教を国教とする国だ。そのため、かつての映画業界は非常に風紀に厳しかったが、昨今はキスシーンも解禁となった。オブラートに包みながらではあるが、ベッドシーンが映し出されることもある。

 もはや「結婚まで純潔を守るべし」との教えは過去のものとなり、自由恋愛があたりまえになりつつある。そうした風潮が、少女たちをさらに無防備にさせていると思えてならないのである。

 カルパナも、そんなひとりだったのかもしれない。

 「友だちにはいえないことも彼には話せた。彼はとてもやさしかった。いつか結婚しようといってくれた。その言葉を信じた私が悪いのです。汚れてしまった私は、もう結婚できないと思います」

 彼女の重ねた手の上に、後悔の涙がこぼれ落ちた。

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長谷川まり子(はせがわ・まりこ)ノンフィクションライター。1965 年、岐阜県生まれ。世界の社会問題を取材する過程で、インド・ネパールの越境人身売買問題を知りライフワークに。新聞、雑誌、書籍、テレビドキュメンタリーを通じてリポートするとともに、1997 年、人身売買被害者支援のための無償ボランティア団体「ラリグラス・ジャパン」を立ち上げ、その代表としても活動を続ける。著書に『少女売買』(光文社知恵の森文庫)〈第7回新潮ドキュメント賞受賞〉、『がん患者のセックス』(光文社)、『アジア女子旅の達人』(光文社)などがある。
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長谷川 まり子

外国人労働者 受け入れルールの議論を

Source: https://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/317408

GOOGLEニュースより、2017年03月27日


日本で働く外国人労働者が急増している。厚生労働省の調査によると、昨年10月時点で約108万人に達し、初めて100万人の大台を突破した。

 途上国への技術移転が目的の技能実習生や留学生アルバイトの増加が総数を押し上げている。
 政府は単純労働の外国人受け入れを認めていない。ところが、多くの実習生が工場などで単純労働に従事している。コンビニや飲食店では、留学生が欠かせない労働力になっているのが実情だ。
 実習生と留学生はどちらも前年比で約25%増加し、ともに約21万人に上る。本紙はキャンペーン企画「新 移民時代」で、九州の実態を多角的に探っている。
 第1次産業や中小零細の工場では、人手不足の穴埋めに技能実習制度が使われているのが実態と言わざるを得ない。待遇は最低賃金レベルだ。「安価な労働力確保策」という批判は免れまい。
 年内には受け入れ職種に「介護」が加わる。実習生の数はさらに膨らむ見通しだ。後を絶たない賃金の不払いなど不正の監督強化は、喫緊の課題である。
 生活費や学費を稼ぐために、法律で定められた週28時間の上限を超えてアルバイトをしている留学生は珍しくない。中には、当初から学業より就業が目的の「出稼ぎ留学生」もいるという。
 「バイトで月30万円は稼げる」。現地の仲介業者が甘言で留学生を募る。生徒をかき集め、利益を上げたい日本語学校が受け入れる。そんな構図が背後にある。
 政府は留学生30万人を目標に掲げている。ならば、留学生を送り出すベトナムやネパールなどとの連携を強化し、仲介の適正化に取り組むべきだ。乱立状態といわれる日本語学校の「教育の質」をチェックする仕組みも早急に整える必要がある。
 少子高齢化で労働力人口は先細りしていくと予想される。現状と将来を見据え、外国人をどの程度、どんなルールで受け入れるべきなのか。法律や制度の在り方を含めて国民的な論議を深めたい。

=2017/03/27付 西日本新聞朝刊=

ネパールに届け 園児が描いた「ど根性ひまわり」

Source: https://www.kobe-np.co.jp/news/miki/201703/0010021776.shtml
GOOGLEニュースより、2017/3/21 21:42神戸新聞NEXT
ネパールに届けるヒマワリの絵を描いた園児ら=三木市上の丸町、上の丸保育所
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ネパールに届けるヒマワリの絵を描いた園児ら=三木市上の丸町、上の丸保育所
 兵庫県三木市上の丸町、上の丸保育所の4歳児21人が、東日本大震災後に宮城県石巻市のがれきで花を咲かせた「ど根性ひまわり」の絵を描き、21日、ネパールを支援する三木市のNPO法人「ラリグラス」理事長の水場あけみさん(44)に託した。同じく地震に見舞われた同国の小学校や自閉症センターに飾られる予定。
 今春からヒマワリを育てる園児らは「ど根性ひまわり」について絵本で事前に学習。この日は被災地支援に取り組む同市の森田和彦さん(52)からヒマワリの種を受け取り、一人ずつ水場さんに絵を手渡した。
 ネパールの国旗について説明も受け、女児(5)は「(絵を見たネパールの人が)いい気持ちになってほしい」と話していた。
 水場さんは27日に現地入りし、「ど根性ひまわり」の種とともに園児の絵や写真を届けるという。(大島光貴)

