Source: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180330-00000527-san-bus_all
3/30(金) 、ヤフーニューより
3/30(金) 、ヤフーニューより
世界三大銘茶の1つである「ダージリンティー」の産地で昨秋、大規模なストライキが起き、その余波が続いている。ストの影響から生産者者側の資金難が深刻でボーナス不払いが続出。今の時期からのファーストフラッシュ(春摘み紅茶)の摘み取り作業に影響が出る可能性がある。芳醇な香りで「紅茶のシャンパン」とも言われる銘茶をめぐる混乱は続きそうだ。(ニューデリー 森浩)
■年間生産量9000トン
世界中で愛されているダージリンティーだが、その歴史が始まるのは英国統治時代の1840年代だ。中国から持ち込まれた茶葉が、現在のインド北東部西ベンガル州の丘陵地ダージリンで栽培されたことに始まる。
いまではスリランカのウバ、中国のキーマンと並んで三大銘茶の一角をなす存在で、地域住民の半数が茶関連の仕事に従事しているとされる。
一般的に3月からファーストフラッシュの摘み取りが始まって5月ごろまで続き、6月ごろからセカンドフラッシュ(夏摘み茶)の収穫が始まる。主に日本やヨーロッパ諸国に輸出され、年間生産量は約8500~9千トンに達する。
本来ならば3月下旬となり、ファーストフラッシュの摘み取り作業が活況を迎えつつあるはずだが、今年はやや状況が異なっている。昨年6月から持ち上がった騒動がきっかけだ。
■ベンガル語必修化で大混乱
騒動の発端は西ベンガル州政府が、学校教育でベンガル語の必修化を決めたことだ。決定に対してネパール系住民「ゴルカ」が反発。反対デモが州内で拡大し、治安部隊との衝突で10人以上が死亡し、学校など公共施設が閉鎖される事態となった。
「ゴルカ」の英語発音は「グルカ」。第二次大戦やフォークランド紛争でも活動した勇猛な「グルカ兵」で知られる民族だ。同州では自治区「ゴルカランド」創設を求める動きが根強くあり、1980年には治安当局との衝突で1200人以上が死亡している。
同州の主要言語であるベンガル語教育の強化が、くすぶっていた火種に油を注いだ格好だ。
拡大した騒動のあおりで、地域の主要産業である茶農園が大打撃を受けることとなった。多くのゴルカが労働力として雇用されており、反対デモが大規模なストライキに発展したためだ。ストには最大時で労働者7万人が参加した。
もともと賃金問題などでここ数年、断続的にストは起きていたが、民族としての怒りに後押しされた昨年のストは9月末まで104日間にわたって継続。結果、87農園すべてが影響を受け、ダージリン全体の年間生産量は例年の60%以下に落ち込んだ。
ストが終わっても、雑草が伸びきったことなどにより、すぐに生産を再開させることは困難で、原状復帰には「相当な日数が必要となる」(地元茶協会)とされていた。
■資金確保困難でボーナス不払い…高まる不満
その余波が今年になっても継続している格好だ。
印経済紙エコノミック・タイムズによると、経営が苦しくなった生産者側に対して、投資の格付けが引き下げられたため、生産者側の資金確保が困難になっている。
多くの茶農家で、ボーナス不払いが相次ぐことになり、満足に支給できたのはわずか14にとどまるという。反発した労働組合側はファーストフラッシュの摘み取りに際して、一部の茶畑でストを再開する動きを見せている。
地元茶園労働組合のタクリ委員長は、産経新聞の取材に「ファーストフラッシュは高い値が付くことから、春は非常に重要な時期だ。ストは部分的なものとし、(茶園の経営を)完全に混乱させたくはない」と前置きしつつも、「私たちは昨年の賞与を受け取っておらず、即座に支給することを求めている。茶畑のオーナーたちがすぐ問題を解決することを願っている」と話し、一歩も引く気配を見せていない。
