2020年6月24日水曜日

中国とネパールの国境口岸、1週間以内に封鎖解除へ

Source:https://www.afpbb.com/articles/-/3289737



ネパール・ラスワ郡の高地にある中国の吉隆国境口岸の前で待つネパールの車両と人々(2015年4月16日撮影、資料写真)。(c)Xinhua News


【6月23日 Xinhua News】新型コロナウイルスの影響で約5カ月間封鎖されていたネパールと中国のラスワガディー-吉隆国境口岸(通関地)が、1週間以内に封鎖解除となる見通しだ。ネパールの当局者が20日、明らかにした。

 ラスワガディ税関のプニャ・ビクラム・カドカ税関長は新華社(Xinhua)の取材に対し、「中国の国境税関部門と連絡を取り合っている」「中国側と会議を開き、今後1~2日で国境を越える貨物の移動手続きを完了する予定だ」と語った。

 ネパールは国境口岸の封鎖解除後、吉隆やほかの中国の地域の倉庫に滞留している商品をネパール側へ運び入れる予定だ。

 カドカ氏によると、ネパール側は電子機器、機械、太陽光発電所に関連する機器、水力発電プロジェクトに関連する機器、電気製品、衣料品などの商品リストをすでに中国側に提出しているという。(c)Xinhua News/AFPBB

ちょっと冒険ひとり旅 飽きることのないカトマンズの散策 ネパールひとり旅

#1 #アジア #アーカイブ 文: 山田静
2020.06.18

いろんなことに疲れたな、という時、決まって行きたくなるのがネパールだという旅行ライターの山田静さん。登山客だけではなく、世界の旅人をひきつける小さな国の魅力を4回にわたって紹介します。

(トップ写真はカトマンズの仏教寺院・スワヤンブナート)

■何回目かのひとり旅、ちょっとだけ冒険してみたい。そんな旅人のヒントになりそうな旅先や旅のスタイルを紹介している連載「ちょっと冒険ひとり旅」。京都で旅館の運営をしながら、旅行ライターとしても活躍する山田静さんが、飛行機やバスを乗り継いで比較的簡単に行ける、旅しがいのあるスポットをご紹介していきます。バックナンバーはこちら

本連載では毎回、一度の旅について紹介してきたが、今回は「ネパール旅」をご案内したい。

人生のちょっとした節目や、なんだか疲れた……というときに私が行きたくなるのがネパールで、思い出すだけで2018年までに10回以上は訪れている。ネパールといえばヒマラヤ登山の国、というイメージもあるが、特に登山が好きというわけでもない。では何にひかれているのか語っていきたいと思う。

空気が悪いカトマンズ

まずは首都・カトマンズ。さぞかしヒマラヤの眺めがいいはず、と思いきや、眺望どころか世界有数の大気汚染がひどい都市と言われている。黒い排ガスを盛大に排出する古い車が整備されていない道を土ぼこりをたてながら走り、あっちこっちで道路工事もしている。盆地なので悪い空気がよどみ、交通量の多いところではネパール人もマスクやスカーフで口元をガードしているほどだ。2008年に王制が廃止され連邦民主共和国になったものの、国民のための政治がスムーズに動いているとはまだ言いがたく、17年に訪れたころまでは計画停電や断水もよくあった。15年にカトマンズの北西で発生した大地震からの復興も道半ばで、町なかには壊れかかった建物もまだ放置されていた。

三輪の車

三輪の車が走る


電線

このぐしゃぐしゃの電線を見ると、カトマンズに帰ってきたと思う。たまにショートして停電の原因になる

と、ここまで書くと全然よさそうでも楽しそうでもないが、何度行っても妙に飽きないし、延々と散歩してしまう。

カトマンズを歩こう!

散歩の拠点となるのはタメル地区だ。アジアの中でも古い安宿街のひとつで、かつてはヒッピーが集まる場所として有名だった。ドミトリー1ベッド3〜4ドルといった安宿から1部屋20ドル程度の中級ホテル、100ドルくらいする高級ホテルやデザイナーズホテルまで、1時間もあれば一通り見て回れる狭いエリアに宿が密集している。宿と宿の間には土産物屋やスタンドジュース屋、カフェ、安くておいしいメシ屋、高級レストラン、旅行会社などがこれまた密集。トレッキングを終えた旅人が売り払った山道具を扱う中古アウトドアグッズ店はタメルならではのお店で、長旅の途中、ネパールで登山をしたいという旅人も、タメルに来れば山道具が一式手に入る。自分の登山が終わったら、また売ればいいのだ。

タメル地区

タメル地区。狭い道を挟んでお店がみっしり。舗装路も増えてきた

「日本人宿」

以前より減ったが、日本語対応のいわゆる「日本人宿」も健在

晴れた日はほこりっぽく、雨が降ったあとは泥はねがひどいタメル。世界じゅうから来たさまざまな服装の旅人にまじって「ナマステ」なんて店の人と言い交わしながら歩いていると、「おお、私は旅に出ている!」という実感がむくむくと湧いてくる。

こういった旅人街は、何かと人をだましにかかる悪いやつが集まりがちだが、なぜかタメルはいつ行ってもわりと平和(悪いやつもいることはいる)。おとなしいネパール人の雰囲気も手伝って、旅人たちもインドにいるときの緊張をゆるめて、穏やかな表情を浮かべている人が多い。いつ行ってもくつろげる広々したカフェやオープンテラスのレストランがいっぱいあるのも、私がタメルを気に入っている理由だ。

