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少女が初潮を迎えた時、家族や周囲の大人たちは、お祝いを「する」か「しない」か。神戸大学・国際交流コーディネーターの松尾敬子さんは、国籍の違う6人の女性にインタビューし生理にまつわる体験や考え方を調査した。国や地域によって差がある「生理」をとりまく環境。見えてきたのは、生理のその先、様々な事情を抱えた女性たちの現状だ。 【写真を見る】アフガニスタンで医師の診察を待つ妊産婦や女性たち 難民キャンプ ■「お赤飯炊かないで」母に懇願した少女時代 神戸大学・国際交流コーディネーターの松尾敬子さん(52)は、兵庫県出身。「娘が初潮をむかえたらお赤飯を炊いてお祝いする家庭」で育った。しかし母親には「私が生理になってもお赤飯は炊かないで」と訴えた。同居する父や祖父には知られたくなかったからだ。 神戸大学・国際交流コーディネーター 松尾敬子さん 「私の生理のために皆でお赤飯を食べるなんて、という思いがありました。母はこっそり父には伝えていたと思うけど、私の希望を聞いてくれてお赤飯は炊かなかった。今振り返ってもそうしてもらえてよかった、と思っています」 社会人になった松尾さんは、国連人口基金(UNFPA)や国連人間居住計画(UNハビタット)の職員として、世界各地で女性たちの健康問題に向き合ってきた。その中で、「生理をめぐる環境も向き合い方」も国や地域で異なることを目の当たりにした。 ■国連事務所で”初潮のお祝い” 国連ハビタットのスリランカ事務所に勤務していた2012年ごろ、同僚職員が事務所に自分の家族を連れてきた。12歳の娘が初潮を迎えたので、同僚のみんなとお祝いするために連れてきたのだという。事務所は喜ばしい雰囲気に包まれ松尾さんも一緒に祝った。 神戸大学・国際交流コーディネーター 松尾敬子さん 「当の本人、12歳の娘さんは恥ずかしそうにもじもじした様子だったので、『恥ずかしくない?』と聞くと、『嬉しい』と言ったんです。自分の経験や気持ちと違ったので驚きました。初潮を迎えるということは『子供が産める、結婚できる』ということ。スリランカにおいて結婚は、家庭と家庭の結びつきを強めるためのもので、大きな意味を持ちます。だからこそ、こうしたお祝いにつながるのではないか、と思いました」 国連の統計では、今この瞬間に生理中の女性は約3億人いると言われている。『3億人』とくくってしまうと短い言葉だが、松尾さんは「そのひとりひとりにストーリーがある」と話す。 2025年〜2026年にかけて、国籍の違う6人の女性にインタビューした。 神戸大学・国際交流コーディネーター 松尾敬子さん 「いつ初潮を迎えたか、誰に伝えたか、その時どんな気持ちだったか、どんな生理用品を使ったか、使わなかったか。例えば『初潮を祝う、祝わない』問題ひとつとっても、考え方や捉え方が全く違うんですね」
■「お祝いする感覚、全く分からない」ドイツ人女性 53歳のドイツ人の女性は、「女性が初潮を迎えるのは当たり前のことだと思っている。だからドイツではお祝いすることはないし、お祝いをする感覚も全く分からない」と話した。 一方、53歳のフィリピン人女性。 女性は、敬虔なカトリック系の学校に通った。学校の先生は”修道女”という環境。そこでは生理や性の話は全くでなかったし、話をする雰囲気でもなかった。家でもお祝いすることはなかった。 神戸大学・国際交流コーディネーター 松尾敬子さん 「彼女には今9歳の娘がいるんですが、『娘が初潮を迎えたら祝いたい』と話しています。『人生の大きな節目、隠すことではない』と」 ■「思春期に入るお祝い」があるネパール 松尾さんは、41歳のネパール人女性にもインタビューした。 ネパールでは”初潮を祝う”慣習はないものの、女の子が11歳ごろになると”思春期に入るお祝い”をするという。 思春期のお祝いをする前に初潮を迎えたら、そのタイミングに前倒しして祝う。 神戸大学・国際交流コーディネーター 松尾敬子さん 「祝う慣習がある一方で、ネパールには生理を”不浄のもの”として扱う習慣や考え方が今も根強く残っています。生理中の女性は一緒に食事をしてはいけない、キッチンで料理をしてはいけない、火を扱ってはならない、祭壇にお参りしてはならない・・・」 生理は、妊娠や出産につながるもので、女性たちのまさに人生に直結している。 松尾さんは今回6人の女性にインタビューして改めて感じたことがある。 神戸大学・国際交流コーディネーター 松尾敬子さん 「生理というと途上国に目が行きがちですが、そこだけを見て全てをとらえたことにはなりません。先進国の女性にも色々な事情がある。快適な生理生活を送れていたとしても、生理のその先、妊娠や出産など、女性という性にまつわる、時に困難なイベントが続く。生理を窓口にすると、社会問題、経済問題、男女平等の問題が見えてくるんです」 松尾さんはこれまでの経験と今回インタビューした内容を1月25日(日)福岡市で講演する。 「世界の生理〜女性たちのリアル〜」 場所はワンビル6階 午後3時〜 無料 (事前申し込みなしの当日入場も可能)
写真は、アフガニスタンのヘラートで2022年4月に撮影したもの。 ヘラートは、国内避難民やイランに逃げていた人が再び戻ってくる帰還民が集まる場所。 後ろに見えているのが難民キャンプだ。 松尾さんによると、UNFPAでは当時、週に一度主に妊産婦を対象に車で医師がまわる「モバイルクリニック」を開設していた。子供を抱きかかえた母親や女性たちが医師の診察を待っている。
RKB毎日放送

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