Source: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171102-00000012-wordleaf-asia
11/3(金) 、ヤフーニュースより
ネパールの首都カトマンズにあるダルバール広場。古いチベット仏教建造物の並ぶこの一角は、人気の観光名所でもある。2009年、僕が初めてストリート・チルドレンと遭遇したのがこの広場だった。
◇ ◇
10代後半に成長したビッピンドラは、背は随分伸びたものの、相変わらずグルー(接着ボンド)にまみれた生活だった。それでも、大人になりつつある彼は、心の奥底では将来に不安を感じ始めているようだった。路上生活から抜け出したい、という気持ちはあるのだろう。仲間たちと何度か施設にも入ったが、ひと月もしないうちに路上に戻ってきてしまう。
「施設は合わないんだ。自由がない。俺は食べたい時に食べたいし、遊びたい時に遊ぶ。学校にも行かせてもらったけど、読み書きもできないし、何も分からない。つまらないからすぐに出てきた」
不安はあっても、何をしていいかわからないし、考えたくもないから、グルーを吸って現実から逃避する。毎日がそんな繰り返しなのかもしれない。
◇ ◇
10代後半に成長したビッピンドラは、背は随分伸びたものの、相変わらずグルー(接着ボンド)にまみれた生活だった。それでも、大人になりつつある彼は、心の奥底では将来に不安を感じ始めているようだった。路上生活から抜け出したい、という気持ちはあるのだろう。仲間たちと何度か施設にも入ったが、ひと月もしないうちに路上に戻ってきてしまう。
「施設は合わないんだ。自由がない。俺は食べたい時に食べたいし、遊びたい時に遊ぶ。学校にも行かせてもらったけど、読み書きもできないし、何も分からない。つまらないからすぐに出てきた」
不安はあっても、何をしていいかわからないし、考えたくもないから、グルーを吸って現実から逃避する。毎日がそんな繰り返しなのかもしれない。
朝早く、寝床から出たばかりのビッピンドラをつかまえて、ベンチに腰を下ろした。グルーを吸う前の、頭のクリアなうちに話をしたかったのだ。
「家を出た時は、悲しかった。何度も家に戻りたいとは思ったけど、居場所もない。今は家出をしたことを後悔してる。でももう戻る場所なんてない」
彼の身の上は、酒癖の悪い父親と継母に殴られるという、他の子供たちと似たり寄ったりのものだった。生みの母親はビッピンドラの弟と妹と共に住んでいるようだが、もう何年も会っていない。
「将来、もし教育を受けて、仕事につけたら、母さんと一緒に暮らしたい。だけど、タバコとグルーはやめなくちゃな。でないと一緒に住んでくれないだろうし」
※この記事はフォトジャーナル<ネパールのストリートチルドレン>- 高橋邦典 第50回」の一部を抜粋したものです。
「家を出た時は、悲しかった。何度も家に戻りたいとは思ったけど、居場所もない。今は家出をしたことを後悔してる。でももう戻る場所なんてない」
彼の身の上は、酒癖の悪い父親と継母に殴られるという、他の子供たちと似たり寄ったりのものだった。生みの母親はビッピンドラの弟と妹と共に住んでいるようだが、もう何年も会っていない。
「将来、もし教育を受けて、仕事につけたら、母さんと一緒に暮らしたい。だけど、タバコとグルーはやめなくちゃな。でないと一緒に住んでくれないだろうし」
※この記事はフォトジャーナル<ネパールのストリートチルドレン>- 高橋邦典 第50回」の一部を抜粋したものです。
0 件のコメント:
コメントを投稿