2020年6月24日水曜日

「アジア各地に学校を…」遠藤利明・元五輪担当相が語る(4)、“ともだち小学校” プロジェクト

Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/7f405b3ca248b30a802f6187f16196799b83d5ed

配信、ヤフーニュースより

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『月刊エンタメ』に連載中の「井上咲楽の政治家対談」、今回は2020年東京オリンピック・パラリンピック大臣などを歴任した遠藤利明議員が登場。遠藤さんが力を入れて取り組んでいる「ともだち小学校」プロジェクトについて直撃。(5回連載の4回目) 【写真】遠藤議員のキャッチフレーズ入り“当せんべい” >>下の関連記事(3)「オリパラ延期の追加費用はどこから?」から続く 井上 遠藤さんの取り組みで興味深いなと思ったのが、アジア各地に小学校を作る「ともだち小学校」のプロジェクトです。 遠藤 1998年からミャンマーやタイなど、まだ十分に教育の機会に恵まれていない子どもたちの住む地域に「ともだち小学校」を建設しています。私は両親が学校の先生だったこともあって、教育の大切さを強く感じて育ちました。そして、国会議員に初当選したとき、先輩の議員から、「おまえ、何か1つでいいから、 “俺がやった”と誇れることをやれ」と言われたんですね。何をやろう? と考えたとき、世田谷区の小学校がベルマークを集めてネパールに小学校を作ったという話を聞いたんです。これだ! と。日本が戦後豊かになった土台には教育がある。アジアに教育を受けることに恵まれていない子どもたちがいるなら、彼らを少しでも支援していこう、と。それでアジアが豊かになれば、それは日本が豊かになることにもつながっていくと思ったんですね。 井上 1校作るのにどのくらいのお金がかかるんですか? 遠藤 始めたときは300万円くらいです。今は600万円くらいです。最初にその額を聞いたとき、それだったら協力してくれる議員を集めて、ポケットマネーを出し合えばできるんじゃないか、と。総理大臣の安倍さんは私の当選同期ですから、「手伝ってよ」と声をかけ、今は「アジアの子どもたちに学校をつくる議員の会」といって50人の議員が仲間になってくれて、毎月1万円ずつ積み立てています。 井上 皆さんポケットマネーで? 遠藤 もちろん。23年で17校が完成して、今、18校目をミャンマーに作っているところです。50人いるから年間600万円集まるでしょう。だいたい1年に1校のペースです。ただ、私は一度、落選して3年くらいブランクがあるからね。 井上 その間は安倍首相が会の会長を務めてくれたそうですね。 遠藤 そう。開校するときはなるべく現地に行くようにしていて、みんな本当に喜んでくれます。ただ、どの国でも「ともだち小学校」を建設しているのは、山の中など。特に最初の頃は、電気もない水道もないような地域ばかりでした。驚いたのは、「トイレを作りますか?」と聞かれたこと。日本の感覚で学校の建物にトイレがないのは考えられないけど、向こうではあえて指示をしないと作らないと言うんですよ。 井上 えええ! 遠藤 外でするのが普通だったというんですね。20年前かな、カンボジアのメコン川の近くに1校作ったときは先に現地を視察したんだけど、「トイレはみんな川に行ってします」と言われました。 井上 メコン川に……? 遠藤 そうそう。洗濯もそこ、飲み水もそこから。でも、川が大きいから大丈夫、と。そういう世界。まだカンボジアの治安も安定してなかったから、両脇ずっと軽機関銃を持った警察官が警備してくれて、おっかなかったな。 井上 訪問自体が冒険ですね。

生死の危機を経験も…

遠藤 安倍さんも一緒に行ったタイの「ファイコンともだち小学校」は、奥地の山間部。昼は30度くらいまで気温が上がるけど、夜は5度くらいまで下がるので寒くてね。子どもたちが寝泊まりする寄宿舎も一緒に建てたんだけど、毛布がボロボロで。その場に行った議員みんなでお金を出し合って、毛布を買ってプレゼントしたのを覚えています。あと、ラオスに行ったときのことも印象深いですね。 井上 何があったんですか? 遠藤 タイとの国境でメコン川を渡るんだけど、小さな船に国会議員10人くらいで乗り込んで。喫水線ギリギリの状態で、ライフジャケットはなし。エンジンの力が足りないから、ゆっくり上流に向かって進めて、途中で向きを変え、川の流れを使って対岸に向かうんですよ。だけど、ちょっとでも揺れたらアウト。「明日、日本の新聞に国会議員10人溺死って出るかなぁ」と頭をよぎりました(笑)。でも、そういう経験をしても現地に行きたくなるのは、子どもたちの目なんですよね。 井上 目ですか? 遠藤 キラキラ輝いているの。「学校が楽しい」って。彼らは学校がないと、家で農作業を手伝わなくちゃいけない。でも、学校での勉強は自分の意志でできる。それがうれしくて、2時間、3時間かけて登校してくる子もいるわけです。 井上 大変! 遠藤 比べるものでもないと思うけど、現地に行くと、日本の教育は原点を見失っている気がしてしまう。 井上 というと? 遠藤 授業の内容、学校の設備。これは世界最高水準です。ただ、経済も生活も安定しているからなのか、子どもたちに求めるものが多すぎる。それで、学校の中が大変で子どもたちがストレスを感じている気がします。 井上 確かに。 遠藤 本当は成績が悪くたってどうってことはないんですよ。もちろん、良いにこしたことはないけど、学校が辛いときは休めばいい。もっと伸び伸びできるような教育にできないかな、と。自分のペースと能力に合わせた授業を受けられるような仕組みが作れないか。学校教育では多様性が一番大事だと思います。 >>下の関連記事(5)に続く (取材・文/佐口賢作) ▽井上咲楽(いのうえ・さくら) 1999年10月2日生まれ、栃木県出身。A型。現在は『アッコにおまかせ』(TBS)などバラエティ番組を中心に活躍。 Twitter:@bling2sakura ▽遠藤利明(えんどう・としあき) 1950年1月17日生まれ、山形県出身。自民党所属衆議院議員。山形県会議員を経て1993年、衆院初当選。副文科相、五輪担当相などを歴任。衆院山形1区、当選8回。

ENTAME next編集部

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