グッズショップ

手先が器用なネパール人は手工芸品も品ぞろえがいい。ちょっと部屋に取り入れるのには勇気がいるが、かわいいグッズショップ

タメルの店

タメルで必ず行く「PILGRIMS BOOK HOUSE」。ネパールに関するビジュアルブックや地図、料理本など豊富にそろい、紙の小物やオリジナルグッズなどお土産物もそろい、値段も安いので旅人に人気

もちろんタメルだけがカトマンズなのではない。ここから一歩出ると、「ザ・ネパール」といった雰囲気の寺院や、ローカルな市場や地元の商店街と出合える。混沌(こんとん)としていながらなんとなくのんびりとしていて、角を曲がればそこには神様。そんなカトマンズの街歩きが私は大好きだ。

よく歩く散歩ルートを写真で紹介していこう。
 

タメル

スタートはタメル。ここから旧市街を南下して、かつて王宮があったダルバール広場を目指す。2キロ弱、だいたい30分の道のりだ。インドの下町だとぶらぶら歩いているだけで客引きにつかまるが、タメルではみんな暇なときには暇そうに寝っ転がったりしている。ネパール人は全体的に控えめで急がない

犬

犬もよく寝っ転がっている。タメルあたりの犬たちはどこかでご飯をもらっているのか、体格も毛並みもいい

岩塩

地元の商店街みたいな道を進んでいくと、スパイスショップやホウキなどを売る雑貨屋が増えてくる。これはお茶屋さんで、ネパール特産の岩塩も売っている。背後のお茶の缶がいわゆる一斗缶なので、比べるといかに巨大な塩の塊かわかる

広場

道が交わるところには広場(ネパールではチョークと呼ばれ、交差点の意味もある)があり、たいていヒンドゥー教の寺院か仏教寺院、神様のほこらがある

工房

窓が開いている家のなかをのぞくと、何かの衣装を作る工房があった。寺院や宗教行事が多いネパールには、伝統工芸を引き継ぐ職人も多い

門

たまにこんな美しい門があって目を奪われる。描かれた目玉は世界を見渡すというブッダの目。仏教寺院によく描かれている

ダルバール広場

ダルバール広場到着。かつて王国の中心部だった場所で、20以上の壮麗な寺院や建物が立ち並ぶ広場だったが、2015年の地震で多くが倒壊し、現在も修復が続いている。生き神・クマリの館もここにある。写真は2017年に撮影

塔

2017年当時は、こんなつっかい棒で塔を支えていて見ていてハラハラ

カーラ・バイラブ

広場にある大きな石像・カーラ・バイラブ。ヒンドゥー教のシヴァ神の化身で、この前でうそをつくと即死してしまうと信じられている

ほこら

立派な寺院だけでなく、日本でいうお地蔵様のような感じであちこちに小さなほこらがある

仏塔

道を横に入ると、小さな仏塔にもよく出合う。ネパールの場合、ヒンドゥー教と仏教のエリア分けはあまりなく、町のなかで混在している

ダルバート・タルカリ

歩き疲れたら腹ごしらえ。ネパールを推す理由のひとつが、食事がおいしいことだ。第4回で詳しく紹介していきたいが、ネパールではネパール料理、チベット料理に加えて各国の味が楽しめる。写真はネパールの典型的な定食、ダルバート・タルカリ。ダル(豆)スープ、バート(米)、タルカリ(カレー味のおかず)がセットになったもので、店ごとに味が違うので食べ比べているときりがない

次回はカトマンズを離れて、山に行こう。人気の山岳リゾート、ポカラを紹介する。

南アジアで新たに1.2億人の子どもが貧困状態に ユニセフ予測

Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/845dcb113b6637e6921f3a5acd37fbac0ce6a33e

配信、ヤフーニュースより

CNN.co.jp

ニューデリー(CNN) 国連児童基金(ユニセフ)はこのほど、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、南アジア地域で新たに計1億2000万人の子どもが貧困状態に陥ると予測する報告書を出した。 世界人口の約4分の1が集中する南アジアでは最近、新型コロナウイルス感染が急激に拡大。特にインドではこれまでに計44万人以上の感染が確認されている。 ユニセフの報告書はアフガニスタン、パキスタン、インド、ネパール、ブータン、バングラデシュ、モルディブ、スリランカの8カ国に住む計6億人の子どもたちが、感染対策のロックダウン(都市封鎖)などによる経済的、社会的影響で大きな打撃を受けていると指摘。保健、教育、衛生状態など複数の側面で貧困状態にある子どもは現在の推定2億4000万人から、今後6カ月でさらに1億2000万人増えると予測している。 ユニセフ南アジア地域事務所のジャン・ゴフ代表は、子どもたちが受ける長期的な影響は特に甚大だと述べ、このまま放置すれば新型コロナウイルスが「一世代全体の希望と未来を打ち砕いてしまう」と危機感を示した。 報告書によると、ネパールではロックダウン中にはしかの流行が報告され、バングラデシュで4月に実施された子どもたちへの定期予防接種は2月より55%減少した。学校閉鎖に伴う遠隔授業に、インターネット接続や電力供給の問題で参加できない子どもも多い。 学校給食による栄養補給がストップし、インドやネパールでは学校が隔離施設に転用された。 労働者の解雇や給与削減で多くの家庭が打撃を受けている。報告書は各国政府に対し、児童手当の一律給付など十分な対策をただちに講じる必要があると訴えている。

世界94国の在住日本人、5割が「収入が減少した」と回答。収入が半減した人も【ロコタビ調べ】

Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/b56c97db35184215a5e48dbe893fd7a2e8cb849e

