2019年7月25日木曜日

「特定技能」試験、ネパールなど4カ国で新たに実施 - 介護人材、19年度に5000人受け入れ見込み

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190723-19250000-cbn-soci
7/23(火)、ヤフーニュースより

 厚生労働省は、介護分野での在留資格「特定技能」の試験を、新たにカンボジア、ネパール、ミャンマー、モンゴルで実施することを公表した。手続きや定員などの詳細はいずれも9月に公開予定。2019年度中に全国で5000人程度の資格保有者の受け入れが見込まれる。【吉木ちひろ】

 介護分野での在留資格「特定技能」の試験は、これまでフィリピンで5回実施されてきた。それぞれの試験の合格者は公表分で、1回目が介護技能評価試験94人(合格率83.2%)、介護日本語評価試験97人(同85.8%)。2回目が介護技能評価試験140人(同41.7%)、介護日本語評価試験121人(同36.0%)。資格取得には日本語と技能の試験を受け、いずれも一定の水準を超える必要がある。

 今回公表された試験の実施場所と日程は、▽カンボジア(プノンペン)2019年10月27―30日▽ネパール(カトマンズ)10月27―28日、11月5―6日▽ミャンマー(ヤンゴン)10月30日―11月1日、11月4―7日▽モンゴル(ウランバートル)11月14―17日。このほか、フィリピン(マニラ、セブ、ダバオ)の日程が確定しており、インドネシア、タイ、中国、ベトナムで準備を進めている。

 介護で認められる特定技能1号の資格を取得した外国人は、日本で通算5年の就労が可能。厚労省は24年度までに6万人の資格保有者の受け入れを見込んでいる。
CBnews

家族を呼び寄せたいが… 急増する外国人の悩み 高まる支援ニーズ 沖縄の財団が無料相談

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190723-00448931-okinawat-oki
7/23(火) 、ヤフーニュースより
 沖縄県国際交流・人材育成財団が4月から、県内に在留する外国人を対象に、生活相談を無料で受け付けている。県内の在留外国人は過去8年間で2倍に増加。外国人の生活支援の必要性が高まっている。社会保障制度や契約トラブルなどの相談がこれまでに寄せられた。財団は「ささいなことでも気軽に相談してほしい」と呼び掛けている。(社会部・新垣卓也)

 法務省のまとめでは、県内の外国人は2018年に1万8025人だった。13年に1万人を超え、現在は1990年の6002人の3倍に増えた。

 主な国籍は米国や中国、フィリピン、ネパール、ベトナム。技能実習生としての受け入れが進むベトナム人は18年6月時点1484人で、3年前と比べて約3・5倍になった。

 財団は在留外国人の急増を受け、日本の社会制度に関する困り事など、外国人が日常生活で抱えている問題を解決するため、無料相談窓口を設置。離婚や契約など法律の知識が必要な相談も、財団が初回の弁護士費用を負担する。

 今月16日までに、離婚の手続きや在留資格、契約トラブルなどの相談20件を受け付けた。「親を沖縄に呼び寄せたいが、どうすればいいか」といった内容もあったという。

 一方、窓口は財団職員が担っているため、職員が話せない言語での相談は、翻訳機などで対応している。財団国際交流課の根来全功課長は「相談を受ける側としても、語学力や知識を付けていく必要がある」と課題を挙げた。

 財団と沖縄弁護士会は23日、外国人が直面する法律問題の解決に向けて協力する覚書に調印する。

 財団の相談対応は平日午前9時~午後4時半で、電話や財団ホームページの専用フォームで依頼を受け付ける。問い合わせは電話098(942)9215。

南アジア豪雨、死者650人超 1000万人が被災

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190723-00000002-jij_afp-int
7/23(火) 、ヤフーニュースより
【AFP=時事】南アジア地域では雨期(モンスーン)の豪雨による被害が拡大しており、インド、ネパール、バングラデシュ、パキスタンの4か国で大規模な洪水や落雷により計650人以上が死亡した。当局が22日、明らかにした。被災者数の総計は1000万人を超え、数万人が自宅からの避難を余儀なくされている。

 インドでは、7月初めから続く豪雨により少なくとも467人が死亡。ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)、ビハール(Bihar)、アッサム(Assam)の各州では、多くの地域が洪水により隔絶された。

 同国南部の沿岸地域にあるケララ(Kerala)州での見通しは厳しく、当局は22日、同州各地で「極めて激しい降雨」がある恐れがあると警告。同じく沿岸部に位置するカルナタカ(Karnataka)、西ベンガル(West Bengal)の2州とヒマラヤ地方のシッキム(Sikkim)州でも豪雨が予想されている。

 隣国のネパールでは、90人が死亡し、29人が行方不明となっているが、今後は大きな被害は出ない見通し。洪水が頻発するバングラデシュでも、豪雨による水死や落雷被害などが相次ぎ97人以上が死亡し、国土の3分の1が冠水した。さらにパキスタンでも少なくとも30人が死亡した。【翻訳編集】 AFPBB News

アーユルヴェーダを食で取り入れる。ネパールの「ダルバート」とは?

