Source:https://www.christiantoday.co.jp/articles/35684/20260307/world-mission-report-march-7.htm
ヒマラヤの山々に囲まれた神秘の国、ネパール。毎年「ひどい迫害国ランキング50」を発表しているワールド・ウォッチ・リストにおいて、ネパールは3年ぶりに46位へと返り咲いた。かつてのヒンズー王制から世俗国家へと移行したはずのこの国で今、教会の存立を脅かしているのは「宗教的ナショナリズム」と「親族による抑圧」という、逃げ場のない2つの圧力だ。
第一の脅威は、ネパールを再び「公式なヒンズー教国家」に戻そうと画策する過激なヒンズー至上主義グループの台頭である。彼らは隣国インドの過激派組織とも深く結び付き、政治的混乱に乗じて少数派宗教への攻撃の手を激化させている。
その実態は、単なる嫌がらせの域を超えている。新しく信者となったラジュ(仮名)は、過激派グループが教会の門にヒンズー教の旗を無理やり掲げ、教会の窓ガラスをことごとくたたき割るという襲撃を経験した。彼らにとってキリスト教への改宗は、ネパールの伝統とアイデンティティーに対する「裏切り」であり、徹底的に排除すべき対象なのだ。
第二の、そして最も個人的で深刻な脅威は、家庭や地域社会という密室で起きている。ヒンズー教からキリスト教へ改宗した者は、家族にとって「死んだも同然」と見なされる。
新しい信者であるジョイ(仮名)は、信仰を告白した途端、激昂した両親から家を追い出された。食事も与えられず、「お前はキリストを受け入れたのだから、われわれにとっては、お前は死んだのだ!」と罵声を浴びせられたという。特に農村部では、改宗した女性は家族から軟禁され、飢餓状態に置かれたり、信仰を捨てさせるための暴力を振るわれたりすることも珍しくない。
さらに、この国に存在する「反改宗法」が教会の活動を法的に締め付けている。2025年の反政府デモによる不安定な情勢は、これら少数派への暴力を助長する隠れみのとなってしまった。今月5日が投票日だった総選挙の結果次第では、キリスト教徒を取り巻く環境はさらに悪化する懸念がある。
しかし、このような厳しい試練の中にあっても、ネパールの聖徒たちは「真の平安」を証しし続けている。ラジュは、脅迫と暴力の嵐の中にありながら、こう語る。「信仰を捨てようと思ったことは一度もありません。なぜなら、イエス様の中にこそ、世が与えることのできない喜びと平安があることを知ったからです」
ネパールのために祈ろう。政治的な不安定さの中で、教会が暴徒の襲撃から守られるように。家族から「死人」扱いされ、全てを奪われた新参の信者たちに、神の家族としての豊かな慰めと支えが与えられるように。
主イエスは言われた。「わたしはあなたがたに平安を残します。わたしの平安を与えます。わたしは、世が与えるのと同じようには与えません。あなたがたは心を騒がせてはなりません。ひるんではなりません」(ヨハネ14:27)
迫害の中にあるネパールの信者たちに、人間の理解を超えたキリストの平安が注がれ、憎しみに満ちた人々の心を聖霊による神の愛で溶かし、真の和解をもたらすよう祈っていただきたい。
■ ネパールの宗教人口
ヒンズー 75・0%
プロテスタント 2・9%
カトリック 0・02%
イスラム 4・4%
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