2018年7月23日月曜日

留学生、福岡経済潤す 波及229億円、屋台の4倍 市外郭団体16年度試算

Source:https://www.nishinippon.co.jp/feature/new_immigration_age/article/434793/
日本語学校や専門学校で学ぶ留学生を福岡市で受け入れる経済波及効果が年間約229億5千万円に上るとの試算結果を、市の外郭団体「福岡アジア都市研究所」がまとめた。福岡名物となっている屋台の約4倍、福岡マラソンの9倍以上に当たるという。政府は外国人労働者の受け入れ拡大へとかじを切る方針で、少子高齢化がより進む地方経済界でも「移民」への関心が高まりそうだ。
 2016年度を対象にした試算で、福岡市では約6300人の留学生が日本語学校や専門学校で学んでいた。約9割がアルバイトをしている計算で、商品・サービス供給面での効果は66億5500万円。需要面は校納金(約95億円)や生活費などの総消費支出(約65億円)で、計約229億5千万円の経済波及効果があったとされる。
 市によると、福岡マラソンの経済波及効果は約25億円(15年推計)、観光資源でもある屋台は約53億円(11年推計)。試算をまとめた報告書は「外国人材の職業教育機能を拡充し、都市の成長、活性化の一要素としていくことは、福岡市だけでなく日本経済にとって重要」と提言する。
 一方で、同研究所は福岡市で急増するベトナム人やネパール人などの留学生にアンケートを実施。計269人の回答を分析した結果、1週間の平均就労時間がベトナム人は32・8時間、ネパール人は34・3時間で入管難民法の就労制限(週28時間)を超えていた。留学目的として「お金を得るため」を挙げる回答も目立った。
 留学生がアルバイト漬けで勉強できず、日本語や技能の習得が不完全になった結果、就職の内定を得ても専門学校の専門と異なり、在留資格を得られなくなってしまう人も少なくない。今回の試算には違法状態で働く「出稼ぎ留学生」の経済波及効果も含まれるとみられ、岡田允・前特別研究員は「途上国の人々が日本で働いて所得を得るための方法が留学しかないことに根本的な問題がある」と指摘する。
=2018/07/22付 西日本新聞朝刊=

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