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2026年10月1日木曜日
3年9か月にわたり不法残留した疑い ネパール国籍の女を現行犯逮捕 静岡・沼津市
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静岡県沼津市に住むネパール国籍の女がおよそ3年9か月にわたる不法残留の疑いで現行犯逮捕されました。
不法残留の疑いで現行犯逮捕されたのは、沼津市に下香貫宮脇に住むネパール国籍の無職の女(30)です。
警察によりますと、女は在留期間が2022年12月まででしたが、今月17日までおよそ3年9か月にわたり不法残留したとされています。
18日夜静岡県の職員から「不法残留の疑いがある外国人がいる」と警察に通報があり、入国管理局に確認したところ容疑が発覚しました。
女は別の外国籍の人物と同居していて、警察の調べに「手続きはやっていない」と容疑を認めているということです。
警察が詳しい経緯を調べています。
「これが最後の言葉です」 日本語がわからなかった18歳が大学合格後に送った1通の手紙
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来日直後は授業も理解できなかったベトナム出身の少年が大学合格をつかんだ。その陰には、勉強だけではない支えがあった。大阪・生野にあるNPO法人「IKUNO・多文化ふらっと」の学習支援教室には、週4日、小学生から高校生の子どもたちが集まっている。この場所で若者たちは何を得て、何に救われたのか。朝日新聞の玉置太郎記者、大瀧哲彰記者による新刊『ルポ 大阪・生野 人口2割が外国籍の街』から、一部抜粋してお届けする。
【画像】話題の『ルポ 大阪・生野』表紙画像はこちら
* * *
■複数のルーツが交差する場で
私が教室へ取材に通い始めて2カ月ほどたった師走の木曜日、金和永(キム・ファヨン/34)がめずらしく大声で教室全体に向かって呼びかけた。
「みなさん、聞いてくださーい。中学生のころから来てくれていたグエンさんが、こんど大学に合格しました」
部屋中から起きた歓声と拍手を受け、金の隣に座るド・グエン(18)が小さくはにかむ。
金は「教室からのプレゼントです」と言って、記念品のペンを贈った。さらに、グエンと高校3年間ずっとペアを組んできた講師の高悠史(コウ・ユサ/39)が、数枚の文書を手渡した。教室の講師らが毎回、活動の終わりにつけている学習記録をまとめたものだ。教室に保管されているグエンの記録を、高が中学時代までさかのぼって調べ、1カ月ほどかけて作ったという。
グエンは教室全体に向かって、彼らしい落ち着いた声であいさつをした。
「高校に入る前から、ゆささんに面倒をみてもらってきました。大変なこと、たくさんあったけど、ここで先生と一緒に勉強することが、すごく楽しかった。本当に先生のおかげで、私は成長できてきたなって思います。ありがとうございます」
拍手が収まるのを待ってから、高もまた、いつも通りの落ち着いた声で言葉を贈った。
「グエンくんの活動記録を見ていて、過去の先生たちと一緒に、長いことがんばってきたんだなと、よくわかりました。この教室で、グエンくんがどの科目の勉強をがんばるかについて、一緒に考えられたことがとてもよかったです。おめでとう」
傍らの金が「グエンくんはこの教室でもがんばって、夢をかなえることができました。みんなの夢もきっとかなうと思います。がんばってください」と呼びかけ、お祝いの時間を締めくくった。
グエンが故郷のベトナムから生野へ移り住んだのは、その5年ほど前だ。幼いころから学んできた英語は得意だったが、日本語はほとんどわからない。転入した地元の市立中学でも、授業の内容がまったく理解できない。大阪市は、来日したばかりの生徒を集める通級の日本語教室を市内各所の中学に設けており、グエンも授業時間の一部はそこへ通って勉強するようになった。