2017年2月21日火曜日

「的外れ」現場は反発、留学審査厳格化 新方針「不法」「進学」も同一視

Source: http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/309193
2017年02月20日、ヤフーニュースより



東京入国管理局が2月10日付でアジア5カ国の審査厳格化を日本語学校に伝えた文書
東京入国管理局が2月10日付でアジア5カ国の審査厳格化を日本語学校に伝えた文書
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 各地の入国管理局が今月に入り、日本語学校に送っている一枚の文書。唐突に2年前のデータで「除籍・退学者が10人以上」だったとし、留学生の入国審査を厳格化する内容が波紋を広げている。不法残留も、大学進学も「退学」とひとくくりにする乱暴さ。対象がなぜ5カ国なのかも定かではない。学費や生活費のため、法定基準を超えて働く留学生に頼る日本社会の実態も考慮されていない。「的外れな対応」「現場を知らないお役所仕事」。関係者からは批判が上がる。
 東京入国管理局は2月10日付で文書を送った。九州・沖縄を管轄する福岡入国管理局も近く、各学校に説明するとしている。
 法定の「週28時間」を超え就労する留学生が多いのは事実だ。出稼ぎ目的の留学生や、こうした学生を利益重視で大勢入学させている学校もある。事態を「改善」するため、入管当局は今回の厳格化方針を打ち出した。
 だが、福岡市の日本語学校の経営者は「退学者の中には病気で帰国したり、就職したりする学生もいる。ペナルティーを避けるため、彼らを引き留める人権侵害行為を招く恐れもある」と指摘する。
 東京都内の日本語学校の校長は「学校の規模にかかわらず『10人以上』というのは乱暴だ。母国でかなりの日本語能力をつけて来日し、在学途中で大学合格する留学生もいる。優秀な学生の獲得があだとなりかねない」と非難し、「現場を知らない官僚が考えたとしか思えない」と続けた。
 新方針は7月入学者から適用されるが、必要書類の提出期限は3月中旬。「この時期の急な方針に現場は混乱し、ベトナムなどでは送り出し機関が対象外の学校を探し回っている」(関係者)という。
 入管は厳格化策として、現地金融機関の出入金明細書などを新たに求めた。だが、この種の証明書がない国があるほか、「現在提出が必要な残高証明書も偽造が横行している国もある。新たな書類を求めても、偽造が増えるだけだ」との声も出ている。
 関東にある別の日本語学校の校長は「こんな締め付けをしても根本的な解決にならない。深夜のコンビニや運送業など、留学生の労働力に頼っている業界から悲鳴が上がるだけだ。他の省庁と連携して奨学金を出すなど、留学生を支援する政策を考えるべきだ」と語った。
●根本的矛盾にメスを 上智大の田中雅子准教授(国際協力論)の話
 法務省は5カ国を選んだ理由を開示する必要がある。その上で、先方の政府と協議して現地の留学仲介業者を指導すべきで、学生の学習権を奪ってはならない。入国前審査で重要なのは仕送り能力よりも語学力だ。就労目的の留学生が日本語学校に在籍しているのは事実だが、建前上は移民を認めず、「留学生30万人計画」を掲げて外国の若者に安価な労働力を求めている根本的な矛盾にこそメスを入れるべきだ。労働力が必要なら、時間を限定せず就労できる在留資格を設ける以外にない。不法残留・就労は大幅に減るだろう。
=2017/02/20付 西日本新聞朝刊=


留学生の入国審査、法務省厳格化 学校側から批判、対象5カ国では混乱も

Source: http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170220-00010000-nishinpc-soci
西日本新聞 2/20(月)、ヤフーニュースより

