振り返る2025年：増えるAI専門の教育機関、世界の動向は？ #エキスパートトピ

 Source：https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/73d608d414957d16060806288c63cbcfcf6381d1

南龍太

記者

12/20(土) 6:50、ヤフーニュースより

OpenAI・CEOがテルアビブ大学で講演／Sam Altman, CEO of Microsoft-backed OpenAI and ChatGPT creator speaks during a talk at Tel Aviv University in Tel Aviv, Israel June 5, 2023. REUTERS/Amir Cohen (Israel)（写真:ロイター/アフロ）

2025年も人工知能（AI）をめぐる話題に事欠かない1年となりました。米新興OpenAIのChatGPT、Soraが耳目を集める一方、GoogleのGeminiやAnthropicのClaudeも負けていません。

米国勢の鍔迫り合いが続く中、日本を含むアジアでもAIは着実に浸透。AIは使い方を誤ると他人を傷つけたり、自分が傷ついたりする危険と背中合わせです。そうしたリスクを教えようとAI教育の重要性は高まり、AIについて専門的に学べる大学や学部の新設が相次いでいます。

ココがポイント

延世大学は他の大学に先立ってAI専門人材育成（略）2019年に人工知能大学院を、2021年には学部に人工知能学科を開設
出典：アジア・太平洋地域の科学技術の今を伝えるScience Portal Asia Pacific（科学技術振興機構（JST） ）「アジア・太平洋主要国における人工知能（AI）の政策と研究開発動向」　2025/3/21(金)

新設されるＡＩ大学の下には、ＡＩ学部（ＡＩコンピューティング学科、ＡＩシステム学科）、ＡＸ学科、ＡＩ未来学科が置かれる
出典：동아일보（東亜日報）「ＫＡＩＳＴが来年からＡＩ学部新設　学部生１００人を初募集」　2025/12/12(金)

UAE政府が推進する「AI戦略2031」に貢献（略）大学の研究成果が直接的に国家戦略に貢献する仕組み
出典：Esquire「理想の未来が現実になる場所、アブダビ・マスダール・シティへ【Part.2】」　2025/8/6(水)

ＡＩや宇宙のほか、半導体やロボット、量子科学などの幅広い先端分野（略）と、コンピューター科学を専門とする
出典：読売新聞オンライン「東大が２学部新設の構想、ＡＩや宇宙開発の起業目指す人材育成狙う…卓越大認定の助成金で」　2025/10/12(日)

エキスパートの補足・見解

最初のJSTの報告書には各国・地域のAI分野の研究や教育の現況が詳しく載っています。中でもインドは、国内初のAI学科を擁するインド工科大学（IIT）ハイデラバード校など数多くの事例が紹介されています。

インドのほか、3番目の記事にある、世界初のAI専門大学を謳う2019年設立の「モハメド・ビン・ザイード人工知能大学（MBZUAI）」は日本を含む世界中から学生を集めています。大学院に加え、2025年には学部のプログラムも始動しました。

これらの学部や組織の新設は2010年代末に相次ぎ、AIの胎動をいち早くキャッチし、時流に乗ってきました。

翻って日本では来年4月に和洋女子大学が国内初の“AI”と名の付く学部「AIライフデザイン学部」を設けるほか、東京大学にAI関連学部新設の動きがあり、注目されています。AIと名が付かずとも、日本は国を挙げて「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」に注力、将来の人手不足を見越したAI人材の育成、確保に取り組んできました。

とはいえ、AIを含むIT人材は圧倒的に不足しており、今はインドやネパール、ウズベキスタンといった国々の人手も借りつつ凌いでいるのが実情です。