ファーストフラッシュは地元への流通が特に少なく、ほとんどが輸出向けだ。ダージリンやアッサムなどインド各地から多くの茶葉が集まるインド東部コルカタの茶業者からは「既に地元の情報では入荷量減少が予想されている。摘み取りが停滞すれば価格への影響は避けられない」と懸念する声が漏れている。
■年間生産量9000トン
世界中で愛されているダージリンティーだが、その歴史が始まるのは英国統治時代の1840年代だ。中国から持ち込まれた茶葉が、現在のインド北東部西ベンガル州の丘陵地ダージリンで栽培されたことに始まる。
いまではスリランカのウバ、中国のキーマンと並んで三大銘茶の一角をなす存在で、地域住民の半数が茶関連の仕事に従事しているとされる。
一般的に3月からファーストフラッシュの摘み取りが始まって5月ごろまで続き、6月ごろからセカンドフラッシュ(夏摘み茶)の収穫が始まる。主に日本やヨーロッパ諸国に輸出され、年間生産量は約8500~9千トンに達する。
本来ならば3月下旬となり、ファーストフラッシュの摘み取り作業が活況を迎えつつあるはずだが、今年はやや状況が異なっている。昨年6月から持ち上がった騒動がきっかけだ。
■ベンガル語必修化で大混乱
騒動の発端は西ベンガル州政府が、学校教育でベンガル語の必修化を決めたことだ。決定に対してネパール系住民「ゴルカ」が反発。反対デモが州内で拡大し、治安部隊との衝突で10人以上が死亡し、学校など公共施設が閉鎖される事態となった。
「ゴルカ」の英語発音は「グルカ」。第二次大戦やフォークランド紛争でも活動した勇猛な「グルカ兵」で知られる民族だ。同州では自治区「ゴルカランド」創設を求める動きが根強くあり、1980年には治安当局との衝突で1200人以上が死亡している。
同州の主要言語であるベンガル語教育の強化が、くすぶっていた火種に油を注いだ格好だ。
拡大した騒動のあおりで、地域の主要産業である茶農園が大打撃を受けることとなった。多くのゴルカが労働力として雇用されており、反対デモが大規模なストライキに発展したためだ。ストには最大時で労働者7万人が参加した。
もともと賃金問題などでここ数年、断続的にストは起きていたが、民族としての怒りに後押しされた昨年のストは9月末まで104日間にわたって継続。結果、87農園すべてが影響を受け、ダージリン全体の年間生産量は例年の60%以下に落ち込んだ。
ストが終わっても、雑草が伸びきったことなどにより、すぐに生産を再開させることは困難で、原状復帰には「相当な日数が必要となる」(地元茶協会)とされていた。
■資金確保困難でボーナス不払い…高まる不満
その余波が今年になっても継続している格好だ。
印経済紙エコノミック・タイムズによると、経営が苦しくなった生産者側に対して、投資の格付けが引き下げられたため、生産者側の資金確保が困難になっている。
多くの茶農家で、ボーナス不払いが相次ぐことになり、満足に支給できたのはわずか14にとどまるという。反発した労働組合側はファーストフラッシュの摘み取りに際して、一部の茶畑でストを再開する動きを見せている。
地元茶園労働組合のタクリ委員長は、産経新聞の取材に「ファーストフラッシュは高い値が付くことから、春は非常に重要な時期だ。ストは部分的なものとし、(茶園の経営を)完全に混乱させたくはない」と前置きしつつも、「私たちは昨年の賞与を受け取っておらず、即座に支給することを求めている。茶畑のオーナーたちがすぐ問題を解決することを願っている」と話し、一歩も引く気配を見せていない。
ファーストフラッシュは地元への流通が特に少なく、ほとんどが輸出向けだ。ダージリンやアッサムなどインド各地から多くの茶葉が集まるインド東部コルカタの茶業者からは「既に地元の情報では入荷量減少が予想されている。摘み取りが停滞すれば価格への影響は避けられない」と懸念する声が漏れている。
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