 法務省の入国管理当局が2月に入り、中国など5カ国からの留学生について、2015年の除籍・退学者が10人以上となった日本語学校に対し、入国前の審査を厳格化する方針を順次、伝えていることが分かった。留学生の不法な就労や残留の抑止が狙い。だが、退学には大学進学や病気を理由とした「適正な退学」もあり、一律の線引きに学校側から批判が出ている。3月中旬が提出期限の審査書類から適用されるため、対象5カ国では混乱も起きている。

【画像】東京入国管理局が審査厳格化を日本語学校に伝えた文書

 法務省によると、対象国はほかにベトナム、ネパール、ミャンマー、スリランカ。同省担当者は「5カ国は留学生数が多く、不法残留が増えている。不法就労の情報もある」と説明する。ただ、16年1月現在の不法残留者数上位10カ国・地域に含まれるのは中国とベトナムだけで、5カ国の選定にも疑問の声が上がっている。
 入管当局はこれまで、母国からの仕送り能力を審査するため、現地の金融機関の残高証明書などの提出を義務付けてきた。これに加え、7月入学分から、残高の裏付けとなる出入金明細書や預金通帳の写しを新たに提出させることで、審査をより厳格化する。

 だが、十分な仕送りができるのは富裕層に限られ、多くの留学生は「週28時間以内」の就労制限を超えたアルバイトで学費や生活費を捻出している実態がある。途上国の中には金融機関での資産管理が浸透していない国・地域もあり、「ベトナムやミャンマーでは、追加書類を準備するのが難しく、すでに混乱が広がっている」(日本語学校関係者)という。

 除籍・退学者が「10人以上」という対象校の選定にも「進学や病気、親の介護による退学もペナルティーの対象という意味か」(別の関係者)と困惑の声が上がっている。

 法務省入国在留課は厳格化の方針を認めた上で「10人以上という数字に根拠はなく、半数以上の日本語教育機関を対象とするための線引きだ。そもそもペナルティーではない」などと説明している。

