Source: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171217-00000503-san-soci
12/17(日) 、ヤフーニュースより
外国人留学生向けの「就職支援」としてビジネスマナー講座などを実施する東京・神田の研修業者のグループが、「内定保証」「返金保証」などをうたいながら返金に応じないとして、複数の留学生とトラブルになっていることが16日、関係者への取材で分かった。一部で契約料返還を求める訴訟に発展しており、代理人は「無許可で事実上の有料職業紹介事業を行っている」と指摘。業者側は争う姿勢を示しており、訴訟の行方が注目される。
関係者によると、元留学生のネパール人男性は、日本語学校在学中の平成28年にこの研修業者と契約。男性は当時、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で働くために会計系の仕事を探していたところ、業者から「4カ月で満足のいく仕事を探す」「内定後はビザの取得も行う」などと説明を受けたという。
男性は契約料として約50万円を支払い、「内定保証」「返金保証」をうたうコースを申し込んだが、紹介されたのはラーメン店での単純労働などの仕事が2件だけ。想定していた仕事と異なるため断った。
さらに業者から「うちの職員としてビザをとり、仕事探しを続ける方法もある」と言われ、納得できずに返金を要求。業者が応じなかったため今年10月、業者に契約料返還を求める訴訟を東京地裁に起こした。
関係者や内部資料によると、研修業者は「就職支援サービス」として、ビジネスマナー講座や日本語テストを数十万円で提供。23年ごろから事業を開始し、業者が傘下に入るグループは大阪や名古屋にも拠点を持つ。
厚生労働省によると、職業安定法では有料で職業紹介をする場合、許可が必要だが、研修業者は許可を得ていない。契約書面では「職業紹介はしない」と明記し、就職支援の一環として「インターンシップ」を行うとしている。ただ、元留学生の男性の代理人を務める指宿(いぶすき)昭一弁護士は、実際には就職先やアルバイト先として留学生に個別に飲食店やビル管理会社を紹介し、面接などを受けさせている-と主張する。
指宿弁護士は「事実上の有料職業紹介事業」とした上で、「違法な業態を合法的に見せかけ、知識が不十分な外国人を食い物にしている」と指摘。男性の事例について東京労働局にも情報提供した。男性は「職業紹介所だと思って契約したのにだまされた。当時は制度や求職の方法をよく知らず日本語も未熟で、そこにつけこまれた」と憤る。
トラブルは他にも報告されている。今年6月、162校の日本語学校が加盟する全国日本語学校連合会の総会で、この研修業者が傘下に入るグループが議題となった。留学生から「内定が取れなかったのに返金に応じてもらえない」といった相談が複数寄せられているとして、各校が情報交換を行った。
ベトナム人や中国人が数多く在籍する東京都内の学校も、グループと留学生の返金トラブルを把握。フェイスブックで注意するよう呼びかけている。
指宿弁護士によると、訴訟提起を受けて業者側は「請求棄却を求める」とする答弁書を地裁に提出。産経新聞は研修業者に取材を申し込んだが、期限までに返答はなかった。
19日に第1回口頭弁論が開かれる。
◇「日本は稼げる」斡旋業者が横行
政府は平成20年、国際交流を活発にするため「留学生30万人計画」を掲げ、受け入れ拡大を進めてきた。外国人留学生は年々増加し、28年には23万人を突破。一方で制度の目的とは裏腹に「出稼ぎ目的」の留学生が相当数入国しているとみられる。日本語学校関係者は、背景に「悪質な留学斡旋業者の存在がある」と指摘する。
留学生の資格外活動(アルバイト)には「週28時間以内」などの制限があるが、海外の斡旋業者は「日本は稼げる」「留学生として入国すれば問題ない」などと現地の若者に宣伝し日本語学校に紹介。若者らは高収入を期待して来日し、制限時間を超えてアルバイトをしたり、学校から失踪して犯罪を行ったりして、警察当局や入国管理局に摘発されるケースが後を絶たない。
日本語学校関係者によると、元留学生から契約料返還を求める訴訟を起こされた東京・神田の研修業者のグループ関係者も、海外の民間業者が関与する現地説明会で、留学生に「日本に仕事がある」などと説明していたという。
