政府は昨年12月、新制度の目玉として、行政サービスや生活情報の相談に原則11言語で対応する「多文化共生総合相談ワンストップセンター」を全国に約100カ所整備することを打ち出した。法務省地方自治体に対し、多言語対応などに向けた整備費の交付金申請の受け付けを始めたのは2月中旬。補助対象は、47都道府県と20の政令指定市、さらに外国人住民が1万人以上、または5千人以上で全住民に占める割合が2%以上(東京23区は1万人以上で6%以上)の44自治体とした。だが地方議会に諮る時間が足りないなどの理由もあり、申請は37自治体にとどまった。法務省は4月1日の時点で何カ所にセンターが整備されるか明らかにしていない。
 来日する人から多額の保証金を徴収するような悪質な仲介業者の排除についても、政府は2018年度中に、送り出し国として想定されるベトナムフィリピン、カンボジア、中国、インドネシアミャンマー、タイ、ネパールモンゴルの9カ国と協力覚書の締結を目指していた。だが3月29日の時点で締結に至ったのはフィリピン、カンボジア、ミャンマーネパールの4カ国だけだ。(浦野直樹)