Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/7d8a601177d748dff645437318e49d63f4ed0c93
日テレNEWS NNN
ネパール大統領夫妻を迎えた2月の懇談で、天皇陛下は39年前にネパールで撮影した写真を披露されました。その中には「水問題」に取り組むきっかけとなった1枚も。写真を使って話を広げられる陛下ならではの“令和流”に迫ります。
■「水問題」に取り組むきっかけ…ネパールで目にした「水をくむ女性たち」
天皇皇后両陛下は2月3日、日本との外交関係樹立70周年にあたって来日したネパールのポーデル大統領夫妻を迎え、御所で懇談されました。 宮内庁によりますと、天皇陛下は1987年にネパールを訪れた時のことに触れて「ネパールが大変美しい国で大変印象に残っています」と話し、自身で撮影したヒマラヤの山などの写真を披露されました。
トレッキングで訪れたポカラ近郊の「サランコットの丘」で撮影した水をくむ女性たちの写真も示し、この経験が「水問題」に取り組むきっかけになったと話されました。陛下はご自身で撮った写真5、6枚を贈られたということです。 ――井上さん、このニュースをどのように受け止められましたか。 「おお」と驚きの声を上げて聞きました。陛下のネパール訪問は浩宮時代の39年前です。その時の写真が、天皇になって国際親善に生かされることに驚きました。
「サランコットの丘」の水くみの写真がこちらです。標高約1500メートルの高地で、瓶にためる水はちょろちょろとしか出ておらず、陛下は「いったいどのくらい時間がかかるのか。女性や子どもが多いな。大変だな、と素朴な疑問を抱いた」と、その光景を目にした時の思いを話されています。 その後、多くの女性が水くみで家事から解放されず、子どもは学校へ行けないこと、水は、ご自身が研究する「水運」だけでなく、水の供給、洪水、環境、衛生など広く人々の暮らしにつながることを知り、「水問題」を掘り下げていかれました。従ってこの写真は「水問題」の原点の1枚です。 ――この原点である思いを大切にしながら、40年近く活動を続けられてきたんですね。 ネパールは2008(平成20)年に王制を廃止し、共和制に移行しました。外交70周年の節目に大統領が来日し、天皇陛下は39年前の写真を探し、当時に思いを馳せる――それはネパールの賓客に対する何よりの“もてなし”になったと思います。 両陛下は視察などの時にポケットなどに写真をしのばせ、その写真を取り出して話題を広げる“ポケット写真コミュニケーション”をよくされます。訪問先で子どもたちに自分が飼われている愛犬の写真などを披露して、話題を広げられるということはよくありますが、外国の元首を迎えた会見の場というのは珍しいと思います。
部屋の中央に“丸テーブル”が置かれていますが、これも、テーブルを囲んで両陛下一緒に客人をもてなそうとする“令和流”です。 去年のモンゴル訪問では、趣味のビオラ演奏を生かして現地の楽団と共演されました。それも“令和流”でしょう。過去の訪問や、「水問題」への知見、趣味の音楽など、浩宮、皇太子としての“蓄積”を親善に生かそうとされる、天皇陛下ならではの“やり方”をまた新たに見たように思いました。これからも“令和流”に注目です。 【井上茂男(いのうえ・しげお)】 日本テレビ客員解説員。皇室ジャーナリスト。元読売新聞編集委員。1957年生まれ。読売新聞社で宮内庁担当として天皇皇后両陛下のご結婚を取材。警視庁キャップ、社会部デスクなどを経て、編集委員として雅子さまの病気や愛子さまの成長を取材した。著書に『皇室ダイアリー』(中央公論新社)、『番記者が見た新天皇の素顔』(中公新書ラクレ)。




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