加えて、中学の校長の勧めで、近所にあるIKUNO・多文化ふらっとの教室にも通い始めた。教室はまだ日本語学習の必要な子どもを受け入れた経験がないころで、グエンが最初の一人になった。
高がまとめたグエンの学習記録を見せてもらうと、教室では主に数学や英語の教科学習に取り組んだという。記録には「数学の公式は理解できるのに、問題文中の日本語でつまってしまった」「中学の実力テストでは得意の英語で校内2位になった」といった言葉がのこっている。
教室で入試対策に取り組み、無事に高校へ進学したグエンは、特に英検の勉強に没頭したという。大学進学の際もずいぶん悩み、教室に来るたび高と話し込んだ。グエンは教室を、こう言い表す。
「ここは私の大好きな場所です。ここでは何でも相談ができる。ゆささんには、勉強をたくさん教えてもらったし、悩みもたくさん聞いてもらいました」
みんなから「ゆささん」と呼ばれている高は、生野で育った在日コリアンの3世。普段はプログラマーとして働く。中学生のころからコンピューターに夢中になり、大学院まで電気工学や情報学を学んだ。
プログラマーのキャリアを重ねる傍らで「何か教育に関わることがしたい」という漠然とした思いがあり、旧知の宋に声をかけられて、2020年から教室で講師を務めるようになった。
初めに担当したのが、当時中学生だった楊小熙(ヤン・ショウシ/17)だ。
小熙は中学1年のとき、中国のハルピンから来日した。冬はマイナス40度にまで達する東北部の大都市だ。両親はその10年ほど前に日本へ渡り、父親が料理人として大阪で働いていた。小熙は両親と離れ、幼いころから祖父母に育てられたという。
「日本に来るとき、おじいさんから『もう私たちはいないんだから、日本へ行ったら、何でも自分でしなさい』って言われました。それまで家事なんて全然やったことなかったけど、日本に来てからはできるだけ自分でしています」
小熙は体格がよくて、一見すると取っつきにくい印象があったが、実際に話してみるととても人懐っこい。学習の休憩中に声をかけると、色々と話をしてくれた。
「最近はごはんも自分で作ってるんです。見てくださいよ」と、自作料理の写真をスマホに映し出す。エビチリ、トマトの卵炒め、豚肉の素揚げ……、盛りつけまで整えた中国料理の皿が何枚も。父親の友人から紹介してもらった高級中華の店でアルバイトをしていて、賄いに出る料理の味を覚えて試すのだという。
「母親は『ごはん作らなくていいわ』って喜んでますよ。父親も家では料理しませんね。料理人って、家ではごはん作りたがらないみたいです」
教室でペアになる講師の高とは、教室の隅っこにある机に並んで座り、じっと話し込む姿が定番だった。
「ゆささんは何でも悩みをきいてくれて、信頼できる人。何か悩むことがあったら、いつもここで話します。ゆささんはたぶん、僕のことで知らないことないですよ」と小熙は笑う。渡日によって激変した暮らしのなかで、学校、アルバイト、家族関係と、いくつもの悩みを高に打ち明けてきたという。
周りがどれほど騒がしくても、二人の周囲には個室にいるかのような静謐な空気がある。
高は小熙の話を聞きながら時折、目の前に置いたノートパソコンのキーボードを、静かにたたく。
「できるだけ彼が話したことをメモしようと思ってやっています。書いたものを一緒に見ながら、どうしていくかを一緒に考えていけたら」という、プログラマーらしい発想だ。
小熙は高3の春、通っている高校を辞めて、別の高校へ編入することを決めた。
「今の高校が自分には合わないなっていう気持ちがずっとあって……」
高には半年ほど前から教室で相談を続け、必要書類の準備も手伝ってもらった。足のケガによる入院や手術もあり、小熙にとっては気持ちの浮き沈みが激しい時期だった。高と向き合う時間は大きな支えになったという。
転校後の5月、足のリハビリも一段落し、小熙は1カ月半ぶりに教室へやって来た。さっそく教室の隅っこに高と並んで座り、今後の学習の進め方を相談する。
「僕、やっぱり英語はがんばりたいですね。勉強ってやり方次第で効率も変わるじゃないですか。自分の勉強のやり方を探さないといけないなって」
