2020年6月11日木曜日

ネパール出身の店主『仕事の仲間守る!』 アイデアと行動力で「コロナに負けない」 松本のカレー店

Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/cb617e65748c313d8cd74fcc2f630fefb7ea0c2c

配信、ヤフーニュースより


NBS長野放送

特集は、カレー店を営むネパール出身の男性の奮闘ぶりです。新型コロナの影響で売り上げは落ちましたが、アイデアと行動力で異国の地で働く仲間の雇用を守り、ピンチを乗り越えようとしています。 こちらは、長野県松本市の縄手通りの近くに店を構える「アジアンステーション」。腕を振るうのは、オーナーでネパール出身のジーワン・ポウデルチェトリさん。 ジーワン・ポウデルチェトリさん: 「おいしいと食べてくれると、店をやる価値がありうれしい」

今月1日、1カ月間、休業していたランチ営業を再開し、店内に客の姿が戻りました。 客: 「おいしいですよね。本格カレーでスパイスが効いていて」 「旅行したことがあってネパールに。当時の味を同じように食べられるのでうれしい。おいしい」

去年12月にオープンした並柳店を含め、従業員6人のうち4人はネパール人。ジーワンさんにとって新型コロナに揺れたこの3カ月余りは、仲間を路頭に迷わせないよう奮闘した期間でした。 ジーワンさんはネパールで、日本人観光客が多く泊まるホテルに勤務していました。 やがて日本が好きになり、9年前、祖国と同じように山に囲まれた松本市に移住しました。言葉の壁に苦労しましたが、空調設備などの仕事で資金を貯め、去年8月、念願の店を出しました。しかし…。 (4月)ジーワン・ポウデルチェトリさん: 「お客さんの70から80%が観光客だったので、今は観光客がゼロみたいな感じで影響は受けている」 新型コロナの影響で3月、4月の売り上げは、以前の2割ほどにまで落ち込みました。

そこで始めたのが、テイクアウト用の「おやきナン」です。 自慢のキーマカレーや野菜カレー、さらにはあんこやチーズをナンで包み、窯で焼き上げたネパール風おやき。 (4月)ジーワン・ポウデルチェトリさん: 「信州には、『おやき』があるので、うちでも『おやきナン』としてメニューにしたら、ウケるのではと思って…」 (記者リポート) 「一番人気のキーマカレーいただきます。香ばしくモチッとしたナンとスパイスの効いたキーマカレーが、口の中でばっちり合います」

あれから1カ月半あまり。 ジーワン・ポウデルチェトリさん: 「チキンカレー1つ、プレーンナン1つ、お願いします」 力を入れたテイクアウトも徐々に軌道にのったほか、ジーワンさん自ら市内のスーパーなどに営業をかけた弁当販売もあって、5月の売り上げは4月の4倍ほどにまで盛り返しました。 ジーワン・ポウデルチェトリさん: 「スーパーに弁当を出せたのですごい力になった。そうでなかったら1カ月も閉めてどうしようとなっていた。すごい感謝している。最初は何も分からず焦っていたが、従業員もお店を閉めても、ビザの関係で飲食で働くことしかできない。やらないといけないと焦りながら」

一緒に働く4人のネパール人は「シェフ」としてビザを取り、日本に来ました。今、飲食店での再就職は全国的にも厳しく、仕事を失えば帰国するしかありません。 来日当初、言葉などで苦労し、ネパール人同士の助け合いが必要だと感じたジーワンさん。店を守ることは、仲間を守ることでもあったのです。 ジーワン・ポウデルチェトリさん: 「お店は閉めても大丈夫ですけど、仕事をなくすと(ネパール人従業員は)やっていけない」 今月から仲間に加わったネパール人のアールズンさん。都内の店に勤務していましたが、コロナの影響で解雇され、共通の知人から紹介を受けたジーワンさんが雇い入れました。 ジーワン・ポウデルチェトリさん: 「できるだけ助けたい気持ちもあって、力になれるのは一番大事」 アールズンさん: 「仕事がなくなって来た。(Q.また働けるようになってどうですか)うれしいです」 店を守り、仲間を助けるジーワンさん。新型コロナも周囲の力を借りて乗り切ろうとしています。 ジーワン・ポウデルチェトリさん: 「補助金やお金のサポートがありますよと教えてくれたり、書類ができなかったらやってあげますよと、優しい心の人ばかりが周りにいて助かる」

一方、私生活では少しだけ残念なことが…。 古沢桃子さん: 「(故郷を)見せたかったし、親にも早く会わせたかった」 大型連休あたりにパートナーの古沢桃子さんと入籍を考えていましたが、移動の自粛要請で、古沢さんの両親が住む大分まで挨拶に行けず延期になったと言います。 ジーワン・ポウデルチェトリさん: 「タイミングよくやろうと思っていたが、普通に状況も良くなってからの方がいいかなと。今はみんなできないことも、いっぱいあると思う」

ジーワンさんの夢はネパールと日本の橋渡し役になること。将来は人材サポートなどの事業にも乗り出したい考えで、既に去年から祖国で日本での生活や文化を教える活動をしています。 ジーワンさんにとって新型コロナの影響は、越えなくてはならない試練の一つでしかありません。 ジーワン・ポウデルチェトリさん: 「日本に来たいネパール人に日本のことを教えたり、日本とネパールをつなげるようなことをしたいと思っていたが、コロナで向こうに行けない。(でも)コロナだからこそ違うチャンスをつくったり、仕事をなくしている人へ仕事を紹介したり、できるんじゃないかと思っている」

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