Source:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180707-00010003-nikkeisty-life
7/7(土)、ヤフーニュースより
7/7(土)、ヤフーニュースより
写真家のレナン・オズターク氏と取材チームは、幻覚作用があるというヒマラヤの蜂蜜採集の様子を写真に収めた。蜂蜜採りの場所は、なんと断崖だ。オズターク氏のチームは、崖下60メートルのところで、ロープで宙吊り状態になった状態で撮影。今回は、その様子を写真で紹介する。
「これまで危険なクライミングを何度も取材してきたので、今回もさほど深刻にはとらえていませんでした。まさか、あんなことになるとはね」と、米ユタ州出身のオズターク氏は語る。
取材チームは、ヒマラヤオオミツバチ対策を甘く見ていたと認めざるを得なかった。というのも、米国製のハチ防護スーツは何の役にも立たなかったからだ。ヒマラヤオオミツバチは、米国にいるハチの2倍もの大きさで、その針は防護服を軽々と突き抜けて刺してくる。
マウリさんは、防護服やハーネスを着けず、靴すら履かずに崖を登るが、オズターク氏とライターのマーク・シノット氏は、カメラ機材と重さ90キロのロープ、木製の簡易椅子(ハーネスで足の血流を阻害しないため)を担いでいた。
「ロープの重みは本当にきつかったですが、万が一ハチに刺されてアレルギー反応を起こしたとき、すぐに降りられるように、地面まで届く十分な長さが必要でした」
これだけの荷物を背負いながら、マウリさんの仕事ぶりを撮影するためには、宙吊りになった状態で自分の体を安定させなければならない。
「これまで危険なクライミングを何度も取材してきたので、今回もさほど深刻にはとらえていませんでした。まさか、あんなことになるとはね」と、米ユタ州出身のオズターク氏は語る。
取材チームは、ヒマラヤオオミツバチ対策を甘く見ていたと認めざるを得なかった。というのも、米国製のハチ防護スーツは何の役にも立たなかったからだ。ヒマラヤオオミツバチは、米国にいるハチの2倍もの大きさで、その針は防護服を軽々と突き抜けて刺してくる。
マウリさんは、防護服やハーネスを着けず、靴すら履かずに崖を登るが、オズターク氏とライターのマーク・シノット氏は、カメラ機材と重さ90キロのロープ、木製の簡易椅子(ハーネスで足の血流を阻害しないため)を担いでいた。
「ロープの重みは本当にきつかったですが、万が一ハチに刺されてアレルギー反応を起こしたとき、すぐに降りられるように、地面まで届く十分な長さが必要でした」
これだけの荷物を背負いながら、マウリさんの仕事ぶりを撮影するためには、宙吊りになった状態で自分の体を安定させなければならない。
「ロープで宙吊りになって降りていくと、体が勝手にくるくると回り出し、コントロールが効かなくなります。どこか脇に体を寄せて安定させなければならないのですが、時間の余裕もなく、とても難しい作業です」
オズターク氏とシノット氏は、取材を始めてわずか10秒も経たないうちに激しく回り出してしまい、互いを足で蹴り合って体を安定させなければならなかった。
「とても集中できる状況ではありませんでしたが、作業はどんどん進んでしまいます」。オズターク氏は、ハチに30~50カ所刺されたという。「蜂蜜採りは、全ての作業をすばやく効率よくこなせるよう手順があって、それに従います。私たちのように、現代的な道具がそろっているわけではありません」
オズターク氏が最も気を使ったのは、「壁に止まったハエ」になりきることだったという。
「取材相手が十分なスペースを確保できるようにしなければなりません。体に触れたり、仕事の邪魔になるようなことは何ひとつやってはなりませんでした。一歩間違えれば命に関わることですから」
マウリさんとすっかり親しくなったオズターク氏には、これが特に難しかった。マウリさんの自宅で何時間もかけてインタビューを行い、小さな村の畑にもついて行き、語学留学で身に着けたネパール語で会話を交わすこともあった。
「取材が終わるころには、友だちのような関係になっていました。写真家として写真を撮りに来ただけというよりは、同じチームの一員といった感じでした」
帰国してから、オズターク氏は重いハチ毒アレルギーを発症し、病院に運ばれた。
だが、アレルギーが出ようとオズターク氏がネパール行きを思いとどまることはない。過去15年間、ネパールを何度も訪れ、まだ記事にしたいことは山ほどあるという。オズターク氏にとって、全ての障害にはそれ以上の価値があるのだ。
「困難は多いですが、それでも興味をひきつけてやみません。そこでの人々の営みをこの目で見て、記録するのは、困難以上の感動をもたらしてくれます」
オズターク氏とシノット氏は、取材を始めてわずか10秒も経たないうちに激しく回り出してしまい、互いを足で蹴り合って体を安定させなければならなかった。
「とても集中できる状況ではありませんでしたが、作業はどんどん進んでしまいます」。オズターク氏は、ハチに30~50カ所刺されたという。「蜂蜜採りは、全ての作業をすばやく効率よくこなせるよう手順があって、それに従います。私たちのように、現代的な道具がそろっているわけではありません」
オズターク氏が最も気を使ったのは、「壁に止まったハエ」になりきることだったという。
「取材相手が十分なスペースを確保できるようにしなければなりません。体に触れたり、仕事の邪魔になるようなことは何ひとつやってはなりませんでした。一歩間違えれば命に関わることですから」
マウリさんとすっかり親しくなったオズターク氏には、これが特に難しかった。マウリさんの自宅で何時間もかけてインタビューを行い、小さな村の畑にもついて行き、語学留学で身に着けたネパール語で会話を交わすこともあった。
「取材が終わるころには、友だちのような関係になっていました。写真家として写真を撮りに来ただけというよりは、同じチームの一員といった感じでした」
帰国してから、オズターク氏は重いハチ毒アレルギーを発症し、病院に運ばれた。
だが、アレルギーが出ようとオズターク氏がネパール行きを思いとどまることはない。過去15年間、ネパールを何度も訪れ、まだ記事にしたいことは山ほどあるという。オズターク氏にとって、全ての障害にはそれ以上の価値があるのだ。
「困難は多いですが、それでも興味をひきつけてやみません。そこでの人々の営みをこの目で見て、記録するのは、困難以上の感動をもたらしてくれます」
文 Hannah Lang、訳 ルーバー荒井ハンナ、日経ナショナル ジオグラフィック社
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