小熙の言葉をメモしつつ、高は「それは大賛成です。数学はもともと得意だから、英語が大事だと僕も思います」と相槌を打つ。
「これまでの2年間、バイトにもたくさん入って、なんかめっちゃハードだったんですよね。だから逆に今の生活は、少し楽をしてしまってる感じもして……」
「『がんばれてない』と思っているのは小熙くんだけで、僕はめちゃくちゃがんばってると思う。今くらいのペースでがんばる、っていう新しい生活のリズムに、早く慣れていってくれたらいいと思います」
小熙はいつもの人懐っこい笑みを浮かべ、二人の会話はその後もずっと続いた。教室では午後5時半から9時前まで、前半と後半の90分ずつに分かれて中高生が集まるのだが、高は木曜日の前半に小熙と、後半にグエンとペアを組んできた。二人が教室に来る時刻が前後して学習時間が重なることもよくあり、そんな時は三人で話し込んだ。
小熙が高校へ進学する直前のやり取りを、高はよく覚えているという。小熙が「高校に入って勉強についていけるかなあ」と不安を口にすると、1学年先輩のグエンが「大丈夫だよ」と言って励ましたそうだ。
高は「小熙くんは心配を抱え込んでしまうこともあって、そんな時はよくグエンくんがポジティブな声をかけて、ムードメーカーになってくれました。正直、僕が助けられてもいましたね」と信頼を置く。
二人との関わりのなかで、高自身も「子どもの立場」について考えを巡らせるようになったという。
「本人はきっとこうしたいんやろうなあ、こういうことで困ってるんやろうなあ、という事情に、日常のいろんな場面で思考を向けることが増えましたね」
中国、ベトナム、朝鮮半島と、それぞれに違ったルーツをもつ教室の生徒と講師が互いに影響を与え合う時間は、こうして積み重なっていった。
グエンの大学合格が決まった後、高はグエンから一通の手紙を受け取った。手紙には得意の英語、しかも美しい筆記体で、感謝の言葉がつづられていた。
Through all the change and controversy, you’ve been by my side.
(いろんな変化や問題が起きる間もずっと、あなたはそばにいてくれました)
That is the most thing in the world I would like to give my respect to.
(何より一番、そのことに敬意を表します)
It’s been a wild ride, so while I can still be heard.
(ここまで大変な道のりでした。だから、まだ私の声が届くうちに)
Here’s the last word.
(これが最後の言葉です)
Thank you for everything.
(何もかも、ありがとうございました)
Your student,
(あなたの生徒より)
*書籍『ルポ 大阪・生野 人口2割が外国籍の街』
第1章「IKUNO・多文化ふらっと」から抜粋(年齢は取材時)
【AERA Books MEMO】
『ルポ 大阪・生野 人口2割が外国籍の街』(玉置太郎、大瀧哲彰)
住民の2割超が外国籍(都市部の市区町村で最多)の大阪市生野区。戦前から在日コリアンが多く住み、近年はベトナム、ネパール、中国など約80カ国の人々が暮らす。ヘイトや差別が飛び交う日本で、生野の人々はそれをどう乗り越えているのか。市民・行政が街をあげて共生に取り組む生野の現場を長期取材したルポルタージュ。
「少しでも助けになれば…」 仙台在住のネパール出身者が支援を呼び掛ける
Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/99805ea5c0c66c238438705eb3d45dde5c6ac1c6
今年8月、ネパールと中国の国境地帯では大規模な土石流が発生し、これまでに1400人を超える死者が出ています。未だに多くの人が行方不明となるなか、県内ではネパール出身の人たちが支援を呼びかけました。
仙台市中心部で募金活動を行ったのは市内に住むネパール出身の人たちです。ネパールでは8月26日、中国との国境地帯で大規模な土石流が発生。死者は1400人を超え、多くの人が行方不明となっています。