配信、ヤフーニュースより

Web担当者Forum

ロコタビは、「海外在住日本人の実態調査」の結果を発表した。海外在住者を対象に、新型コロナウイルスが仕事や収入に与えた影響、今後の滞在への不安、失業補償などの支援状況、その他懸念点などを聞いた。  

世界94国の在住日本人、5割が「収入減少」

まず「収入への影響」を聞くと、「変化なし」47%、「増収」3%で、残る50%は収入が減少。そして「5割以上の減少」24%がもっとも割合が多かった。「仕事への影響」を聞くと、「悪化」39%、「やや悪化」26%で、負の影響を受けた人のほうが多い。

収入への影響を業種別で見ると、その影響度合いは大きく異なる。金融、メーカー、ITインターネットは影響が少なかった業種だが、逆に観光業は大きく影響を受けており、「5割以上の減少」56%、「2~5割程度の減少」15%、「~2割以下の減少」12%と、計83%が収入減となっている。

同様に、働き方において「自営業」「フリーランス」といった組織に帰属していない人は、いずれも4割弱が「5割以上の収入減」と回答している。

こうした海外在住日本人への支援は、当然、各国の状況や現地政府の考えにより異なっている。「外国人への失業補償などの支援状況」を地域別で見ると、「十分受給できる見込み」「補償はあるが不足している」の合計は、オセアニアや北米、ヨーロッパは全体平均より高いが、中東やアフリカは「受給できる見込みはない」が主流。アジアでも「受給できる見込みはない」が6割ほどに達していた。  

調査概要

・【調査対象】海外在住の日本人(マッチングサービス「ロコタビ」登録者) ・【調査期間】2020年6月4日~9日 ・【有効回答数】2,155件 ・【回答のあった国数】94国 アイルランド、アメリカ、アラブ首長国連邦、アルジェリア、アルゼンチン、イギリス、イスラエル、イタリア、イラン、インド、インドネシア、エクアドル、エジプト、エストニア、オーストラリア、オーストリア、オマーン、オランダ、カタール、カナダ、カリブ海、カンボジア、ギニア、キプロス、キルギス、グアテマラ、グアドループ(フランス海外県)、クウェート、ケニア、コスタリカ、コロンビア、コンゴ民主共和国、サウジアラビア、シエラレオネ、ジャマイカ、ジョージア(旧グルジア)、シンガポール、スイス、スウェーデン、スコットランド、スペイン、スリランカ、スロバキア、ソサエティ諸島、タイ、チェコ、チリ、デンマーク、ドイツ、トルコ、ナイジェリア、ニューカレドニア、ニュージーランド、ネパール、ノルウェー、パキスタン、パナマ、バハマ、パラオ、パラグアイ、ハンガリー、フィリピン、フィンランド、ブラジル、フランス、ブルガリア、ブルンジ、ベトナム、ペルー、ベルギー、ポーランド、ボリビア、ポルトガル、ホンジュラス、マリアナ諸島、マルタ共和国、マレーシア、ミャンマー、メキシコ、モザンビーク、モルディブ、モロッコ、モンゴル、ヨルダン、ラオス、リトアニア、ルーマニア、ロシア、韓国、香港・マカオ、台湾、中国、南アフリカ、北アイルランド

手話通訳に口元見える透明マスク NPOが作り方をウェブで公開

Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/5b0bc6ddd8711ab234ef3da87a0bdf31acff07fc

配信、ヤフーニュースより

毎日新聞

 新型コロナウイルス対策としてマスクの着用が定着する中、聴覚障害者らでつくるNPO法人「インフォメーションギャップバスター」(横浜市)は、口の動きが見える透明なマスクの作り方をウェブサイト(http://www.infogapbuster.org)で公開している。手話を理解する時に口の動きも重要な情報となるが、透明なマスクの流通量は少ない。手近な材料を使って作れる方法を紹介している。  手話を使う人は、手や指の動きだけでなく、表情や口の形も言葉の情報として読み取ることが多い。そのため、新型コロナの影響でマスク着用が広がっても、手話通訳者やろうあ者相談員などは、聴覚障害者と接する際にマスクを外す必要があった。顔全体を覆うフェースシールドは福祉の現場にはあまり普及していないという。  そんな中、ある手話通訳者が通訳の場面で「マスクを外さなくてもよい」と言われ、相手の気遣いに感動した。「お互いに安心してコミュニケーションが取れるようにしたい」と考え、市販の立体型マスクを参考に、見た目やフィット感を試しながら透明マスクを考案したという。  材料は、透明で軟らかいカードケースかクリアファイルと耳にかけるゴム。文房具店や100円ショップなどで手に入る。型紙に沿って切り抜き、両脇にパンチで穴を開けてゴムを通せば完成する。スポンジを鼻当てにすれば密着度が増し、内側にメガネ用の曇り止めを塗ると呼気で曇るのを防げる。折りたためるため持ち運びにも便利だ。  同NPOメンバーで薬剤師の吉田将明さんが勤務中に使用したところ、聴覚障害者から「口の動きが確認できて、内容がよくわかる」と喜ばれたという。「角度によってはマスクを着けていることが分からないぐらい」という声もあり、愛媛県今治市長の記者会見の場などで使用されたこともある。  使用した人からは「ぴったりフィットする」「鼻当てがなくても息苦しくない」などと好評だ。吉田さんは「感染防止のため、一人一人に何ができるかを考えてほしい。いずれは医療用の透明マスクを開発してもらえたら」と願う。ウェブサイトでは型紙と、日本語のほか英語とネパール語で作り方を紹介している。【谷本仁美】