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190721-00018426-mimollet-ent
7/21(日)、ヤフーニュースより
日本への留学生や労働者が急増し、年々その存在感を増している国・ネパール。身近にありながらも、その文化については未だ知られていない部分が多くあります。世界のライフスタイルを“旅”のフィルターで読み解くトラベルカルチャーマガジンTRANSITでは、そんなネパールの文化を取り上げました。ここではその誌面の一部を紹介。ネパールの食の基本であるアーユルヴェーダの考え方と、そのエッセンスが満載の定番料理・ダルバートのひみつをお届けします。
ネパールの健康食、ダルバートとは?
ダルは「豆(のスープ)」、バートは「ごはん」の意味で、日本の味噌汁と白米のような位置付け。これを基本とし、タルカリ(カレーや野菜炒め)、サーグ(青菜の炒め物)、アチャール(ピクルス)、チャツネ(ソース)、パパド(薄焼きせんべいのようなもの)などのおかずがワンプレートにのっている定食のようなもの。おかずの数や種類は家庭や食べる時間帯によって変わる。豆や野菜、ハーブやスパイスを多用しているので栄養バランスがよい。
ポイント(1) ヘルシーなオイル
 ギーかマスタードオイルを使うのが一般的。ギーは昔から使われており、煙点(煙が出始める温度)が高く焦げ付きにくいため、身体に有害な活性酸素が作られにくい。消化力を高め、身体の炎症を抑えたり毒素を排出する働きもする優秀なオイルだ。


ポイント(2) 手食”で味わう
 アーユルヴェーダでは指先に「土」「水」「火」「風」「空」の五元素があり、5本の指を使って食べるとそのバランスが整うといわれる。また、指は“第二の舌”とも呼ばれるほどで、温度や質感を確かめながら食事に集中することで実際に消化力もアップする。
ポイント(3) “六味”のバランスを意識して
ダルバートは基本的に甘、酸、塩、辛、苦、渋の六味を一度に食べられるよう構成され、六味が揃うと栄養バランスも整うと考えられている。各味覚の性質はこの後解説する「トリ・ドーシャ」との相性があるので、とくに不調時はこれを参考に味覚を選び取り入れて。ただ、本来トマトやリンゴは渋味に分類されるのにもかかわらず、現在日本の農産物の多くは甘めに作られ本来の味覚と実際の味が異なるものも多いので、味の強い食材を選ぶこと。
【3つの体質、トリ・ドーシャとは?】
アーユルヴェーダでは、私たちの心と身体をつくり動かしているエネルギーを、ヴァータ(空・風)、ピッタ(火・水)、カファ(水・土)の3つの性質に分類している。それぞれ次の診断項目で大まかに判断できるので、自分がどの体質か診断してみよう。
アーユルヴェーダ体質診断
1.【空・風】ヴァータタイプ
・身長は低いか、細くてノッポ
・太りにくく、瘦せている
・顔は卵型。顎は小さい
・目は小さく細い。奥目
・唇は引き締まり、乾燥気味
・髪の毛は薄く黒い
・皮膚は薄く乾燥気味で冷たい
・汗をかかず体臭が少ない
・活発な性格で熱中しやすい
・熟睡しづらい
・話すときは言葉豊富で、早口
・記憶は速いがすぐに忘れる
・不安になりやすく、緊張する
・お金を浪費し困ることが多い

ヴァータ体質の乱れ(不調)を整える味覚:甘味、酸味、塩味
食事の時間を不規則にせず、ゆっくり食べることがヴァータを増やさない秘訣。温かい食事で、味付けは甘味、酸味、塩味がおすすめ。


2.【火・水】ピッタタイプ
・平均的な身長
・平均的な体重だが増減がある
・顎が尖り、ひし形の輪郭
・目は平均的な大きさ。輝く瞳
・唇は柔らかく赤い
・髪の毛は柔らかく細い
・黄味の肌で、日焼けしやすい
・暑さに弱く、汗っかき
・情熱的で知的。機転がきく
・睡眠障害になりやすい
・明瞭で鋭い話し方
・物覚えがよい
・性格は批判的で攻撃的
・派手なものを好む

