Source:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180702-00000001-moneypost-bus_all
7/2(月)、ヤフーニュースより
異国での厳しい研修をくぐり抜け、コンビニのレジに立つ外国人店員たち。彼らの姿が日に日にコンビニに増えている背景には、日本人労働者の“コンビニ離れ”もある。コンビニで働く外国人100人以上に取材してきた、『コンビニ外国人』(新潮新書)の著者、芹澤健介さんはいう。
「コンビニの新人アルバイトの時給は、各都道府県の最低賃金(東京なら958円)に限りなく近い。それにもかかわらず、覚えることは多岐にわたり、業務量は過重です。実際、日本人の現役大学生の間では、コンビニでのアルバイトは不人気で、『コンビニは時給が安いから働きたくない』『同じ時給ならカラオケボックスの方が楽だと思う』といった理由で敬遠される傾向にあるのが現状です」
その結果、コンビニでは慢性的な人手不足が起きている。
「東京の世田谷区でコンビニを経営するオーナーいわく、店の前に人員募集の貼り紙をしても、1年間まったく応募がなく、自ら深夜や早朝のシフトに入るよりほかなかったそう。このような状況で、自ら志望してコンビニで働く外国人たちは“金の卵”といえるでしょう」(芹澤さん)
一方、彼らの向学心につけ込んで、無茶な働き方をさせようとする店舗もまれにあったりするという。都内のコンビニで働くネパール人店員は、アルバイトを始めたばかりの頃、深夜や早朝のシフトばかり入れられたと語る。
「入ったばかりでもし文句を言ったら辞めさせられて、学費や生活費が払えないかもしれないと思い、黙ってがまんしました」(ネパール人店員)
前出の芹澤さんが言う。
「現代の日本人は、面倒な仕事や大変な業務を外国人に押しつけて、便利な生活を享受しているともいえます」
また、コンビニで働く外国人の多くは、日本語学校で勉強する留学生だ。
「現在、日本語学校の数は全国で約650校。2017年だけでも80校新設され、ハイペースで増えています。しかしその中で、公立の学校は北海道にある1校だけ。他の学校はすべて私立で、教師や授業のレベルに大きな差があることが問題視されています」(芹澤さん)
例えば、日本語が全く話せない生徒100人に対して教師が1人しかいない、学級崩壊が起きたクラスを教師が立て直せず、学生のほとんどが授業中にポーカー賭博に興じ、前を向いて講義を聞いているのは女子生徒1人だけなど、学校としての体を成していない日本語学校も少なくない。
「日本に来たばかりの留学生はこれらを見分けるすべがなく、わからないまま入学してしまうケースが多い。なおかつ、学費は決して安くない。“国内最安値”をうたう奄美大島の語学学校ですら、初年度にかかる授業料等は約80万円。加えて、生活費を支払うのは留学生にとってかなり大きな負担になります」
高額な学費を支払ったにもかかわらず、まともに授業を受けられない。そのうえ、職場状況も劣悪だとしたら…。日本を選び、夢を持って留学してきた彼らに対して、あまりにひどい仕打ちではないだろうか──
※女性セブン2018年7月5日号
0 件のコメント:
コメントを投稿