海外在住ネパール人協会日本支部仙台 グルン アシス代表
「日本に来てからの知り合いなんですけど、彼の家族がみんな亡くなっている状況なんです。彼だけは日本にいたから、みんなネパール人、とても悲しいです」
市内で自動車整備士として働くタマン プッディマンさん。現在も一部の親戚と連絡がとれていない状況が続いていると話します。
タマン プッディマンさん
「3週間くらいたつが体が見つかっていないので。私の住んでいる街もだめになっている。水とかいろいろ入って、建物全部だめです」
募金活動は、9月13日まで2日間行われタマンさんらは、買い物客らに支援を呼びかけました。
募金した人
「ネパールの災害についてニュースで多く取り上げられているので少しでも助けられたらと思って募金した」
募金した人
「日本も地震とかがあるので協力し合っていければいいと思う」
海外在住ネパール人協会日本支部仙台 グルン アシス代表
「東日本大震災の痛みと今のネパールの災害の痛みは同じようなもの。日本人はすごく優しく、心からできるだけの募金をいただいているのでありがとうございます」
集めた募金は、ネパール政府に送り現地の被災者支援に役立てられるということです。未曽有の災害に県内でも支援の輪が広がっています。
東北放送
ネパール土石流、地球温暖化で被害拡大したか 国際研究チーム
Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/bbc151d93677722e7b61ccd95a4cf60e2989dd13
ネパールと中国の国境付近で8月に発生した大規模な土石流と洪水について、国際研究チーム「ワールド・ウエザー・アトリビューション(WWA)」は17日、地球温暖化が災害の発生リスクや被害を拡大させた可能性が高いとする分析結果を公表した。
【写真で見る】重機も投入 ネパール土石流現場での救助活動
WWAは、人為的な温暖化がなかったと想定した場合の気候をコンピューター上で再現し、現実の気候と比較する「イベント・アトリビューション(要因分析)」という手法を用いて、個々の異常気象と気候変動の関連を調べている。
今回の土石流の起点について中国当局は、ネパール側の標高約5200メートル地点と説明。山の斜面から氷河が岩盤とともに崩落する「岩氷雪崩」だったとしている。
研究チームによると、崩壊現場付近の地盤は、2015年に死者約9000人を出したネパール大地震でもともと弱体化していた。それに加えて、永久凍土の融解▽氷河の後退▽降雪が降雨に変化――など、温暖化がもたらす複数の要因が斜面をより不安定化させた可能性があるという。
この地域では近年気温上昇が顕著で、気温がセ氏0度まで下がる高度「ゼロ度線」は10年あたり約100メートルのペースで上昇しているという。直近の1年間は異例の高温が続き、雪や氷の融解がさらに進んだ。特に今年7~8月は平年を大きく上回る高温に見舞われ、雪の代わりに雨が降る割合も増えていたという。
研究チームは「気候変動がなければ今回の斜面崩壊が起きなかったと断定することはできない」としたうえで「温室効果ガスによる急速な温暖化が、ヒマラヤ地域で同様の大規模災害の発生確率や深刻度を高めている」との見方を示した。【大野友嘉子、垂水友里香】
中国、8月の自然災害で経済損失53.8億ドル 台風13号主因
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[北京 18日 ロイター] - 中国政府は18日、8月の自然災害による直接的な経済損失が360億3000万元(53億8000万ドル)に達したと発表した。中でも台風13号「ドルフィン」 による被害が最も大きかった。
同月の自然災害による死者と行方不明者は計595人に上り、被災者は計1262万人、農作物の被害面積は85万7400ヘクタールに及んだという。
「ドルフィン」による直接的な経済損失は282億6000万元に達し、同月の被害総額の約78%を占めた。