ピッタ体質の乱れ(不調)を整える味覚:甘味、苦味、渋味
体温をあげる物は不向き。酒や発酵食品はピッタを増やすので注意。内蔵や皮膚の炎症を起こしやすいので、苦味・渋味で調整を。


3.【水・土】カファタイプ
・骨格が大きく頑丈
・肥満になりやすく、重い
・丸顔で大きく、顎も大きい
・大きな目で、まつげは長い
・唇はしっとりして大きい
・艶のある黒髪で白髪が少ない
・色白。肌は冷たく湿っている
・花粉症になりやすい
・慈愛深く献身的。動作は遅い
・熟睡しやすく、眠るのが好き
・ゆっくり落ち着いた話し方
・物覚えは遅いが忘れない
・物事にこだわり、執着する
・倹約家で貯金が上手

カファ体質の乱れ(不調)を整える味覚:苦味、渋味、辛味
丈夫だが太りやすいので食事量には注意。身体を温める辛味の強いスパイスや温野菜をとるのがおすすめ。甘味や酸味は控えめに。


監修:水野香織●アーユルヴェーダ料理研究家。アユルダ代表。ヨガのトレーニングを修了し、ネパールや南インド出身の師からアーユルヴェーダを学ぶ。都内や名古屋を中心に料理教室を定期開催。


現在発売中のTRANSIT43号には、食だけでなく、心、美容をととのえる、様々なネパール式健康法を紹介しています。

<書籍紹介>『TRANSIT(トランジット)43号 カトマンズもヒマラヤも! 愛しいネパール』
発行 euphoria factory / 発売 講談社 ¥1800(税別)
3月14日(木)発売 電子版も発売中!

TRANSIT43号では、世界最高峰のエベレストをはじめとする8000m級の山々に抱かれた国・ネパールを特集しました。特集:ネパールでココロ・カラダととのえ塾(アーユルヴェーダと哲学/聖なる植物/家庭料理/セルフケア)、ヒマラヤ不思議百貨(高所と人体/消えた王国・ムスタン/開拓の歴史 etc)、ゆっくりいこう、ネパール(政治/経済/環境/教育/キーパーソン)など。付録:「ガイドブック・ネパールでしたい88.48のこと」「〈THE NORTH FACE〉のヒマラヤステッカー」。


水野香織=監修・写真(ダルバート写真)
土屋朋代=文 
トランジット編集部

外国人労働者の受け入れ拡大、体制は万全か?

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190720-00010002-wedge-soci
7/20(土) 、ヤフーニュースより
 在留外国人の支援、共生社会の実現に向けた取り組みをしている出入国在留管理庁の初代長官に就任した佐々木聖子長官は日本記者クラブで17日に記者会見し、「今回の取り組みは特定の分野に限って外国人を受け入れるものだ。4月に施行され法律では、外国人を支援する仕組みが織り込まれている」と述べた。

 受け入れ環境を整備するため「地方自治体に受け入れのための担当官を配置し、自治体との橋渡し役を設けた。また借金を抱えさせて日本に技能実習生などを送り出す悪質ブローカーをなくすために、送り出し国との間で2国間協定を締結してブローカーなくしたい」と指摘した。
遅れる就労環境作り
 同管理庁は外国人労働者の拡大に伴い、法務省の外局として入国管理局を再編、格上げして今年の4月1日に発足した。2018年末の在留外国人数は273万1093人で前年より16万9245人、6.6%増加して過去最高となり、人手不足を補う外国人労働者の支援対策が課題となっている。

 出入国管理法の改正に伴い、4月から新たな在留資格として「特定技能1号」と「同2号」が新設された。1号は相当程度の技能を持つ労働者で、建設、外食など人手不足が深刻な14業種で即戦力となる外国人を受け入れる制度で、多くは技能実習生からの移行になる。滞在期間は最長5年。2号は熟練した技能を持つ労働者で、1号から移行することが想定されているが、現在は建設と造船の2業種のみ認められ、滞在期間の制限はない。

 外国人の日本での生活環境などをお世話する支援機関は7月12日現在、1218件の登録申請があり、このうち1000件ほどは登録になり、支援をするスタンバイができているという。入管庁で特に力を入れているのが、「外国人財の受け入れ・共生のための総合的対応策」で、佐々木長官は「受け入れ環境を整備するため126のメニューを用意して、総合的な取り組みを行っている」と強調する。

 具体的には、全国各地に受け入れのための相談や手続きが1カ所でできるワンストップセンター(11言語対応)を全国に100か所設けるほか、外国人患者が安心して受診できる医療体制の整備、社会保険へ加入の促進、悪質な仲介業者の排除などで、これにより外国人が安心して就労できる環境を作ろうとしている。