出稼ぎ外人が集う理由、ワルシャワ限界ホステル物語

Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/36f02b5e8b1e9aa5b1da2d01a3ba275748b2bc73

配信、ヤフーニュースより

Wedge

1泊720円の安宿に17連泊

2019.7.23~9.2 42日間 総費用20万円〈航空券含む〉  8月15日 、グダンスクを朝方発車した超満員列車は昼過ぎにワルシャワ中央駅に到着。予約していた駅近のホステルは15階建て高層マンションの7階の一部を改装したものだった。大部屋の二段ベッドは17泊で470ズローチ、一泊約720円と物価の安いワルシャワでも破格。9月1日発の帰国フライトまで半月ほどワルシャワ見物すると計画だった。

 8月15日午後、スーパーでビール、ワイン、食料品を仕入れて共同キッチンの冷蔵庫にビニール袋に名前とベッド番号を書いて保管。  8月16日、朝食を作ろうと冷蔵庫から食料品を入れた袋を取り出したところ缶ビール1本、ハム200グラムが消えてきた。夜中に誰かが盗んだのだ。過去5年間世界各国の安宿に泊まってきたが食料を盗まれたことは一度もなかった。こうした安宿はバックパッカーと呼ばれる若い旅行者が多いが、他人の物を盗むような種類の人間はいなかった。  8月16日夕刻、近くのベッドで寝泊まりしているフィリピン人のフェルディナンド。彼の家系は福建華僑で一族は移住後にカトリックに改宗。フェルディナンドは漢字も少しは読めるようで、血統的には漢民族。  彼は高校卒業後出稼ぎに出て以来、もう5年以上フィリピンには戻っていない。故郷には仕事もなく、親兄弟の多くは出稼ぎに出ており故郷に帰っても仕方ないという。一億人の人口の10%、即ち一千万人が常に海外で働いている出稼ぎ大国フィリピンの悲しい一面だ。  フェルディナンドによるとEU加盟国で外国人労働者が一番簡単に労働許可証を得られるのがポーランド。彼も正規の労働許可証が下りるのを待っているが、ホステルの宿泊客の大半は労働許可証待ちか、就業先を探している外国人だという。

バングラデッシュから見たポーランド

 8月17日、隣のベッドのバングラデッシュの学生と挨拶。彼の兄はポーランドで3年間も出稼ぎしているという。バングラデッシュは伝統的にサウジなど中東産油国への出稼ぎ労働者が多いが、近年は隣国インドへの出稼ぎが激増。国境を越えて日帰りでインドへ出稼ぎに行くバングラ人だけでも50万人もいるという。  彼はポーランドのポズナン大学で土木工事管理(Management of Civil Engineering)を学んでいる。ポーランドの大学は授業料が安く英語で授業するコースが多いので途上国の留学生が多いらしい。  ポーランドで学位を取得すればEUのドイツ、オランダ、フランス、デンマークといった所得水準の高い国で専門家として就業することが可能になると目を輝かして語った。  8月17日、受付嬢のマリアとおしゃべり。マリアはウクライナ国境近くの森林地帯の寒村の出身。ホステルの宿泊者で一番多いのはウクライナ人労働者で、次がロシア人という。世界中から外国人労働者が来ておりウクライナ、ロシア以外の当日の外国人労働者の宿泊客はバングラデッシュ3人、パキスタン2人、インド人2人、ダゲスタン1人、フィリピン1人、ネパール1人とのこと。  ウクライナ、ロシア、ベラルーシなど東方諸国に対してポーランド政府が特別簡易手続きで労働許可する制度が背景にあるようだ。  8月18日午後5時頃、食料買出しから戻るとホステル内部が騒然としていた。受付嬢のマリアに聞くと宿泊客が酔っ払って騒ぎをおこしたという。午後3時過ぎにチェックインした4人のウクライナ人の若者は一部屋を借りた。4人は直ぐに部屋でウオッカを飲んで騒ぎ始めた。4時頃マリア嬢が注意すると部屋に引きずり込まれ乱暴されそうになった。  辛くも逃れたマリアはオーナーに電話。オーナーは即座に警察を呼ぶように指示して、オーナー自身もホステルに駆け付けた。筆者自身が見聞したところ、パトカーが到着して警察官が四人の身元確認を始めたが、1人が意識を失って倒れてしまい残った3人はオロオロするばかり。 3人はパトカーで連行、意識不明の1人は救急車で搬送という顛末。  ホステルのオーナーは50歳前後であろうか、几帳面な性格のようだ。自ら酔っ払いが暴れていた4人部屋の掃除をしていた。オーナーは数年前にホステルを開業したが、最近次第に客層が悪くなってきたと嘆く。日本のオジサンが「先日冷蔵庫に入れておいた缶ビールとハムが盗難に遭った」とクレームしたら、オーナー氏は逆切れ。  「ロシアやウクライナの連中は何でも持って行っちまう。キッチンの皿、コップ、スプーンは何度補充しても足りないし、砂糖や食用油は丸ごと消えちまう」  「マットレスやカーテンを取り替えてリノベーションしたけど、悪い客ばかり増えちまう」と怒りは収まらない。