=2017/02/20付 西日本新聞朝刊=
西日本新聞社

サッカーボールで運命を切り拓く少女たちーー映画「スナカリ」

Source: http://bylines.news.yahoo.co.jp/matsubarakei/20170214-00067686/
2/14(火)、ヤフーニュースより
ネパールの山岳地帯で生活する少女たち(C)2015 Sunakali.
2017年2月11日から17日まで、横浜のみなとみらい(※)で開催されている「ヨコハマ・フットボール映画祭2017」。
ここで上映されている、「スナカリ」という作品が気になっていたので、さっそく観てきた。
(「スナカリ」予告編)
この作品は、サッカーを通じて、少女たちが運命を切り拓くドキュメンタリーである。だが、サッカーを愛する少年や少女が、夢を叶えてプロになるサクセス・ストーリーとは一線を画している。
描かれているのは、ネパールの最も辺境の地で、極貧地域と言われる山岳地帯に暮らす少女たちの、ありのままの生活と、伝統に沿った生き様だ。
その背景があればこそ、一つのボールが少女たちの運命を変えていく中で「サッカーが持つ力」が浮き彫りになっていく。
手がけたのは、カトマンズ在住のBhojraj Bhat監督。本作は、世界中の山岳映画祭で、最優秀ドキュメンタリー賞を含む14もの賞を受けており、注目を集めている。
【サッカーボールで運命を切り拓く少女たち】
100を超える民族が共生するネパールで、山岳地帯では特にヒンドゥー教やカースト制(※)に加えて封建的な風土や伝統もあり、女性の社会的地位は低い。
中でも、作品の舞台となるムグ郡は、食糧不足で生活も苦しく、教育の質も十分とは言えない。2011年の統計によると、ムグ郡の女性の識字率はわずか9%。15歳から19歳の女性のうち63%が結婚している。2014年の段階で、女性の平均寿命は40歳に届いていない。
少女たちは普段、家畜の山羊の面倒を見て家計を支えている。唯一の楽しみは、家畜のエサを友達と一緒に集めに行く時に、こっそりボールを蹴って遊ぶことだ。 
カゴにボールを入れて意気揚々と出掛ける少女たち(C)2015 Sunakali.
カゴにボールを入れて意気揚々と出掛ける少女たち(C)2015 Sunakali.
冬は雪に覆われた地面に木の棒を立ててゴールを作り、デコボコの雪面で、ボールを蹴って楽しむ。平らな場所はなく、強くボールを蹴ろうものなら、数百メートル下の崖にボールが落ちていってしまうこともある。練習が終わると、雪に塩を混ぜて食べ、汗で失われた塩分を補給する。
この少女たちは、まさに「結婚適齢期」直前の14歳。そんな彼女たちが、自分たちの運命を切り拓くきっかけとなったのが、数百キロ離れたカイラリ郡で開催される女子サッカー大会だった。
そして、この大会のために結成されたムグ郡の少女たちによる「チーム・ムグ」のメンバーのうちの1人が、この映画のタイトルにもなっている「スナカリ」という少女である。
サッカーボールを蹴って無邪気に笑うスナカリの笑顔は、14歳の少女そのもの。
だが、ふとした時に彼女が見せる表情は大人びていて、瞳はまるで、人生のあらゆる悲喜憂苦を知っているかのような深い色をたたえている。
そんなスナカリは、そう遠くない未来に嫁がなければならないという運命を受け入れながらも、その運命を変えるきっかけを探していたのだろう。
※「カースト制」
ヒンドゥー教における身分制度のこと。バラモン(司祭)、クシャトリア(王族・武士)、ヴァイジャ(平民)、シュードラ(奴隷)、アチュート(人間あつかいされない人々)から構成される。
【初めて知った敗北の悔しさ】
ネパールの山岳地帯において、14歳の少女が親元を離れるというのは大変なことである。大会に向けて、郡を挙げてチームを編成し、遠征することになった時、コーチが少女たちの親を一人ひとり説得していくシーンは強烈なインパクトがあった。
「それは許可できません」
娘の遠征を許したら、山羊の面倒を誰が見るのか。
勉強は遅れるし、試験に落ちたらどうするのか。
お金にもならない。ケガをするかもしれない。
母親たちが口にする悩みは切実で、子を持つ親としては世界共通の悩みといえる。 一方で、「娘がどこかに売られてしまったらどうするのか」という、日本では考えられない不安を口にする親もいた。
それでもコーチは粘り強く、
「何かあれば全て責任を取ります」
と、誓約書を見せてなんとか説得に成功し、少女たちは大会に参加できるようになった。そして、彼女たちは初めて家を離れることとなった。
「チーム・ムグ」の少女たち(C)2015 Sunakali.
「チーム・ムグ」の少女たち(C)2015 Sunakali.
「チーム・ムグ」は、練習をかねて、まずは親善試合に参加した後、本大会に臨むことに。親善試合は、チームにとって初の遠征となった。
移動は徒歩である。それも、歩くのは標高4,200mを超える険しい山道。2日間歩いてようやくたどり着いた末、疲労でパンパンになった脚で試合に臨み、親善試合は、2-2の末にPK戦で敗れてしまった。
少女たちは、控室の床に突っ伏して泣きじゃくる。
「失望することはない。勝者と敗者がいるのだから」
と、コーチが慰めた。
だが、この敗戦による悔しさは、彼女たちに新たな価値観をもたらすきっかけになった。負けて「悔しい」という、生まれて初めて感じた気持ちが、「勝利を掴み取りたい」という強い気持ちに昇華したのだ。それは、伝統やしきたりによってあらかじめ決められた自分たちの運命さえも、自分たちの努力によって変えられるのではないかという希望につながる大きな一歩を踏み出した瞬間でもあった。
試合後は、熱戦を交えた相手チームの選手と触れ合い、「(2日間の移動で疲れていたので)もう1日休みがあれば勝てたはずなのに」などと、強がりを言って笑って見せた。
もちろん、他の郡の少女たちと触れ合うことも初めての経験だ。
少女たちは生まれて初めての敗戦を乗り越え、サッカーが教えてくれる様々な感情を知り、これまで閉ざされてきた外の世界を知ることで、大人への階段を上がり、成長したように見えた。その人間的な成長が、スクリーンを通じて手に取るように伝わってくる。
【大会で優勝し、村の”メッシ”的存在に】
大会が行われたカイラリ郡の試合会場(C)2015 Sunakali.
大会が行われたカイラリ郡の試合会場(C)2015 Sunakali.
そして、いよいよ大会本番。チームはムグ郡から2日間かけて、牛車や人力車、そして小さなプロペラ機を乗り継いで開催地のカイラリ郡へと向かう。
砂ぼこりが巻き上がるグラウンドで、チーム・ムグは1試合1試合勝ち上がり、大勢のファンを味方につけて、ついに優勝を勝ち獲る。中でも、エースストライカーのスナカリが見せる活躍は必見だ。
娘たちの帰りを待つムグ郡では、優勝したチームを盛大に迎える準備が整っていた。
「郡の誇りだ」
人々は少女たちに最大限の敬意を表して、歩かないで村に帰れるように馬を用意し、大会で最優秀選手賞を獲得したスナカリを「ムグのメッシだ!」と称賛する。
「チーム・ムグ」の活躍は、郡の中で男女平等を唱える声が上がるきっかけとなり、女性たちに勇気を与えていく。少女たちの結婚適齢期は20~22歳に上がる可能性もあるという。
昨今は、国家同士の政治的な思惑が試合会場でのヘイトスピーチを助長したり、反移民政策によって特定の国籍を持つアスリートが弾き出されるなど、政治とスポーツが残念な形で結びつくニュースが少なくない。そんな中で、この作品は、スポーツが政治を、みんなが希望を持てる方向へ変えた良いケースと言える。私は映画を鑑賞した後、なんとも清々しい気持ちになった。
低予算の中で作られた作品だからか、約1時間と短く、オープニングとエンドクレジットはない。映像は粗く、終わり方も唐突で、翻訳にも雑な部分が目立つ。
だが、この作品の本質を考えれば、それらは些末(さまつ)なことにも思える。
映像にならなければ、おそらく一生知る機会がなかったであろう辺境の地で、彼女たちの生活に密着し、少数民族の女性たちが抱える過酷な運命や葛藤を追い、サッカーで運命を切り拓いた少女たちの、あまりにもドラマチックな「事実」。
それは、年齢や性別を超えて、作品を見る多くの人の心を捉えるに違いない。
残念ながらヨコハマ・フットボール映画祭での「スナカリ」の上映は13日で終了してしまったが、引き続き、この作品が見られる機会が増えることに期待したい。
世界中の山岳映画祭で受賞した(C)2015 Sunakali.
世界中の山岳映画祭で受賞した(C)2015 Sunakali.
※ブリリアショートショートシアター(みなとみらい)にて2月11日~17日まで