 しかし、地方では自治体にとって取り組む意欲に濃淡があり、まだセンターができていない自治体も多くあり、円滑な受け入れができるかどうか課題が残っている。

 新しい資格で働けるのは介護、建築、造船など14分野で、政府は今後5年間で34万5000人を見込んでいる。新しい在留資格の取得では「いま国内にいる外国人約400人強が在留資格の申請をし、このうち30人ほどは新しい資格で働き始めている。さらに技能実習を終えて特定技能に移行するつなぎの期間にある人が約400人いる。手続きが慣れてくれば、新しい在留資格の取得は加速度的に進んでいく」と指摘した。

 しかし、4月にスタートした割には資格取得者の数は少なく、産業界からは今度の在留資格制度が人手不足解消に効果を発揮するのか疑問視する声も出始めている。

 建設ラッシュが続く首都圏の現場では、若手の日本人労働者が減っているため外国人の労働者がいないと回らなくなっているところもあり、新しい在留資格を取得した労働者が1日も早く現場に来て戦力になることが切望されている。
8カ国と協定
 技能実習生を送り出している国との関係では「8カ国(フィリピン、カンボジア、ネパール、ミャンマー、モンゴル、ベトナム、スリランカ、インドネシア)の政府と覚書を締結している。いま、功を奏しているものでは、送り出し国の送り出し機関が実習生や留学生から多額の保証金などを取っていることが分かれば、相手国との協議の場で送り出し機関に与えている『マル適』マークを外してもらうなどのペナルティ措置を講じるようにしている。覚え書は交わしていないが、中国、タイとも実質的に同じ対応をすることで合意している」と話し、ペナルティを課す形で悪質なブローカーの介在をなくそうとしている。

 過大な借金を背負わせて日本に技能実習生として送り出す悪質ブローカーの存在はたびたび報道されている。技能実習生の多くが借金の返済に追われる実態も報告されている。また、一目見ただけでは偽物と判別できないように偽造された在留資格カードも出回っており、出入国管理庁も神経をとがらせている。こうした偽造カードを実習生や留学生に持たせて違法に働かせて摘発されるケースもみられ、悪質ブローカーの存在は見えにくくなっている。留学生から聞いただけでは実態が分かりにくくなっており、警察も動員して違法な就労を取り締まる必要性も出てきている。
日本人並みの賃金
 今回の在留制度とは直接関係ないが、外国人の労働者は日本人と比較して同一労働同一賃金になっていない職場があると指摘されている。このため、賃金面の不満が強く、突然、職場からいなくなるということが起きているという。

 長期間、安定的に日本で働いてもらうためには、企業経営者は「外国人労働者だから安く使える」と思うのでなく、「人手不足を穴埋めしてくれる貴重な戦力」ととらえて、日本人並みの待遇をすべきことを心掛けるべきだ。そうしなければ、いくら立派な制度を作っても、労働力として定着させることはできない。
 また、大都市と地方とで時間当たりの賃金格差が大きくなると、賃金の高い大都市ばかりに集まって、必要とされる地方に来なくなる恐れがある。農業の収穫時期などでは、外国人の労働力はなくてはならない戦力になりつつあり、地方にも一定程度、確実に来てもらえる手立てを考える必要がある。しかし、今のところ政府として特段の対策はないようで、新しい在留資格で働く外国人が大都市偏重になる可能性が残されている。
難しいアルバイトの実態把握
 外国人留学生の制限時間を超えたアルバイトをしている問題については「東京福祉大など学習実態のない教育機関が散見されるが、入管庁としてはきちんとした在留管理を行いたい。具体的には、一人の留学生がいくつものハローワークからアルバイトをしている報告があった場合は、厚生労働省と連携して調査できるようにして在留状況を細かく把握できるように力を入れていきたい」と、アルバイトの実態把握に努める考えを示した。

 国別留学生でこの数年で急増したのがベトナム人とネパール人だ。特にコンビニのレジでは最近はネパール人を多く見かけるようになった。ネパール人は以前は隣国のインドに出稼ぎに行っていたが、最近は留学生という名目で日本に出稼ぎに来るケースが増えている。日本人の人手が集まらないコンビニにとっては欠かせないレジ係になっている。

 留学生は1週間に28時間を超えてアルバイトをすることは禁止されているが、多くの学生は何件か掛け持ちでアルバイトを行い、28時間を超えたアルバイトをしている実態が報告されている。入管庁としては、ハローワークへの報告を基に現状をつかみたい考えだが、飲食業関係ではハローワークを経由しない口コミのアルバイトも多く行われている状況もあり、留学生の過剰アルバイトをどこまで食い止めることができるか課題が残る。