今年1月施行の改正入国管理法では、違法な資格外活動をする外国人の在留資格取り消しを厳格化するなど、偽装滞在者対策を強化。営利目的で偽装を手助けする人物への罰則も設けているが、留学生らを支援する関係者からは「構造的問題は変わらない」との声も上がっている。
関係者によると、元留学生のネパール人男性は、日本語学校在学中の平成28年にこの研修業者と契約。男性は当時、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で働くために会計系の仕事を探していたところ、業者から「4カ月で満足のいく仕事を探す」「内定後はビザの取得も行う」などと説明を受けたという。
男性は契約料として約50万円を支払い、「内定保証」「返金保証」をうたうコースを申し込んだが、紹介されたのはラーメン店での単純労働などの仕事が2件だけ。想定していた仕事と異なるため断った。
さらに業者から「うちの職員としてビザをとり、仕事探しを続ける方法もある」と言われ、納得できずに返金を要求。業者が応じなかったため今年10月、業者に契約料返還を求める訴訟を東京地裁に起こした。
関係者や内部資料によると、研修業者は「就職支援サービス」として、ビジネスマナー講座や日本語テストを数十万円で提供。23年ごろから事業を開始し、業者が傘下に入るグループは大阪や名古屋にも拠点を持つ。
厚生労働省によると、職業安定法では有料で職業紹介をする場合、許可が必要だが、研修業者は許可を得ていない。契約書面では「職業紹介はしない」と明記し、就職支援の一環として「インターンシップ」を行うとしている。ただ、元留学生の男性の代理人を務める指宿(いぶすき)昭一弁護士は、実際には就職先やアルバイト先として留学生に個別に飲食店やビル管理会社を紹介し、面接などを受けさせている-と主張する。
指宿弁護士は「事実上の有料職業紹介事業」とした上で、「違法な業態を合法的に見せかけ、知識が不十分な外国人を食い物にしている」と指摘。男性の事例について東京労働局にも情報提供した。男性は「職業紹介所だと思って契約したのにだまされた。当時は制度や求職の方法をよく知らず日本語も未熟で、そこにつけこまれた」と憤る。
トラブルは他にも報告されている。今年6月、162校の日本語学校が加盟する全国日本語学校連合会の総会で、この研修業者が傘下に入るグループが議題となった。留学生から「内定が取れなかったのに返金に応じてもらえない」といった相談が複数寄せられているとして、各校が情報交換を行った。
ベトナム人や中国人が数多く在籍する東京都内の学校も、グループと留学生の返金トラブルを把握。フェイスブックで注意するよう呼びかけている。
指宿弁護士によると、訴訟提起を受けて業者側は「請求棄却を求める」とする答弁書を地裁に提出。産経新聞は研修業者に取材を申し込んだが、期限までに返答はなかった。
19日に第1回口頭弁論が開かれる。
◇「日本は稼げる」斡旋業者が横行
政府は平成20年、国際交流を活発にするため「留学生30万人計画」を掲げ、受け入れ拡大を進めてきた。外国人留学生は年々増加し、28年には23万人を突破。一方で制度の目的とは裏腹に「出稼ぎ目的」の留学生が相当数入国しているとみられる。日本語学校関係者は、背景に「悪質な留学斡旋業者の存在がある」と指摘する。
留学生の資格外活動(アルバイト)には「週28時間以内」などの制限があるが、海外の斡旋業者は「日本は稼げる」「留学生として入国すれば問題ない」などと現地の若者に宣伝し日本語学校に紹介。若者らは高収入を期待して来日し、制限時間を超えてアルバイトをしたり、学校から失踪して犯罪を行ったりして、警察当局や入国管理局に摘発されるケースが後を絶たない。
日本語学校関係者によると、元留学生から契約料返還を求める訴訟を起こされた東京・神田の研修業者のグループ関係者も、海外の民間業者が関与する現地説明会で、留学生に「日本に仕事がある」などと説明していたという。
今年1月施行の改正入国管理法では、違法な資格外活動をする外国人の在留資格取り消しを厳格化するなど、偽装滞在者対策を強化。営利目的で偽装を手助けする人物への罰則も設けているが、留学生らを支援する関係者からは「構造的問題は変わらない」との声も上がっている。