8月にはまた、チベット自治区とネパールを結ぶ国境検問所を土石流が襲い、両国合わせて1400人以上の命が奪われた。
中国政府によると、この災害による被害の全容については依然として確認作業が進められている。
外国人政策の厳格化で日本人が背負う「大きすぎる代償」
Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/42ff8f285f0a7ae7904e3a8e21b1eb4bd9e01aa3
日本政府は昨年秋から現在まで、外国人政策の見直しを急速に進めている。在留資格「経営・管理」の要件厳格化、永住許可制度の見直し、在留資格変更・更新や永住許可にかかる手数料の大幅な引き上げ――。わずか1年ほどの間に、外国人が日本で暮らし、働き続けるためのハードルは大きく高くなった。しかし、その影響を受けるのは外国人だけなのだろうか。製造、建設、小売、外食、物流、介護など、すでに日本社会のさまざまな場所で外国人が働き、私たちの生活を支えている。政策の厳格化を介護現場はどう見ているのか。関係者の声を拾った。(日中福祉プランニング代表 王 青)
● 人手不足なのに? 永住許可の厳格化
2025年10月、在留資格「経営・管理」の許可基準が大幅に見直された。事業規模の基準の一つだった500万円以上の資本金・出資額は、原則3000万円以上へ引き上げられ、日本国籍や永住権取得の常勤職員の雇用など厳しい要件が加わった。
今年に入ると、永住制度の見直しや在留資格の更新手数料など、幅広く変更した。
・国籍を取得(帰化)するための在留年数は従来の5年から10年に
・永住許可を取得する収入要件として、日本人世帯の平均年収以上(目安として年収575万円、月収換算で47万9000円※厚労省「国民生活基礎調査」)
・将来の年金受給見込み額について、厚生年金に30年間加入した場合の水準などを参考に審査する方向で見直しが検討
・永住許可の手数料が現行の1万円から20万円へ20倍に
・在留資格変更・期間更新の手数料は現行の6000円から最大7万5000円(12.5倍)に
厚生労働省によると、日本で働く外国人は約257万人。労働者のおよそ27人に1人にあたる。2009年には約112人に1人だったことを考えると、その増加は著しい。
筆者は東京から新幹線で夜遅く京都に着くことが多い。午後11時に近づくと、京都駅周辺の飲食店の多くは閉まっている中で、助かる店がある。その店の店員は全員外国人だ。また、最近よく利用している成田空港周辺の駐車場でも、外国人スタッフが重いスーツケースを丁寧に積み下ろしてくれる。コンビニも同じだ。
いまや外国人労働者は、日本人が当たり前だと思っている「便利な生活」を支える存在になっている。
その現実がより鮮明なのは介護現場である。
筆者は仕事柄、介護事業者と接することが多い。そこで日本人経営者の口から度々聞く言葉は「外国人スタッフはうちの宝物」である。
現在、日本の介護現場における人材不足は極めて深刻であり、厚生労働省の最新データによると、2026年度には約25万人、団塊世代がさらに高齢化する2040年度には約57万人(不足率約21%)が不足すると試算されている。どこの施設もスタッフの確保に頭を抱えており、事業存続の危機にさらされている施設も少なくない。さらに、台湾や韓国、シンガポールなども外国人介護人材を奪い合う現状である。
社会福祉法人伸こう福祉会(神奈川県川崎市、遠藤健 理事長)は、今、18カ国から168名の外国籍のスタッフを採用し、介護現場全体の20%を占めている。国別ではインドネシア、ベトナム、中国、ネパールなどが中心で、年齢層は低く、20〜30代が多い。法人所属の施設の中で、外国人の職員が全体の半分を占める特別養護老人ホームもある。
外国人の採用を担当する国際部特命部長の林燕さんは次のように語った。
「当法人で働く外国人スタッフはが非常に優秀です。特に東南アジア圏出身のスタッフは、『お年寄りを敬い、家族を大切にする』という文化があるので、利用者さんにやさしく接していて、利用者本人や家族からも感謝状を贈られたりして評判が良い。そして、持ち前の明るい性格で施設全体が明るくなり、利用者さんの笑顔も増えた」