外国人に生活ルール冊子 基山町民作成、留学生らに配る [佐賀県]

Source: http://www.nishinippon.co.jp/nnp/saga/article/309457

2017年02月21日、GOOGLEニュースより

冊子を作った舟木さん(左)と中村さん
冊子を作った舟木さん(左)と中村さん
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自転車の交通マナーや生活のルールを5カ国語で記した冊子の1ページ
自転車の交通マナーや生活のルールを5カ国語で記した冊子の1ページ
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 日本で暮らす技能実習生や語学留学生が増える中、基山町の住民が町内や周辺に住む外国人向けに自転車の交通マナーや生活のルールを解説した冊子を作った。A6判の12ページで日本語、英語、中国語、ベトナム語、ネパール語の5カ国語を表記。住民らは「多文化共生のきっかけとして活用したい」と話している。
 作成したのは同町長野第7区の舟木喜代美区長(66)と、外国人に日本語を教えるボランティア団体設立を計画している同町園部の中村静佳さん(45)。舟木さんが昨夏から翻訳ソフトで文案を検討。町の補助金を活用し、交通ルールの記述は鳥栖三養基地区交通安全協会の協力も得た。中村さんの人脈をたどり、各言語を母国語とする人に文章表現を確認してもらった。
 町によると、町内在住の外国人は昨年末時点で122人。前年同期比で27人増えた。隣接する鳥栖市や福岡県小郡市には日本語学校があり、留学生も多い。町内でも国道3号沿いの長野地区は事業所が集中しており、舟木さんによると通勤で行き来する外国人が「昨年の春ごろから急に増えた印象」。住民からは「深夜に自転車をこぎながら大声で話している」「ごみをポイ捨てしているようだ」という声があるという。
 冊子には「自転車は2人並んで走らない」「住宅地は静かに通ろう」などと記し200部を印刷。1月末に事業所に配り、街頭でも外国人に声を掛けて手渡した。舟木さんは「実際に話してみると良い子ばかり」。中村さんは「これから住民と外国人が触れ合う機会を増やしたい」と話している。
=2017/02/21付 西日本新聞朝刊=