2026年9月21日月曜日

9.11の犠牲者を25年ぶりに特定した注目の手法とは? ネパール土石流災害の身元確認にも生かせるか #エキスパートトピ

 Source:https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/a5203e3ea96094adc110b7af5347e5314e63ad7f

在米ジャーナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

2001年9月11日のアメリカ同時多発テロからまもなく25年。

ニューヨーク市では今も、グランドゼロで死亡した約3000人の犠牲者の身元確認が続いている。今回、ニューヨーク市の主任検視官事務所と市警は初めて、DNA鑑定と家系図調査を組み合わせる「遺伝系譜学」によって、犠牲者の身元を特定した。新たに確認されたのは成人女性で、正式に身元が判明した犠牲者は1654人目となった。25年前には存在しなかった「遺伝系譜学」という新たな手法が、長年、身元不明だった犠牲者を家族につなぐ突破口となっている。

ココがポイント

(前略)DNA鑑定と家系図調査を組み合わせた遺伝子系譜学を用いて、9.11テロの犠牲者1人の身元を初めて特定した。
出典:Switch news 2026/8/27(木)

(前略)収容された遺体は900人以上。そのうち身元が判明したのは30日時点で34人にとどまり、全体の3%超にすぎない。
出典:時事ドットコム 2026/8/31(月)

(前略)identified a 9/11 victim using genetic genealogy(後略)
出典:ABC News 2026/8/24(月)

エキスパートの補足・見解

「遺伝系譜学」は、現場から回収したDNAを解析し、遺伝的に関連する人物を遺伝子データベースなどから探し出した上で、親族関係を辿って家系図を構築し、容疑者を絞り込む手法で、長年未解決の殺人事件の犯人を特定する手法としても注目されている。その代表例が、カリフォルニア州で1970~80年代に強姦や殺人を繰り返した「ゴールデン・ステート・キラー事件」だ。犯人のDNAは犯罪者データベースでは一致するものがなかったが、系譜学データベースで遠い親族が見つかった。捜査員はそこから家系図を辿って犯人候補を絞り込み、DNAを照合して、犯人逮捕に至った。

この手法は大規模災害の犠牲者の身元確認にも応用できる可能性がある。ネパールの土石流災害では千人以上が死亡、4千人超が行方不明となっている。遺体が回収されているものの、損傷や腐敗などから特定が難航し、身元不明の遺体については、将来の確認に備えてDNA情報を保存する方針も示されている。

9.11の犠牲者を特定したDNAと家系図を組み合わせる「遺伝系譜学」は、ネパールのような大規模災害で遺体の身元確認ができない場合にも、犠牲者を遺族のもとに帰す新たな手段になる可能性があるのではないか。


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