 また、雇用する側も掛け持ちアルバイトをしているのを認識していながら、ハローワークに通報すると人手を失うことになるため過剰アルバイトを黙認しているケースもあるようで、人手不足が深刻化する中で違法な留学生アルバイトをなくすのは容易ではない。
中西 享 (経済ジャーナリスト)

ガンジス川上流部の異変で流域国の水紛争の可能性

Source:https://news.yahoo.co.jp/byline/hashimotojunji/20190719-00134803/
地球温暖化の影響で氷の減少が続く
 8月1日は「水の日」。水のありがたさや、健全な水循環とは何かを考え、行動する日とされている。世界各地の水事情を考えることで、日本の現状を浮かび上がらせたい。
 ネパール語で「ヒマール」。神聖な場所として崇拝されてきた「世界の屋根」を眼前に、地球が生きものであると感じる。長さ2400キロにおよぶ巨山の連なりに、8000メートルを超す山が10。地上でもっとも海から離れた地から海の生物の化石が見つかる。
 5000万年前から4000万年前頃、ユーラシア大陸とインド亜大陸が衝突。両大陸の間にあった海底が押し上げられ、ヒマラヤ山脈が形成された。いまでもインド亜大陸は年間5センチメートルほど北上を続け、エベレストは毎年数ミリメートルずつ高くなっている。
 それが地震や地滑りの原因になる。2015年4月25日にネパール地震が発生したことは記憶に新しい。首都カトマンドゥから北西約80キロにあるゴルカを震源として発生し、建物の倒壊、雪崩、土砂災害が発生、死者約8900人、負傷者約2万2300人におよんだ。
 ランタン・エリアではネパール大震災の際、崩れた氷河がランタン村に襲い掛かり、一瞬にして壊滅するという悲劇が起きた。今回行ってみると村も復興し、トレッカーを迎えていた。
 ランタン渓谷の中心地・キャンジンゴンパには、U字谷の奥に6000~7000メートル級の白き秀峰を間近に望む圧巻の風景が広がる。特に朝日に照らされ輝く主峰ランタン・リルン(7225メートル)が美しい。遠くで氷の崩れる音がする。ランタン・リルンの斜面にはリルン氷河が流れている。
 ただ、リルン氷河は、地球温暖化の影響で氷の減少が続く。1990年代に入ってヒマラヤ地域の氷河は後退(氷の減少)傾向にあったが、21世紀に入って後退速度は加速した。今も刻々と氷の量が少なくなり厚さも薄くなっている。
 ドゥンチェからスンダリジャルへ向かうトレッキングコースでいちばん標高が高いのはラウルビナヤクパスだ(4610メートル)。周囲は渓流の音につつまれる。ここにゴサインクンド湖(4380メートル)がある。この辺の周囲は氷河もなく岩山ばかりだが、たくさんの大きな湖がある。ここでも水の異変を告げられた。雪の降る時期が変わり、降雪量も少ないのだという。

