Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/7c31f243cd41000cb3ba28ba60b7653ede90f54d
外国人留学生数ランキングや海外留学派遣学生数ランキングをもとに、大学の強みを読み解いていこう。発売中のAERAムック「就職力で選ぶ大学2027」(朝日新聞出版)より紹介する。
外国人留学生数ランキング1位~10位はこちら
* * *
2020年代初頭、新型コロナウイルス感染拡大によって、大学がそれまで進めてきたグローバル化の動きが鈍くなってしまった。海外渡航制限が世界中で広がり、学生や大学教員は日本から海外へ、海外から日本へ移動することが難しくなった。
23年になってコロナ禍はようやく収束し、キャンパスに外国人留学生が戻ってきた。25年、外国人留学生数は26万7895人となっている。前年比3万8428人増だ(文部科学省資料。高等教育機関=大学、短大、専門学校。日本語教育機関を含まない)。コロナ禍前の19年22万8403人から、22年には18万1741人まで落ち込んだが、23年18万8555人、24年22万9467人と推移し、すっかり回復した。
もちろん、コロナ禍の収束によるものだが、日本社会や文化に関心が高まったことも大きい。そして、円安が進んだことも見逃すことはできない。日本に来やすくなったわけだ。
25年の外国人留学生の出身を、国と地域別に見てみよう。上位は(1)中国9万8733人(前年比4098人増)、(2)ネパール5万5607人(同1万8404人増)、(3)ベトナム2万3 6 8 0人(同1047人増)、(4)韓国1万3526人(同40人減)、(5)ミャンマー1万3248人(同6252人増)となっている。このほかに、(10)アメリカ3515人(同483人増)、(20)ロシア8 6 1人(同13人減)、㉑イギリス813人(同44人増)だった(文科省資料)。
26年以降、外国人留学生全体は増える見込みだが、中国からの留学生は日中関係の悪化で中国政府が厳しい政策をとっていることもあって、減少する可能性がある。
外国人留学生数(学部)ランキング
1位:立命館アジア太平洋大/2,809人
2位:東海大/2,093人
3位:東京福祉大/2,048人
4位:立命館大/1,871人
5位:早稲田大/1,846人
※データは2025年度。
外国人留学生受け入れ(学部)1位の立命館アジア太平洋大(APU)は世界121カ国、地域からさまざまな文化的背景を持った学生が学んでいる。教員は2人に1人が外国籍でキャンパスの「公用語」は英語と日本語だ。
APUの外国人留学生の出身国・地域は、アジアにおいてミャンマー540人、インドネシア441人、バングラデシュ324人、中国298人、韓国252人だった。欧米ではウズベキスタン35人、フランス23人、イギリス13人、ドイツ11人、ノルウェー8人、アメリカ59人、メキシコ13人、カナダ10人となっている(26年5月)。
5位の早稲田大は81の国と地域および596校と協定を結んでいる(25年度)。国と地域、海外提携校の数ではいずれも1位だ。20年以降、ニュージーランドのオタゴ大、カザフスタンのナザルバエフ大、スウェーデンのエレブル大と協定を結んだ。
早稲田大で学ぶ多くの外国人留学生の暮らしを支えているのが、早稲田大国際学生寮「Waseda International Student House」(W I S H)である。定員872人で日本人学生と留学生が共に生活する。ハウスマスター(管理人)、RA(レジデント・アシスタント〈先輩寮生〉)が新入生の大学生活をサポートする。
■日本から海外への留学生は減少傾向
海外へ派遣した留学生数ランキング
1位:関西外国語大/889人
2位:早稲田大/610人
3位:近畿大/591人
4位:法政大/390人
5位:立命館大/389人
※データは2024年度。
戦争が続いているウクライナの大学と協定を結んだ大学がある。
東京女子体育大はウクライナ国立体育スポーツ大と協定を締結した。
「両大学は教員と学生の相互交流、共同研究の遂行など、様々な取組を通じ、ウクライナへの支援・協力を図るとともに、互いの特長を活かし、国と地域の発展に寄与できることを期待します」(大学ウェブサイト)
ほかに埼玉大、東京都立大、神戸学院大、日本経済大などがウクライナの大学と提携している。
日本から外国の大学に留学する学生(海外留学派遣)もコロナ禍の直撃を受けた。19年の10万7346人から、20年は1487人にまで落ち込んだが、21年1万999人、22年5万8162人、23年8万9179人と推移し、24年は9万1054人まで回復した。
2024年の派遣先の国と地域の上位は、(1)アメリカ1万2627人(前年比890人減)、(2)オーストラリア9329 人(同166人増)、(3)韓国8360人(同24人減)、(4)カナダ6736人(同885人減)、(5)イギリス5381人(同344人増)となっている(文科省資料)。
25年、ピーク時の18年11万5146人までは戻らなさそうだ。25年、留学予定またはすでに留学中の日本人のアメリカ入国者数が、前年比で約3千人減っている(アメリカ商務省国際貿易局の入国者データ)。メディアはこう伝えた。
「トランプ政権が留学生への締め付けを強めたり、ビザの発給を制限する姿勢を見せたりしたことが影響した可能性がある」(朝日新聞デジタル26年1月13日)
海外提携校数ランキング
1位:早稲田大/596校
2位:東北大/472校
3位:関西外国語大/424校
4位:北海道大/359校
5位:上智大/346校
※データは2025年度。
海外提携校がある国、地域数ランキング
1位:早稲田大/81
2位:東京外国語大/74
3位:筑波大/68
4位:金沢大、北海道大/66
※データは2025年度。
海外留学派遣ランキング1位の関西外国語大は55の国と地域、424校と協定を結んでいる。
4位の法政大は25の国と地域、105校と提携している。海外留学プログラムとして「派遣留学」「認定海外留学」「SAプログラム」「短期語学研修」「国際ボランティア・国際インターンシップ」がある。「派遣留学」で1年間フランスのベルサイユ大学で学んだ学生がこう話す。
「学びの面では『ソフトパワー』についての授業が忘れられません。軍事外交をハードパワーと呼ぶのに対し、ソフトパワーは武器を使わないで行う外交を指します。例えば日本の場合、皇室外交やアニメ文化による交流などが該当します」(法政大広報誌「HOSEI」2025年2、3月号)
外国人留学生受け入れ、留学生派遣というグローバル化政策によって、大学が世界と競争する姿を見ることができる。グローバル化最前線の大学を目指したい。
※外国人留学生数は、正規留学生。聴講生、研究生、交換留学生は含まない。海外へ派遣した留学生数は、留学先の大学で取得した単位(16単位以上)が、帰国後、日本の大学で卒業要件として認定された学生を集計した。留学期間は半年以上を目安とした。4年制で卒業に必要な単位数は128 単位が一般的であり、それを8(半年分)で除すと16単位になる。したがって、留学期間は半年以上=16単位以上取得に相当するものとした。海外提携校とは、(1)単位互換制度に基づく学生の派遣、(2)学生の短期中期長期の研修、(3)留学生の交換、(4)新規海外留学生の受け入れ、(5)戦争や災害など非常時における学生の受け入れ、(6)教員の教育上の交流、(7)共同研究の計画実行、(8)事務職員の派遣や情報交換などでの交流―などを行うことができる協定を締結した大学。国、地域は海外提携校の所在地。
(文・小林哲夫)
小林哲夫

0 件のコメント:
コメントを投稿