インド人起業家

 8月19日、同室の中年インド男性はインドのハイデラバードで人材派遣会社を共同経営している。現在ポーランドの当局に3年間の期間居住ビザ(Temporary Residential Visa)を申請中。ワルシャワ繁華街のインド料理屋で夕方から皿洗いをして滞在資金に充てている。  ポーランドで就労を希望するインド人のために近い将来ワルシャワに人材派遣会社を設立する計画だ。ポーランドはEUで最も外国人労働者に門戸を開いているので彼はビジネスプランに自信を持っていた。  8月25日、毎日ラウンジで一心不乱に勉強している女子がいた。彼女はウクライナの医大を卒業した歯科医だった。ポーランドの歯科医資格を取るために歯科とポーランド語会話の二つの試験をパスするべく猛勉強中。仲間の女子歯科医三人と一緒に受験するとのこと。  合格後したらポーランドで1年間無給インターンとして勤務してから晴れて歯科医免許を取得できる長い道のりである。ポーランドで歯科医として実績を積めばドイツなど他の国での勤務も可能になる。彼女の最終目標はドイツだった。  グダンスクの薬学部の女学生から聞いた話を思い出した。彼女のボーイフレンドは医学部で学ぶレバノン人留学生。ポーランドの医学部は学費が安く英語授業のコースがあり途上国の学生に人気らしい。  レバノン人の彼氏は卒業後ポーランドで病院勤務をしながらドイツの医師語学検定を受験する計画だった。患者と意思疎通できるレベルのドイツ語なので難易度は比較的低いらしい。二人の将来の夢はドイツでの就業だった。  8月29日夕刻、ラウンジでビールを飲んでいたら、長逗留しているパキスタン人が酔っ払って「お前は気に食わない野郎だ。俺のビジネスの邪魔をしやがって」と因縁をつけてきた。ヤバイ雰囲気なので早々にラウンジを引き上げた。  このパキスタン人は金に困っているらしく、誰かしら捕まえては小遣い稼ぎをしようと狙っていた。数日前にスウェーデン人に「可愛い子(bambina)がいるから照会するよ。50ドルでOKだ」と誘っていた。  翌日夕刻、くだんのパキスタン人が泥酔して部屋に乱入して来た。オジサンに罵詈雑言を浴びせてから壁を拳で叩き始めた。幸いに巨漢のスウェーデン人が上段のベッドから降りてきてパキスタン人を牽制してくれた。  興奮が収まらずエスカレートしたパキスタン人はベッドの鉄の支柱を拳で殴って脅してきた。仕方ないので「私は貴方に対して何か失礼なことをしたのであるなら謝る。大変申し訳ない」と丁寧に頭を下げた。  それからスウェーデン人に促されて部屋を出て行った。翌日よくよく考えてみたら思い当たるふしがあった。1週間くらい前に田舎から出て来た純朴そうなポーランド青年にパキスタン人が繁華街で通行人に配っているレストランの割引券を300円くらいで売りつけようとしていたのだ。  青年がオジサンに意見を求めてきたので「やめておけ」とアドバイスしたのを逆恨みしていたのだ。

高野凌 (定年バックパッカー)

留学生をお米で支援 アルバイト臨時休業で収入半減の学生も

Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/ac87d17a39923ee0c9e277225a6ef0140e309839

配信、ヤフーニュースより

三重テレビ放送

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて生活に困っている留学生を支援しようと、三重県にある四日市日本語学校が22日、学生たちに米を贈りました。  留学生を代表してネパール人のバザガイ・ミランさんが、四日市日本語学校の石原正敬学校長から米を受け取りました。

 四日市日本語学校は1990年に設立され、これまでにアジアや南米などからの留学生約2000人が日本語を学んでいます。  学生の多くは学費や生活費をアルバイトでまかなっていますが、新型コロナウイルスの影響でアルバイト先が臨時休業したことなどから、収入が半分以下になったという学生もいます。

 これを受けて学校では、学生たちの生活を支えようと菰野町の農園から約1トンのコシヒカリを購入しました。  学校には現在96人が在籍し、1人あたり10キロの米が配られます。

優秀な若者ほど日本に留学しない「嫌日外国人」が増えている背景

Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/0addbe63f1250e2b19a88d916288fb300239f493

配信、ヤフーニュースより

プレジデントオンライン

新型コロナウイルスの影響で働き口を失い、困窮する留学生が相次いでいる。その背景には高額な学費を課しながら、卒業証明書すら発行しない悪質な日本語学校の存在がある。ジャーナリストの出井康博氏は「酷い留学実態は新興国に広まっており、留学先として日本を敬遠する『嫌日』外国人が増えている」と指摘する――。 【写真】就職情報大手マイナビが開催した「外国人留学生のための就職セミナー」を訪れた外国人学生ら ■日本語学校で横行する人権侵害  新型コロナウイルスの感染拡大は、日本で暮らす外国人にも大きな影響を与えた。とりわけ被害を受けたのが、約34万人に上る留学生たちかもしれない。アルバイトを失い、経済的な困窮を強いられている者も少なくない。  ただし、留学生たちが日本で直面する苦難は、何も新型コロナだけが原因ではない。彼らに対する搾取の構造が存在し、酷い人権侵害までも横行しているのだ。  その一例として、筆者が今年初めから取材を続けた日本語学校「A校」で起きた問題について書いてみよう。  A校は留学生に対し、大学や専門学校への進学や就職に必要な「卒業見込み証明書」や「出席・成績証明書」の発行を拒んでいた。「卒業試験」を実施し、「不合格」となった留学生には、希望する進学や就職を認めないというのだ。  日本語学校は卒業しても学位は得られず、従って「卒業試験」を実施する必要などない。にもかかわらず、A校は試験を課した。しかも証明書を出さないために、試験後に合格点まで引き上げていた。理由は「学費稼ぎ」である。 ■日本人なら問題視されるケースなのに  A校の経営者は、専門学校も運営している。その専門学校に日本語学校の留学生を内部進学させ、学費を稼ぐため、他校への進学などを妨害したのだ。結果、多くの留学生が「内部進学」もしくは「母国へ帰国」という選択肢しかなくなった。  想像してもらいたい。日本人の学生が予備校に入学したとしよう。そして受験が近づいた頃、予備校が突然、受験を認めず、系列の専門学校への内部進学しか許さないと言い出す。そんなことは日本人相手には起きようがない。仮にあっても、学生や保護者たちが一斉に声を上げるだろうし、新聞やテレビもニュースで取り上げ糾弾する。行政も学校に対し、厳しい処分を下すに違いない。だが、留学生に同じことが起きても、世の中には知られず、行政も全くの知らん顔なのだ。