「これまでは、施設長たちは外国籍のスタッフの採用に不安や抵抗を感じていましたが、今は、自ら外国籍のスタッフを入れたいと言うほど引っ張りだこになっています」
こうした外国人労働者は日本にとってありがたい存在であり、本来なら感謝されてもおかしくない。しかし、冒頭で触れた日本政府による一連の政策厳格化や、近年日本社会で高まる外国人への不満など、逆風が吹いている。
林さんは「外国籍のスタッフのみなさんは日本人と同賃金で、同じく納税し、社会保険に加入しています。なぜならそうしないと在留資格の更新ができないからです。それにもかかわらず、『外国人は日本の社会保障にタダ乗りし、ルールを守らない』と言われるのは、あまりにも理不尽です……」と嘆いた。
● 「無理ゲーだよ」 介護業界から悲鳴
厚生労働省が8月末に公表したデータによると、2025年の医療・福祉分野で働く外国人常用労働者は13.7万人となり、雇用の理由として約8割の事業所が「労働力不足の解消・緩和のため」と答えた。
医療・介護業界において特に危惧されるのが在留資格変更・更新手数料の値上げだ。本人負担が増えれば、日本で働き続けることをためらう人が出る可能性がある。人材流出を防ぐため、増額分を事業者側で負担する動きが出ているという。
SNSでは介護関係者から、次のような声が上がっている。
「これは無理ゲーだよ、介護業界も壊滅するんじゃないのか」
「今は給料を上げても日本人が来ない。助けてくれている外国人スタッフが日本から離れてしまったら、ますます人手がいなくなり、サービスが低下し、事故が起こる恐れがある
「閉鎖的、排他的な政策のしわ寄せは、結局、日本人自身に返ってくる」
東南アジアを中心に人材事業を展開する日本人経営者の知人は、日本の相対的な国力低下を懸念する。
「円安、物価高、実質賃金の低迷。それに外国人への厳しい視線や政策が重なれば、日本に来るメリットはなくなります」
「所得水準や購買力でもアジア諸国との差が縮まり、日本はもう、かつてのような豊かな『先進国』ではないです。また、日本人にとっても難しい収入要件を設定して永住申請条件を作ったら、若いときは働いて、年を取ったら帰りなさいと言わんばかりで、日本を選ぶ理由がなくなります」
そして、前述の知人は、日本人が見落としがちな論点を提示してくれた。
「移民に反対する人たちは、よくアメリカやヨーロッパ、シンガポールなどの国の移民政策に比べて、『日本は緩い』と主張しますが、今の日本の国力をアメリカなどと比べられるでしょうか」
一方、SNSでは「外国人なんだから日本人より厳しくするのは当然」「外国人が早急に日本から出ていけ!日本は日本人だけでいい」といった排外的な言葉が目立つ。
アジア・ヨーロッパから多くの国々が見学に訪れる神奈川県藤沢市にある介護事業者「あおいけあ」の代表である加藤忠相さんは、次のように警鐘を鳴らす。
「『外国人労働者なんて自分には関係ない』『介護なんて自分には関係ない』と思っている人もいるでしょう。しかし、いずれ自分や家族が介護を必要とします。外国人を排除した結果、社会のサービスを維持できなくなれば、その代償を払うのは結局、我々日本人自身です」
外国人政策について議論すること自体は排外主義ではない。外国人にも日本の法律や社会のルールを守ってもらう必要がある。そして、不法滞在への取り締まりや在留資格制度の適正な見直しは必要だと多くの在日外国人もそう思っている。
問題は、「外国人」というだけで一括りにし、日本社会を支えている人々まで排除する方向へ進んだとき、その先に何が起きるかである。
介護は一つの業界にすぎない。
コンビニ、外食、物流、建設、製造、農業――。日本社会の至るところで、外国人労働者なしでは成り立たない。
外国人が日本を選ばなくなったとき、困るのは誰なのか。これからどのような社会と生活水準を維持していくのか。これは日本人自身に突きつけられた問題である。
王 青





