Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/0403007beeb9f08db613bf9be815cdbbad1a6a2e
氷河の崩落をきっかけに、ネパールと中国の国境付近で8月26日に発生した大規模な土石流は、人や建物をのみ込み町の姿が一変した。ネパール出身で、長野県松本市浅間温泉1のホテル玉之湯で働くバスネット・バガワンさん(32)の故郷、ネパール中部のヌワコット郡トゥプチェ・ソレは集落ごと消失。母親を含む7人の親族を亡くしたバスネットさんが、悲痛な胸の内を語った。
土石流発生時、バスネットさんは「なぜか話したくなって」母親のシャラダさん(52)と電話していた。急に切れてしまったが、よくあることと気にしなかった。しばらくして一緒にいた妻、タシゴル・シュレティさん(28)の電話に土石流の一報が入り、慌ててかけ直したがつながらなかった。
約150キロ下流のインドとの国境近くで遺体が見つかったと連絡が入ったのは28日深夜。なんとか航空券を手配して30日にネパールへ飛んだ。損傷していた遺体の腐敗を防ぐため31日に火葬。地元にはとても入れず葬儀はカトマンズ市で行った。13日間にわたるネパール式の葬儀を終えて9月14日朝に日本に帰ってきた。行方不明者が6000人以上に上る中、他の親族の遺体は見つからず人形を遺体に見立て葬儀を行った。
無事だった知り合いの話では、自宅の3階キッチンに居たシャラダさんはいったん逃げたものの、自宅に残してきたバスネットさんの祖母ハスタ・クマリさん(83)を助けに戻って土石流にのみ込まれた。「自分と電話していた時に、知り合いが母に避難を呼びかける電話をしていた。自分が電話をせず、すぐ知り合いの電話に反応していたら助かったのかも」とよく考えてしまう。
谷間の豊かな緑の中に家が点在していた美しい故郷は、一面の濁流となった。故郷を出ていた仲間の家族で、地元に残っていた人たちはほとんど亡くなった。19歳で日本に来て一生懸命働いてためたお金で、シャラダさんのために5年前に建てた家も流された。
バスネットさんの実家近くの集落にいた妻の家族は命からがら避難し、カトマンズ市のアパートに身を寄せている。バスネットさんは「被災者は住む所に苦労している。支援してもらえたら」と話した。
市民タイムス

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