恋が実らずネパール南部で殺人を繰り返しているゾウとは、新聞の見出しになったゾウ、およびそこから生まれたインターネットミームである。
概要
「恋が実らずネパール南部で殺人を繰り返しているゾウ」というタイトルと共に哀愁漂うゾウの画像が掲載されている新聞記事の写真。これがX(旧twitter)民の琴線に触れたようで「今これ」「もうこれになるしかない」という自虐的な投稿と共に貼られるネットミームとなっている。
出典元は2012年12月20日の毎日新聞夕刊に掲載された記事[1]で、全体には「恋実らず凶暴化 💔 ゾウが6人殺害」というポップな見出しがついている。
記事ではパークレンジャー六人を踏み潰し、ネパール軍から警戒されていることが書かれている。実はこのゾウ、名前をドゥルベ(Dhurbe)といい、たびたび家屋の破壊と殺人行為を繰り返すため軍の監視対象となっているが、2026年現在でも捕獲に至っていない。
時系列
2009〜2012年頃
「Dhurbe」と呼ばれる野生の雄ゾウが、ネパール南部のチトワン国立公園周辺で人家を襲い、多数の住民を殺害・負傷させる事件が発生。短期間で複数の人命が失われたため、「恋が実らなかった雄ゾウが暴走した」という話が国際的に報道された。この背景の解釈は当時の森林関係者らの推測に基づくもので、科学的確証はないが、繁殖行動と攻撃性を関連付ける見解が一部で紹介されている。公式記録では十六人以上を殺害し、五十軒以上の家を破壊したとされる。
2012年:大々的な追跡・討伐部隊展開
サルボー部隊や森林レンジャーを含む多数の兵員が投入され、ゾウの追跡・駆除が試みられたが、Dhurbeは捕獲・射殺されずに逃走した。
2013年:消息途絶
2013年以降、当局が付けた首輪からの通信が断絶し、Dhurbeは人目から消えた。この時期は大きなニュース報道が少なく、消息不明の状態であった。
2018年:再出現の確認
Dhurbeがチトワン国立公園内で目撃された。付近で雌象と一緒に行動している様子が伝えられ、以前に見られた猛威は落ち着いた印象であったとされる。
2020年:再び無線首輪を装着
Dhurbeに再び追跡用首輪が装着された。これは当局が動きを継続的に把握し、衝突を減らすための措置である。しかしその後通信が途絶。
2022年:監視強化とカメラ設置
2022年末ごろ、再び独りで現れたDhurbeの行動を把握するため、カメラトラップなどの監視機器設置を進めた。
2023年:再接触
2023年12月、Dhurbeに三度目となる無線追跡用首輪が装着されたが、首輪はまたしても外された。
2024年:居住地周辺で再び被害
Dhurbeが再び人の集落付近に現れ、四軒の家屋が破壊されたと報道された。これまでの累計で約22人の死者が関与した可能性があるという報道もある。
2025年~:人とゾウの衝突増加
2025年以降、Dhurbe個体そのもののニュースは少ないものの、ネパールで野生ゾウとの衝突による死亡者が地域全体で増えていると報じられている。2025から2026年を通じて複数地区でゾウによる死亡・被害が継続している(ただしDhurbe個体とは直接言及されない報道も含まれる)。
捕獲が困難な理由
ここまでたびたび目撃されているにもかかわらず、以下の理由で捕獲が困難となっている。
ゾウの知能と行動範囲の広さ
ゾウは非常に知能が高く、広範囲に移動するため、特定の個体を追跡・捕獲するのが難しい。Dhurbeの例でも、首輪や部隊による追跡が行われたが、逃走や首輪の脱落によって追跡が断続的になった。地形や森林環境の影響
チトワン国立公園周辺は密林や湿地が入り組んでおり、人間側からの捕獲作業が物理的に困難である。ゾウはこのような環境を熟知しており、捕獲者の動きを避けやすい。捕獲・移送のリスク
成熟した雄ゾウは力が強く、捕獲の過程で人やゾウ自身に大きな危険が伴う。移送や保護施設での管理コストも高く、現実的な捕獲手段が限定される。保護政策と倫理的制約
ネパールでは野生動物保護の観点から、安易な射殺や捕獲が避けられる傾向がある。特に国立公園内では、ゾウの命を尊重しつつ人との衝突を管理する方針が優先される。
まとめ
生息地の減少や農地侵入などの要因により、ネパールでは野生ゾウと人間との衝突は今後も断続的に続く可能性が高いとされている。現地の人にとっては頭の痛い問題なのだ。
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