■学費稼ぎのために内部進学を強要  A校系列の専門学校に在籍する60数名の学生は皆、留学生である。内部進学者を含め、日本語能力を問われず入学した者ばかりだ。こうして学費稼ぎのため、語学力を問わず留学生を受け入れる学校は、全国でどんどん増えている。  文部科学省が2019年4月に発表した調査によれば、学生の9割以上を留学生が占める専門学校は全国で101校、全員が留学生という学校も45校に上っている。日本人学生が集まらず、留学生で生き残りを図っているのだ。  そうした学校も通常、日本語学校の証明書なしには入学は認めない。大学や専門学校は、留学生たちの学費滞納と失踪を最も恐れる。その点で、日本語学校の「卒業見込み証明書」は学費を支払っていた証しとなる。また、「出席証明書」に記された授業への出席率によって、失踪の可能性を測ることができる。  A校では、多くの留学生が、仕方なく系列の専門学校への内部進学に応じた。その大半はベトナム人とネパール人である。彼らの多くは、150万円前後にも及ぶ留学費用を借金して来日している。A校に在籍した1年半から2年間では、借金すら返済し終えていない者も少なくない。そのため簡単には帰国するわけにはいかない。そうした事情を知ったうえで、A校は留学生たちに内部進学を強要した。 ■証明書を発行してもらえず大学に行けない  そんな中、内部進学を拒否し、母国への帰国を決めた留学生がいる。ベトナム人のタン君(仮名・25歳)だ。  タン君はベトナム南部、ロンアン省の出身だ。地元で医療系の専門学校を卒業し、南部の大都市・ホーチミンの病院で介護の仕事に就いた。給与は月4万円ほどで、物価が急騰しているホーチミンでは生活に余裕はなかった。  「日本に行けば、お金持ちになれる。だから留学することにしたのです」  タン君は2018年7月、A校の留学生として来日した。だが、「お金持ち」の夢はA校によって潰されることになる。  A校を卒業後、タン君は大学への進学を望んでいた。大学や専門学校の授業を理解するには、最低でも日本語能力試験「N2」レベルの語学力が求められる。タン君は2つ下のN4すら合格していない。借金返済のため、アルバイトに追われる生活が影響してのことだ。彼に限らず、新興国から借金漬けで来日する留学生に共通する状況である。事実、タン君の同級生のベトナム人留学生には、N2合格者は1人もおらず、N4に至っても少数だった。  「だけど、入学試験を受けなくても進学できる大学はありました。でも、A校が証明書を発行してくれなかったので、進学はできなかった」

コロナで入国制限中も帰国を急かすA校  タン君は今年3月、A校を卒業した。そしてベトナムへの帰国準備を進めていた頃、新型コロナウイルスの感染が拡大し、帰国が困難になった。  それでもA校は、タン君に帰国を急かした。卒業生が日本に留まり、不法残留となれば、入管当局から学校側が責められる。新入生を受け入れる際、入管のビザ審査が厳しくなり、経営に悪影響が出てしまう。そのことを恐れ、帰国を急かすばかりか、母国へ戻るまでは「卒業証明書」も発行しない。A校に限らず、日本語学校の間で常態化している手法だ。タン君が言う。  「インターネットで検索すると、ベトナム便のチケットは4月でも売られていました。でも、実際に運行されるかどうかは分からない。しかも値段が片道で20万円以上もするんです」  日本とベトナム間の航空券は、オフシーズンであれば往復5万円程度で買える。しかもこの頃、ベトナムは自国民を含め、外国からの入国を実質止めていた。にもかかわらず、A校は航空券を購入させようとした。  タン君の留学ビザは4月下旬に在留期限を迎えることになっていた。そこで彼は最寄りの入管である東京出入国在留管理局宇都宮出張所を訪れ、在留期間を延長してくれるよう求めた。しかし入管もまた、航空券が販売されていることを理由に延長を拒んだ。 ■10万円給付の資格を失い、アルバイトもできない  このままでは、タン君は不法滞在者となってしまう。彼から連絡を受け、筆者は取材を通じ、入管庁に状況を説明し、見解を問うた。するとその直後、東京入管宇都宮出張所はタン君に3カ月の在留延長を認めた。  すでに日本語学校を卒業しているため、彼の在留資格は「留学」から「短期滞在」へと変わった。この資格では、外国人を含めて支給される「特別定額給付金」の10万円は受け取れない。給付金交付の基準日は4月27日だ。その直前、タン君は支給資格を失ってしまっていた。  しかも「短期滞在」外国人には、アルバイトも許されない。ベトナムへ帰国できるめどもなく、3カ月をアルバイトなしで過ごすことは、彼のような元留学生にとっては極めて厳しい。  その後、入管庁は5月20日、「短期滞在」の元留学生に対し、新たに「特定活動」という在留資格を認める方針を打ち出した。在留期間は6カ月で、アルバイトも認められる。  このニュースを聞き、タン君は再び東京入管宇都宮出張所を訪れた。しかし、「特定活動」へのビザ変更は拒否されてしまった。A校の卒業証明書を持っていないからだ。

