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今年はNHK連続テレビ小説『虎に翼』で主人公の寅子の最初の夫・優三を演じ、世の中に優三ロスを引き起こした仲野太賀さん。現在、宮藤官九郎さん脚本のドラマ『新宿野戦病院』に出演中。 【画像】「『虎に翼』優三役の反響は…?」という質問に答える仲野太賀さん。 小さい頃から多くのドラマや映画を観てきた仲野さんは、面白い作品を見抜く嗅覚も鋭い。俳優業について、2026年の大河ドラマ『豊臣兄弟! 』の主演についての思いも語ってくれた。
毎日笑いを堪えるのに必死!
――ドラマ『新宿野戦病院』は予想外の展開が広がり、毎週楽しみに拝見しています。現在(取材時)、撮影真っ最中だそうですが、現場はいかがですか? ありがとうございます。宮藤官九郎さんの脚本で、素晴らしいキャストの方々と共演できて、撮影は楽しいです。お芝居の上手な方ばかりなので、毎日笑いを堪えるのに必死です(笑)。 ――仲野さんが出演された宮藤さんのドラマ『ゆとりですがなにか』もそうでしたが、DVや育児放棄、移民や格差の問題など、さまざまな社会的なテーマが盛り込まれていますね。 社会問題をドラマに落とし込むのはセンシティブでもありますし、大変なことだと思います。ユーモアをたくさん交えながら、医療エンターテインメントにするなんて、宮藤さんにしかできないことなんじゃないかなと尊敬します。 世の中にある物語の大半は、そういう問題は「ないもの」として描かれていると思いますが、宮藤さんは「あるもの」として描いていらして、それは誠実な姿勢なのではないかなと思います。毎回脚本をいただくと、宮藤さんの覚悟や気迫のようなものを感じて、感動しながら読んでいました。 ――NHK連続テレビ小説『虎に翼』の優三さん役も素敵でした。反響も大きかったのではないでしょうか。 はい。ありがたかったです。本当に素敵なドラマなので、関われてよかったなと思います。
「こんな俳優になりたい」という目標は?
――仲野さんの出演作は舞台も映像も面白いものばかりで、セレクトが素晴らしいなといつも思うのですが、脚本を読んでから決めていらっしゃるのですか? そう言っていただけるのはとても嬉しいです。僕にとって大事なのはどなたとご一緒するかなんですよね。映画もドラマも演劇も、僕自身が観ることも大好きなので、素敵だなと思う作家さんや演出家さんとお仕事させていただくことがモチベーションになっていますね。 ――映画『笑いのカイブツ』や『熱のあとに』も観た後にガツンとくる力強い作品でした。きっと「太賀くんが出るから観てみよう」と思われた方も多いと思います。仲野さんはカルチャーの全体の底上げに貢献されているように感じます。 めちゃくちゃ嬉しいです! 各部署のなかで、俳優部は、映画、演劇、ドラマを横断できる役割なので、「自分が出ているから観たい」と思ってもらえるような俳優になりたいと昔から思っていました。そうして、一人でも多くの方に面白い作品に出会ってもらえたらと思います。 ――そして、2026年にはNHK大河ドラマ『豊臣兄弟! 』の主演を務められるとのこと、おめでとうございます! ありがとうございます! ――これからますます大作のオファーが殺到すると思うのですが、今後も面白いと思えば、小さな作品にも出演されますか? もちろんです! そもそも、作品の大きさを気にするタイプではないです。話題作だから、有名な方が出演されるからということで心動かされることもあまりありません。観る側としても、作品の大小に関係なく面白いものを観たいと思っていますし、面白い作品に出たいですね。 ――大河ドラマの主演には、演技力だけでなく、1年半近くチームの中心として、「この人のためなら頑張れる」と思われるような人が選ばれるように思います。プレッシャーは感じませんか? プレッシャーを感じようとすれば、いくらでも感じるポイントはあります(笑)。ただ、プレッシャーを感じたところで何も良いことはないと思っていて……。だから、あまりそこに焦点を合わせないようにしていますし、こんなことを言っていいのかわからないですけど、「なんとかなるだろう」とどこかで思っているところがあります。
「なぜ、夢を叶えられたのだと思いますか?」への答えは
――座長としてこうあらねば、というような思いはありますか? 今まで何回か主役をやらせていただいたことはありましたが、僕は主演としての振る舞いにこだわったことがあまりないんです。こだわっていない僕を選んでくださったわけだから、「オレは大河の主役だ!」みたいなことは求められていないのかなという気がします。これまでの僕を知っている人が、現場でそんな僕を見たら驚かれそうですし(笑)。いつも通りにしていればそんなに悪い雰囲気にもならないかなと。 ――仲野さんはコミュニケーション能力の高い方ですしね。 割とオープンマインドなタイプなので、いつも通りにしていた方が、周囲もリラックスしてやってくれるのかなという感じもしています。 もちろん、何かトラブルが起きたときに、自分が前に出て言わなきゃいけない役回りになることもあるかもしれませんが、そのときは提案できることがあればしようと考えています。でも、まだ撮影まで1年あるので、現場のことまで考えてはいないです(笑)。 ――Audibleの「仲野太賀のポッドキャスト」では、アラスカやネパールのランタン谷など、辺境を旅された様子などを楽しく語っておられます。お仕事がお忙しいから、何もない自然に触れてバランスをとっていらっしゃるのでしょうか? シンプルに旅が好きなんですよね。旅に行って、見たことのないものに触れたり、やったことのないことをするのがもともと好きです。東京にいても、新しい発見を探してしまう自分がいます。旅で知らないことに出会うと五感が活性化して、栄養をもらったように感じます。自然はコントロールの効かないことばかりなので、それを全身で浴びるのがすごく好きですね。 ――では、旅先のちょっとしたトラブルも楽しめますか? はい。楽しめちゃうタイプです。 ――忙しいなかでも、行きたいところに行き、仕事ではリスペクトする方々と次々に作品でタッグを組まれて、大河の主演も決まり、着実に夢を叶えていらっしゃるように見えます。 そうですね……確かに。 ――なぜ、夢を叶えられたのだと思いますか? 仕事に関しては、それなりに貪欲だったことと、やっぱりこの仕事が好きだということが根本にある気がしますね。 ――岩松了さんや宮藤官九郎さんなど、多くの俳優さんがご一緒したいと思うクリエイターの方から何作も声がかかるというのは、それだけ結果を残し、次も組みたいと思わせる魅力をお持ちということです。ますます面白い作品にたくさん出演し続けてください! ありがとうございます。舞台『峠の我が家』を楽しみにしていてください。『新宿野戦病院』もぜひ最後まで観てください! 仲野太賀(なかの・たいが) 1993年生まれ、東京都出身。2006年俳優デビュー。21年の映画『すばらしき世界』で日本アカデミー賞優秀助演男優賞、ブルーリボン賞助演男優賞、22年にエランドール賞新人賞を受賞。最近の主な出演作に映画『笑いのカイブツ』『熱のあとに』『四月になれば彼女は』(全て24年)、ドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ 22年)、『いちばんすきな花』(フジテレビ 23年)、『虎に翼』(NHK 24年)など。『新宿野戦病院』(フジテレビ)に出演中。映画『十一人の賊軍』が11月1日、『本心』が11月8日に公開。
黒瀬朋子
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