2019年4月23日火曜日

外国人材の「受け入れ拡大」スタート…一方で、まだまだ課題も多く

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190416-18340305-kantelev-l27
4/16(火)、ヤフーニュースより
4月14日、大阪市内の会場に集まった様々な国籍の人たち。

外国人労働者の受け入れを拡大する業種の中で、先陣を切って「宿泊業」の試験が始まったのです。

ホテルのフロント業務や、レストランでのサービスについて、筆記と実技の試験が行われましたが…どのような人が、受験したのでしょうか?

【ネパール人留学生】
「専門学校で勉強しても就労ビザを取ることができない(難しい)のでこれを受けた。ネパールより日本の方が安全な国だと思って、日本で働きたい」

【ミャンマー人留学生】
「日本の仕事は、やり方とか厳しいみたいですが、給与もいいです。ミャンマーの基本的な給料と比べたら10倍ぐらい多いと思います」

受験した多くは、専門学校などに通う留学生たち。合格発表は5月に行われますが、実際に働き始めるのは今年の秋以降になる見通しです。

深刻な人手不足を補うため、4月1日に始まった外国人労働者の受け入れ制度。新たな在留資格「特定技能1号」は介護や農業、建設などの14業種が対象で、最長で5年、日本で働くことができます。

さらに熟練した技能を必要とする「特定技能2号」を取得すると、在留期間の上限がなくなり、永住も可能になります。

政府は、今年度だけでも、最大で4万7000人余りの受け入れを見込んでいますが、試験の具体的な日程が決まったのは外食・宿泊・介護の3業種のみ。そのため、当面は試験なしで資格が取得できる「技能実習生」からの移行組が多くを占めるといわれています。

大阪府大東市で金属加工などを手掛ける清水工業。
55人いる従業員のうち、技能実習生を含む、20人がベトナム人です。

【清水工業檜作敏文社長】
「エンジニアの子は、これは鉄板を曲げる機械なんですけど、この機械のオペレーターで活躍してます。ほかでは実習生の子なんですけど、出荷前の梱包の作業をしてくれています。”3K(きつい・汚い・危険)”って言われてましたけどベトナムの子たちが来て仕事が回りだした。正常な状態になってきた」

「技能実習」は、日本で学んだ技術を母国に持ち帰る、いわば国際貢献が目的の制度で、特別な試験に合格しない限り日本で働けるのは3年間です。

今回の法改正で、3年間、日本で働いた実習生は、試験なしで「特定技能1号」に移行できるようになりました。

6月で3年の実習期間を終えるアインさんは、この制度を活用し、日本で引き続き働くことを決めました。

【グエン・トゥアン・アインさん(25)】
「3年間ここで実習しましたが、自分の技能はまだ足りていないと感じています。もっと働く期間を伸ばして、自分の技能を磨きたいと思っています。(日本で働いて)将来、両親に、家と小さな商店を建ててあげたいです」

清水工業では、外国人労働者のために家具や家電付きの社宅を用意し、希望者には、毎朝1時間、日本語を教えています。

新たな制度のもと、できるだけ早く外国人労働者を受け入れたいと考えていますが、「製造業」の分野については試験の具体的な日程も内容も決まっていません。

そのため檜作社長は、ベトナムに帰国した元実習生と連絡をとり「特定技能」として働かないか、打診することにしました。

【清水工業檜作敏文社長】
「そこ(試験内容)がはっきりしないことには、どのレベルの子達が入ってくるのか(分からない)そのレベルが高すぎるとそれをクリアしてくる子自体が分母が小さくなるんで、中小零細には目を向けてくれないのではと不安」

法案の成立からわずか4ヵ月で始まった制度。5年間で34万人もの外国人を受け入れる計画ですが、その準備はまだ整っていません。

外国人がぶつかる「言葉の壁」。医療の現場では深刻な問題です。

【医師】
「きょうは、ちょっと血圧が高め。緊張してますか」

糖尿病の治療で通院しているブラジル出身の矢壁レビさん(54)。
母国の言葉で症状を伝えると…

【医療通訳】
「緊張ではなく、今飲んでいる薬がちょっと効き目が弱い気がします。今週、ずっと(血圧)170とか160とか」
【医師】
「ちょっと(薬を)変えてみます」

レビさんと医師の間で言葉の橋渡しをするのは、医療通訳と呼ばれる専門の職員です。

外国人労働者が多く住む滋賀県甲賀市の病院では、6年前から医療通訳を雇用。
患者は、予約すれば無料で利用することができます。

【ブラジル出身 矢壁レビさん】
「来日して、26年になりますが、いままでの病院では、医療通訳がいなくて、自分の症状がうまく伝えられなかった。ここへ来てから血糖値がすごく高いことも分かりきちんと症状を説明して、治療を行うことができて、ありがたい」

【公立甲賀病院 医療通訳 丸山晴美さん】
「医療用語も難しいし、症状を1つだけでも間違えると、診断も変わりますし、とても大変な仕事だと思います」

この病院では、現在、ポルトガル語とスペイン語、それぞれ1人ずつの医療通訳が、37ある診療科のすべてを担当。

多い日では、1人あたり25件ほどの予約が入るといいます。

【公立甲賀病院 大村寧内科部長】
「外来も(予約が)重なっては待ってもらってる状況(医療通訳は)まだまだほしいところですが、医学的には素人から始まって勉強してるので、負担はものすごく大きいと思う、そういうのを育成する制度(が必要)ですよね」

厚生労働省が行ったアンケートでは、全国で、医療通訳を配置している病院は、半数以下にとどまっています今後、5年間で急速に増えると見込まれる外国人労働者。

業界からの期待の一方、その受け入れ態勢が急がれます。
関西テレビ

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