アジアの給水塔

 チベット高原はアジアの給水塔と呼ばれる。アジアの主な河川が、ここに流れを発している。チベット高原は、東南アジア、南アジア、中央アジアの多くの河川の水源地であり、水はここを中心に放射線を描きながら流れている。
 現地の人たちは口を揃えて、「気候変動によってチベット高原の永久凍土がとけはじめた」という。チベット高原は低緯度の高地という特殊な環境にあり気候変動の影響を受けやすい。
 チベット高原の氷河は何千年ものあいだ、アジアの淡水を一手に引き受ける銀行口座のような役割を果たしてきた。雪や氷河として毎年蓄えた預金を、雪解け水のかたちで少しずつ引き出してきた。中国での稲作農業は、半分以上が長江の水で灌漑しているし、インドやパキスタンの農作地帯はガンジス川やインダス川の水に頼っている。雨期でなくても川が干上がらずに済むのは、氷河から解けだした水が流れるからだ。氷河の融解は水をめぐる紛争の引き金になるかもしれない。
 ヒマラヤに源を発し、ベンガル湾に注ぐ聖なるガンガー(ガンジス川)の流れは、約2500キロ、流域面積約173万平方キロ、水源から河口まで、中国、ネパール、ブータン、インド、バングラデシュの5ヵ国を流域に抱える。インドに源をもつ本流だけではなく、ネパールを流れる数々の支流も、名前こそ違え、ガンガーだ。
 国際河川であることから、中国、ネパール、ブータン、バングラデシュとの国家間の利害の争いは絶えない。インドはバングラデシュの合意なしに、ガンジス川分流のファラッカにダムを建設・運営している。このため「ガンジス川水協定」が締結された。ファラッカにおいてガンジス川の水を分け合うこと、乾期におけるガンジス川の増水について、長期的な解決策を編み出すこと。これは現在も協議が続いている。
 日本は国際河川をもたない国だ。だから上流と下流の水の争奪戦とは無関係に思える。だが、食料を海外からの輸入に依存しているので、海外の水を使っていることになる。
 普段何気なく着ている衣服も食べものと同様水の産物だ。Tシャツ1枚にはどれだけの水が必要だろう。もし綿でできていれば250グラムの綿花を使い、その生産に2900リットルの水が必要だ。綿花の多くは、中国、インド、パキスタン、アラル海周辺でつくられる。アラル海は大量の水が使われたために、北海道と同じくらいの面積があった湖が消えてしまった。もしかしたらあなたの衣服が、このことに関係していたかもしれない。
 さらに染色の工程でも大量の水を使い、排水には環境に負荷を与える物質を含んでいることがある。インド南部にあるティルプールという町は、繊維工業が盛んで「インドのマンチェスター」と言われる。旧式の染色機械が使われることも多く、排水にクロム、鉛、カドミウムなどの重金属類が含まれることがある。クロムは発癌物質であり、鉛は子どもの発達障害を引き起こすことがあった。また、排水が流れ込んだために作物がとれなくなってしまった死んだ農地、汚染されて病気を引き起こした井戸もある。
 無意識のうちに水の不足や汚染に関与してしまった可能性はあるのではないか。
 「目に見える水」と同時に、食品や製品になっている「目に見えない水」のことも考えてみたい。

在日外国人コミュニティにはエネルギーがみなぎっていた ルポ「日本の異国」室橋裕和さんインタビュー

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190717-00010001-bookasahi-life&p=1
7/17(水) 、ヤフーニュースより
「在日外国人」のコミュニティを取材したルポルタージュ『日本の異国 在日外国人の知られざる日常』(晶文社)が発売されました。著者の室橋裕和さんは、多国籍化が進む東京都・新大久保、クルド難民が住む埼玉県・蕨市などの地域で、さまざまな国籍の人々に取材をしています。「在日外国人」たちは異国である日本でどのような生活を送っているのか? 室橋さんに新大久保で話を聞きました。
失敗しても挑戦するアグレッシブさ
――室橋さんはなぜ在日外国人のコミュニティに関心を持ったのですか?

30代の10年間はタイの日本語情報誌で記者をやっていました。一度仕事に区切りをつけ、日本に戻ってきた5年ほど前、街中が外国人だらけになっていることにとても驚きました。コンビニでも居酒屋でもどこに行っても外国人が働いています。もともと中国や韓国はお隣ということもあり、比較的多かったと思いますが、それ以外にも、ネパール人やベトナム人など東南アジア、南アジアの人々が非常に増えていることが気になったのです。

ちなみに、タイは多国籍国家です。たくさんの近隣諸国の人たちがタイに来て働いています。工事現場で働いているのがカンボジア人で、レストランで働いているのがミャンマー人だ、というような状況は当たり前でした。そんな環境に慣れていたこともあり、日本に来ている彼らがどのような暮らしをしているのか知りたくなったわけです。最初はそれを仕事にしようとはまったく考えておらず、ただの好奇心で高田馬場(東京)のミャンマー人街などに飲みに行ったり、昔の旅仲間に聞いた在日外国人の多いエリアなどを探索しているうちにだんだん面白くなってきて、これは本格的に調べようと思いたったのです。

――室橋さんは今、外国人が多い新大久保に住んでいるそうですね。本書の中でも新大久保が「最先端」エリアとして取り上げられていて、イスラムのハラルフードの食材店やネパール人向けの新聞社などが紹介されています。

新大久保には2年ほど前から住んでいます。取材を続けるうちに非常に興味深くなったので「もう引っ越した方が早い」と思って。僕が住んでいる付近は外国人ばかりで、耳に入ってくる会話はほぼ日本語ではないですね。古くから居る日本人と新たに流入してきた外国人たちが一緒になって暮らしています。

たとえば、老舗の魚屋の真向いにイスラムの雑貨屋があって、隣の2階には韓国人や中国人向けの美容室がある。通りの向こうから聞こえる声の主はベトナム人の留学生たち。自転車をのんびり漕いでいるのが昔から住んでいる年配の日本人。そんなエリアは今のところ新大久保以外ありません。

ただし、今のところ、というのがポイントで、これからの日本は多かれ少なかれ新大久保的にならざるを得ないのではないかと考えています。若者がどんどん減り、その空いたスペースには外国人たちがやってくる。

