Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/a0655f1df744d0647811a7059c8a8b633e09bbb7
ライター・須永貴子のネパール滞在記。前編ではわんこ愛好家におすすめしたいネパール旅行のプランとして、ククル・ティハールについて書きました。後編では、数百年間保存されているネワール様式の建物を宿泊施設として再生させた、ヘリテージホテルでの滞在記をお届けします。 【写真】「これぞお金では買えない価値…!」17世紀の“ネワール建築”をユネスコが再生、全8室のプチホテル「Newa Chen」の室内(写真16枚)
築200年の「ネワール建築」に宿泊!旅をしながら社会貢献
ネパールの首都はカトマンズ。カトマンズ盆地一帯がユネスコの世界遺産に選定されている歴史ある古都ですが、ツーリスト向けのホテルが林立しているタメル地区をリサーチをすればするほど「人混みとゴミと大気汚染がきつそうだな……」と黄色信号がちらつき始めます。カトマンズの南側に隣接しているパタンという古都の別名が「美の都」と知った筆者は、「カトマンズにも行こうと思えばバイクタクシーで10分程度で行ける」パタンを拠点にすることにしました。もちろんここも世界遺産です。 パタンでの大きな楽しみのひとつに、「Newa Chen Guest House(ネワ・チェン・ゲストハウス)」での滞在がありました。王宮などが立ち並ぶダルバール広場からわずか150mの場所にあるこの宿泊施設は、17世紀(!)に建てられたネワール建築をユネスコのプロジェクトにより2006年に修復したもの。地元の職人たちの手で、地元の材料を使い、カトマンズ盆地に古くから暮らし、独自かつ高度な文明を築いた民族「ネワール族」の伝統と文化を伝える8部屋のプチホテルとして生まれ変わったのです。 事前にメールでやりとりしていたからか、キャリーバッグを転がしてレセプションに到着した筆者を見て、「Hello! You must be TAKAKO!(タカコだよね?)」と出迎えてくれたフレンドリーなスタッフの笑顔が、旅から数ヶ月経った今も鮮やかに蘇ります。 広々とした部屋は、ネワール様式の意匠はそのままに、モダンなセンスでリノベーションされています。木枠の窓辺に腰を掛けて中庭を眺めていると、スタッフが毎日の祈りを捧げている様子が目に飛び込んできました。ネワールの伝統だけでなく生活も肌で感じることができるゲストハウスです。筆者が泊まった部屋は、スタンダードダブルルーム・1泊朝食付きで9160円(VAT13%込)でした。 このホテルは営利目的ではなく、ソーシャル・エンタープライズ(社会的企業)として運営されています。売り上げは、ホテルの運営資金やスタッフへの給料を除いた全額を、児童養護施設に寄付しているそうです。つまりNewa Chenは、滞在することで社会貢献ができるソーシャル・トラベルを叶えるホテルなのです。 また、ホテル業界の仕事に興味のあるネパールの若者に研修の機会を提供する場所でもあります。英会話のレベルなどはスタッフによって個人差がありますが、みなフレンドリーで一生懸命な姿勢が好印象。筆者の部屋では扇風機が動かないというトラブルがあったのですが、夜シフトの若者が汗びっしょりになりながら解決してくれました。

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