入管庁は「特定活動」を付与する条件として、卒業証明書の提出を求めている。留学生に対し、今年1月1日以降に日本語学校などを卒業したことを証明させるためだ。しかしA校は、タン君のベトナム帰国を見届けるまで卒業証明書は出さない。つまり、証明書を入管に提示したくても、できない状況なのである。 ■A校を調査するよう求めたが…  A校で証明書の発行拒否問題が起きていることは、入管もよく分かっている。証明書が発行されず、進学や就職の手続きが取れなくなったA校の留学生たちは、昨年11月に同宇都宮出張所を訪れ、学校側と交渉してくれるよう直訴している。  だが、このとき入管は、A校に対して何もしようとはしなかった。結果、多くの留学生たちが内部進学せざるを得ない状況に追い込まれ、タン君に至ってはベトナムへ帰国することになった。そして今度はビザ変更も認めないというのだ。  「卒業見込み証明書」が発行されず、彼が描いた日本での大学進学の夢は潰えた。そして今度は「卒業証明書」が得られないため、定額給付金の支給対象から外れ、アルバイトもできず、小さなアパートで悶々(もんもん)とした毎日を強いられている。タン君の日本留学は、“たまたま”入学した日本語学校の横暴によって散々なものになってしまった。  筆者は行政当局に対し、A校で起きた留学生への証明書発行拒否について調査するよう取材を通じて求めた。だが、文部科学省は「栃木県」の所管だと逃げた。そして栃木県に問うと、所管は「入管庁」だとたらい回しする始末だった。 ■留学生30万人計画という「パンドラの箱」  確かに、入管庁は日本語学校の実質的な監督官庁と言える。日本語学校は入管庁から「告示校」と認められなければ、留学生の受け入れができない。  その基準を示す「日本語教育機関の告示基準解釈指針」には、留学生に対する人権侵害があった場合、日本語学校を告示から抹消するとある。そして具体的な人権侵害行為として、留学生からのパスポートや在留カードの取り上げと並び、「進学や就職のために必要な書類を発行しないなど生徒の進路選択を妨害する行為」を挙げている。まさに今回、A校で起きたことである。  入管庁は筆者の取材に答え、A校を調査する可能性こそ否定しなかった。だが、取材から1カ月以上がたっても、調査が実施された形跡はない。  入管庁が調査に二の足を踏むのには理由がある。A校へ対する調査は、「留学生30万人計画」という「パンドラの箱」を開けてしまいかねないからだ。

 「30万人計画」の闇はあまりに深い。「留学」と称して新興国の若者に多額の借金を背負わせ、日本へと誘い込んだ揚げ句、日本人の嫌がる底辺労働に酷使する。しかも賃金を日本語学校などが学費として吸い上げる。さらには、少子化で日本人学生が集まらず、経営難に陥った専門学校や大学へ“進学”させ、彼らを利用し続ける。そんなエグい実態が、同計画のもとでは起きている。 ■優秀な若者ほど日本を敬遠している  「教育機関」とは到底呼べない学校が多数あることも、日本語学校関係者はもちろん、関係省庁の担当者は皆知っている。A校の問題にしろ、氷山のごく一角にすぎないのである。だが、何もしようとはしない。なぜか。  「30万人計画」は安倍政権が進めてきた看板政策だ。闇を暴けば、同政権の否定につながる。また、学校業界のみならず、留学生を低賃金で重労働に利用してきた産業界も大きな打撃を受ける。だから入管庁を始めとする行政は、A校の問題が象徴する同計画の「闇」には触れようとはしない。その陰で、新興国出身の留学生たちが泣かされ続ける。  留学生の受け入れとは、本来、日本での生活を通じ、語学のみならず文化までも習得してもらい、「親日」の外国人を育成する目的があるはずだ。しかし実際には、逆に「嫌日」外国人を増やす結果となっている。また、ベトナムなど日本への「留学ブーム」が起きたアジア新興国では、“優秀な”若者ほど日本を敬遠しがちだ。日本における留学生の実態が、SNSなどを通じて拡散してのことである。  「30万人計画」は留学生の数を増やし、「底辺労働者の確保」という裏テーマの実現には貢献した。しかし、国益にかなう政策だったのか。現状を続けていれば、間違いなく「嫌日」外国人が増えていく。そして近い将来、日本はアジア新興国から痛烈なしっぺ返しを受けることになるだろう。 ---------- 出井 康博(いでい・やすひろ) ジャーナリスト 1965年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『The Nikkei Weekly』の記者を経て独立。著書に、『松下政経塾とは何か』『長寿大国の虚構―外国人介護士の現場を追う―』(共に新潮社)『ルポ ニッポン絶望工場』(講談社+α新書)近著に『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)がある。 ----------

ジャーナリスト 出井 康博

義務教育 全ての人に 夜間中学 設置へ高まる機運 外国人共生で群馬県 ニーズ調査や視察計画

Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/73c98e35b9261e263a8b385d5da3a94e3865757f