そうした状況にはギャップやすれ違い、ある種の文化的衝突がありつつも、混然となった生活や文化の「日常」が生まれていて、そこには日本全体に失われつつある「エネルギー」がみなぎっているように感じるんです。生活の糧を稼ぐギラギラした感じや、清潔感からは少し離れるけれども生命力たっぷりの生活臭など。

とは言っても、いざ住んでみると「日本の居酒屋やスーパーがちょっと少ないな...」など色々思うことはあるんですが(笑)。

――新大久保というと韓流好きの集まるコリアンタウンのイメージが強いですが、本の中では東南アジアや中近東などアジア各地からどんどん人々がきていることを書いています。

実際に韓国の化粧品や食べ物目当てでやってくる日本人の若い女性は本当に多くて、週末は道がまるで満員電車状態になっていて動かないほど。駅もそれほど大きくないので、乗り降りができず、一時封鎖されることもありました。そうした日本人や日本にやってきた同胞を相手にしている韓国人も多いのですが、一方で、東南アジアなどから若い留学生や働き手が縁を伝ってどんどんやって来ています。

最近は特にベトナム人が増えている印象があります。彼らは語学学校で日本語を学ぶと、専門学校や大学に進んでスキルを身につけ、それから就職というパターンが多いのですが、必要な経験を積んだらすぐに独立を目指す。学校を卒業後、すぐに起業する人も珍しくはありません。その前のめりなエネルギーは、いまの日本人にはなかなか持ちづらいものだと思います。見ていて羨ましいですね。いま新大久保には、ベトナム人の経営するカフェ、レストラン、それにガールズバーなどさまざまな店があります。

――本の中で取り上げている在日外国人はお店など経営している人が多いですね。「自分でビジネスをやりたい」と考える人が多いのでしょうか?

たしかに在日外国人たちはどんどん起業しますね。アジア各国の友人たちや知り合った若者と話をしていても、逆に「日本人はなぜ起業しないんだ?」「誰かに使われているなんて嫌だろう?」と問い返されます。彼らには独立マインドが備わっているというか、昔の日本人が持っていた「男なら一旗あげるべし!」という気持ちが強いのだろうと思います。いまや男に限らないのですが。

日本在住の知り合いのバングラデシュ人も、1回起業に失敗したにも関わらず、捲土重来、またレストランをオープンすると言っています。「室橋、いろいろアドバイスをしてほしい」と頼まれたんですが、よくよく聞くと、場所から内装からもう既にあらかた決まっているんです。住所を見ると駅から相当に離れていて、辺鄙な住宅街の中にある。住宅街の中に突如現れるバングラデシュのレストラン……。「せめて場所を決める前に相談してよ」と思いました(苦笑)。

しかし、彼らをみていると、失敗しても挑戦するアグレッシブさをひしひし感じます。
クルド難民たちの置かれた不安定な状況
――本では日本最大のモスク・東京ジャーミイやインド人向けのシーク寺院など、宗教関連の施設を多く取り上げていますが、なぜでしょう?

在日外国人のコミュニティの中には必ずといっていいほど宗教的な施設があります。なぜかというと、彼らの生活の中心には宗教があり、それが生活の礎となっているからです。ある種電気やガスと同じ必要性を持った「心のインフラ」です。日本に来て、だんだん生活に慣れてきて同じ民族同士のつながりができてくると、誰からともなくそうした宗教的な施設を求めるようになる傾向があるようです。ないと何か居心地が悪い感じがするのでしょう。彼らにとってそうした施設は、本来あるべきものなのです。

また取材してみてわかったのですが、宗教施設には実質的な役割として誰もが気軽にやって来られる社交場としての役割があり、異国での寂しさを和らげる効果がありますし、日本の宗教者のイメージとは違って、彼らにとってのお坊さんなどの宗教者は何か困ったことがあったら相談に乗ってくれたり、アドバイスをくれたりする人でもあるんです。そうした人がいる場がコミュニティの中心に欠かせないのは当然かなと思います。

――特に印象的だった施設はどこですか?

