Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/c27a67bf91f18c9c6c4887627bee0745d5066317
◇バレン氏とは誰か バレン氏はネパール政界では珍しい「アウトサイダー」政治家だ。1990年4月27日、ネパールの首都カトマンズのナラデビ地区で生まれた。マデシ出身の家庭で育ったバレン氏は、カトマンズのヒマラヤンホワイトハウス国際大学で土木工学を専攻し、その後、インドのビスベスバラヤ工科大学で構造工学の修士号を取得した。 彼は2010年代初めにラッパーとしてデビューし、初めて大衆の前に登場した。特に政治腐敗や社会的不平等を批判する楽曲を発表して若い層の支持を集め、知名度を高めた。代表曲『私はネパールが笑う姿を見たい(Ma Nepal Haseko Herna Chahanchu)』『貧しい人々の声を代弁する者はいない(Garibako Chameli Boldine Kohi Chhaina)』などは政治風刺を込めた歌として、その後デモでも多く使用された。 知名度を背景に、彼は2022年に無所属でカトマンズ市長に当選し、本格的に政界に進出した。市長在任中は違法建築物の撤去や歩道整備、学校奨学金制度の透明化など強硬な行政で注目を集めた。 ただし彼の政治活動が順調だったわけではない。彼が市長だった時期、カトマンズ市内の露店取り締まりの過程で市警察が商人を強制退去させ、暴力を振るったとの批判が出た。当時、人権団体は「貧困層の生計問題を考慮しない強硬政策だ」と指摘した。 またカトマンズ市の予算の相当部分が執行されない低い予算執行率の問題も提起され、市行政責任者との対立で公務員給与の支払いが数カ月遅れる事態も起きた。さらに、昨年11月1日、彼がフェイスブックでインド・中国・米国を念頭に「お前たちが全員集まっても何もできない」といった趣旨の投稿をし、約30分後に削除して外交感覚をめぐる論争を招いた。 それでも今回の選挙結果により、バレン氏はネパール史上最年少の首相であり、初のマデシ出身首相となる可能性が高まった。これは長年、政治的権利の拡大を求めてきたマデシ地域の住民にとっても象徴的な変化と評価されている。

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