配信、ヤフーニュースより

上毛新聞

 さまざまな事情で義務教育を受けられなかった人が通う夜間中学について、設置に向けた機運が群馬県内でも徐々に高まってきた。本年度、調査費を予算化した群馬県は新型コロナウイルスの感染状況を見極めながら、ニーズ調査や視察を進める計画だ。夜間中学は全国10都府県に34校あり、関東では群馬、栃木両県だけが未設置。教育支援の関係者からは「外国人や不登校で勉強ができなかった人たちに一日も早く学ぶ場を」と求める声が上がっている。

■高校進学に道■

 夜間中学は戦後の混乱期に義務教育を受けられなかった子どもに対し、夜間に授業を行ったのが始まり。卒業すると中学校の卒業資格が得られ、高校進学の道も開かれる。2010年国勢調査では、義務教育の未修了者は全国で約12万8000人、県内は約2200人。不登校が社会問題化し、外国人住民が増加傾向にある中で、設置の必要性が高まっている。文部科学省も教育機会確保法に基づき、各都道府県に少なくとも1校の設置を促している。

 群馬県がニーズ調査に取り組む背景の一つに、外国人労働者の受け入れを拡大した改正入管難民法の施行(昨年4月)がある。県は外国人住民との新たな共生を議論し、今年1月に多文化共生・共創の「群馬モデル」を公表。教育分野では、外国人の子どもの就学状況の把握に加え、教育機会を提供するために夜間中学などの検討を進めるとする。

 こうした状況の中、夜間中学をテーマにしたドキュメンタリー映画が今年に入って伊勢崎市と大泉町で相次いで上映された。どちらも外国人住民が多い地域だ。民間有志でつくる実行委員会が主催し、夜間中学の卒業生を交えたトークも行った。

■鍵は市町村■

 実行委の代表者で、共愛学園前橋国際大客員教授の奥山龍一さん(65)は「県は設置に前向きな印象を持つが、市町村レベルでも動かないと話は前に進まない」と指摘し、首長らの決断に期待する。

 埼玉県川口市では、昨年4月に夜間中学が開設された。1985年から同市内で民間主体の「自主夜間中学」を開設してきた野川義秋さん(71)は「公立の夜間中学は財源や教職員の確保などの問題で長い間実現しなかった」と説明。その上で、「2017年に市長が設置を決めたことから、全てが動き始めた」と振り返る。

◎働くため 日本語力を

 北関東初の夜間中学が今月、茨城県に誕生した。「常総市立水海道中学校夜間学級」として当初は4月開校予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期した開校のセレモニーを今月2日に行った。

 ブラジル国籍の9人を筆頭にフィリピンとペルーが各2人、ネパール1人、日本人は6人。1期生20人は国際色豊かだ。石塚邦彦教頭は「10代から70代まで幅広い世代が集まり、真剣に学ぶ姿は胸を打たれる。教職員も生徒の学びたいという気持ちに、しっかり応えていきたい」と話す。

■設置要望■

 今年4月、外国人住民が初めて8000人を超えた大泉町。総人口に占める外国人比率も過去最高の19.1%(5月末現在)と県内一の水準だ。外国人を含む住民に学びの機会を提供する夜間中学を巡り、設置を求める声が上がっている。

 同町在住の日系ブラジル人は「日本語が話せなくてもコミュニティー内で仕事を探すなどして生活ができている」とブラジル人住民の現状を説明。その上で、「(コロナ禍などで)仕事がなくなれば日本人と接点を持つために日本語が話せないといけない。会社で働くために中学卒業資格も必要になる」とし、夜間中学の必要性を指摘する。

 県の学習支援事業の一環で、教育支援協会北関東(前橋市)は4年前から町内で「大泉チャレンジ教室」を運営している。主に、経済的な事情で学習塾に通えない中学生に対し、大学生がボランティアで週1回勉強を教える。生徒は約10人で、外国人の姿も。現在は新型コロナへの対応で教室を開かず、生徒に自宅学習用のプリントを渡して添削している。

■受け皿■

 協会の井熊ひとみ代表理事は「子どもたちが社会人として自立することが重要で、そのためには多くの受け皿が必要。夜間中学は受け皿の中心となる存在」と早期設置を訴える。

 村山俊明町長は、2月に「町内に開校できるよう文部科学省、県と連携していきたい」と発言するなど設置に意欲を示す。ただ、夜間中学の設置、運営には施設整備や人材確保など乗り越えなければならない課題があり、近隣自治体との広域連携も選択肢の一つだ。

 村山町長は3月に埼玉、千葉両県の夜間中学を視察する予定だったが、日程を再調整している。取材に、「(外国人の多い)大泉から発信することに意義がある。新型コロナで一度止まったが、必ず前進させていく」と述べた。

<新型コロナ>7人が感染 蕨や三郷などの男女4人、2人は調査中 川口の女性は陽性が判明した男性の妻

Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/3649c2502d484318fb539e0be729ffd3a4e5a032

配信、ヤフーニュースより

埼玉新聞

 これまでに確認された感染者は1038人(チャーター便帰国者含む)で、死者は65人、重症者は3人。感染症指定医療機関への入院者は8人、一般医療機関への入院者は16人、ホテル・自宅療養者は1人。565人が退院、376人が療養終了している(21日午後5時現在)。  県によると、県管轄で新たに確認された感染者は6人。うち4人は蕨市や三郷市などの10~50代の男女で、いずれも症状は軽いという。残る2人の詳細については調査中としている。  川口市によると、新たに同市に住むネパール国籍の20代パート女性の感染が確認された。20日に陽性が判明したネパール国籍の30代男性の妻で、ともに渡航歴はない。