東京・八王子市のタイ寺院「ワット・パー・プッタランシー」ですかね。どこか懐かしいというか、親戚のおばちゃんちに上がりこんだような暖かさと居心地の良さがありました。誰が来ても良く、来た人みんなで井戸端会議をしていて「お菓子を作ってきたから食べて」なんて話をしている。でもちゃんと壇上にはお坊さんがいらっしゃって、その様子を見守っています。タイ独特のゆるい空気があって、落ち着く空間だなと思いました。

――本書では埼玉県蕨市に住む「クルド難民」にも取材をしています。いつ入管に呼びだされ、収容されてしまうかわからない。就労もままならず、教育も受けられない。非常に不安定な暮らしを強いられていることが、取材の様子からとても伝わってきました。

クルド人は、トルコやシリア、イラクなどにまたがって住んでいる人たちです。世界最大の少数民族と言われています。言葉や文化の違いから各国で差別を受けています。その中で、独立や自治権を模索する動きも出てきます。しかし認められることはなく、武装闘争やテロも起こる。それに対する弾圧も巻き起こる。

こうした争いについて、僕は何か判断できる立場ではありません。でも、安全を求めて国を出るクルド人もまた、たくさんいるのです。ヨーロッパを目指す人が多いですが、中には日本を選ぶクルド人もいます。いま日本で暮らすクルド人は、国籍はトルコという人が中心ですね。 

――日本に来てからはどのような生活実態なのでしょう?

彼らはまず難民として申請をするわけですが、日本は基本的に難民を認め、受け入れる国ではありません。そこで日本政府としては「難民として認められるかどうか、まず審査をする。審査の間は本来、入管に収容する必要があるのだが、人道的配慮からこれを‘仮に’免除して‘放免’する」というある種の抜け道的に法を運用して、滞在資格を認めているわけです。これを仮放免といいます。

この状態が不安定なんですね。彼らは定期的に入管に出頭する必要があるのですが、出頭した場でいきなり仮放免が取り消され、強制的に入管施設に収容されてしまうことがよくあるんです。で、この収容がいつまで続くかわからない。そこでは人権を無視したような扱いを受ける。体調を崩しても病院にも行かせない。自殺者も出ています。そしてまた、急に釈放されたりするわけです。どうして釈放されたのか、その理由もわからない。次にいつ収容されるのかもわからない。そしてもちろん、難民として認定されることはまずないので、この仮放免の状態をだらだらと更新し続けて生きていかなくてはなりません。

そうした宙ぶらりんの状態が続いているため、かなりのストレスになっています。「もう日々をただ過ごせばそれでいい」という諦めの境地になっている人もいます。子どもに教育を受けさせるモチベーションもわかず、学校をやめさせてしまう親もいる。日本語をあまり話せない人も出てくる。学校に通っている子も、難民というイメージもあっていじめの対象にもなる。卒業後も今度は就職が難しい。厳しい状況です。

――今後、国や行政はどうするべきだと考えますか?

クルド人をいじめたり差別する人がいる一方、なんとか手助けしたいと思う人がたくさんいるのも日本です。しかし、もう民間の支援では限界だという声も聞かれました。国や行政が難民申請者の扱いをはっきり決めないと、ワラビスタン(クルド難民が多い蕨市の呼称)は立ち行かなくなるでしょう。少なくとも仮放免という方法で滞在させることはやめるべきではないでしょうか。

それに「日本は(現在は)難民を受け入れていない」という国の方針はもっと広くアナウンスしたほうがいいように思います。勘違いしてやってくる人々が後を絶ちません。一方で難民申請者も、そういった日本の姿勢についてあらかじめ調べておくべきです。

――在日外国人が増えていくなかで、日本の人はどのように変わっていくべきでしょうか?

特に何かを変える必要があるとは思いません。変わりたくない人はそのままでいいでしょうし、無理に外国人を受け入れる必要はないと思います。とはいえ、国として外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法を新たに施行しているので、これからもどんどん在日外国人の方たちが増えていくのは確実です。実際にコンビニでも居酒屋でも外国人の方々に仕事をしてもらわないと、人手が足りない状況ですよね。

日本人というのはすごく好奇心が強い人々だと思います。外国人たちとその文化が流入してくることで「知らない文化を覗いてみようかな」と思い始める人もたくさん出てくるはず。そう感じられたら、どんどん彼らのコミュニティに旅行感覚で飛び込んでいってほしいです。何か気持ちの変化があるかもしれないし、新しい発見があるかもしれません。僕もそういう人たちのガイドになるような取材をこれからも重ねていこうと思っています。


〈室橋裕和さんプロフィール〉
1974年生まれ。週刊誌記者を経てタイに移住。現地発日本語情報誌「Gダイアリー」「アジアの雑誌」デスクを務め、10年に渡りタイ及び周辺国を取材する。帰国後はアジア専門のライター、編集者として活動。「アジアに生きる日本人」「日本に生きるアジア人」をテーマとしている。おもな著書は『海外暮らし最強ナビ・アジア編』(辰巳出版)、『おとなの青春旅行』(講談社現代新書)など。

(文:篠原諄也 写真:樋口涼)
好書好日(朝日新聞)