Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/6e1d400f4808fd220965f1d71cfa51d0852a5bfd
ビダ、ネパール、9月1日 (AP) ー ヒマラヤ山脈の麓ネパールの中央部を流れるトリスリ川沿いに形成された広大な峡谷にある中学校で、校長を務めるラジェンドラ・ダワディ校長が教室にいたとき、会計係が飛び込んできて洪水がトリスリ渓谷を襲い、家屋や橋、集落全体を破壊していると警告した。 続いて、別の教師が電話で警告を受けた。その直後、保護者が子どもを引き取るために到着した。危険はまだ確認されていなかったが、ダワディ校長には躊躇している時間はなかった。校長は学校の鐘を鳴らし、生徒と職員に校舎を出て高台へ向かうよう命じた。「直ちに休校にし、(子どもたちを退避させる)決断をした」と同氏はAP通信に語った。 校長が子どもたちを追って近くの丘に向かうと、背後で増水した水が迫っていた。かつて自らが学び、長年教鞭を執ってきた校舎が、水、泥、巨岩、がれきの濁流に飲み込まれていくのを、ダワディ校長は避難先の高台から見守った。職員2人が逃げ遅れ、行方不明となっている。 ヒマラヤ山脈での氷河崩落によって発生した先週の壊滅的な鉄砲水から、ダワディ校長の避難判断は少なくとも900人の生徒の命を救った。この災害により、ネパールと中国全体で900人以上が死亡し、4,700人以上が行方不明となっている。 ネパールが大惨事に見舞われる中、ダワディ校長の物語は先見の明と勇気の象徴的な例として浮上している。 ネパール中北部のトリスリ峡谷にあるトリブバン・トリスリ中等学校には1643人の生徒が在籍していた。当日の朝は少なくとも900人が登校しており、一部の生徒はまだ登校途中だった。ダワディ校長はすでに学校にいた生徒たちに退避を命じ、バスの運転手に電話をかけて安全な場所でのみ停車するよう指示した。 生徒を乗せた1台のバスがすでに学校に到着していたが、ダワディ校長は運転手に引き返すよう伝えたという。バスが新しく建設された橋を渡った直後、その横にあった古い橋が崩落した。 ダワディ校長にとって、被害の大きさは私的な痛みでもある。この学校は職場であると同時に、人生の大きな部分を占めていたからだ。 「言葉もありません。わが校で教育を受け、わが校で教育を授けてきました」と同氏は語った。 ダワディ校長の学校の倒壊は孤立した被害ではない。 ネパール北部全域で、洪水により何千人もの子どもたちが教室を失い、教育が中断され、何カ月もの就学機会が失われることが懸念されている。支援団体セーブ・ザ・チルドレンは声明で、ネパール北部で少なくとも69の学校が全壊し、約1万9,000人の生徒の教育が危機に晒されていると発表した。 災害時におけるダワディ校長の迅速な思考と対応は、英雄的行為として称賛されている。数日後に学校の跡地へ戻った際、保護者たちは同校長を抱きしめ、子どもたちの命を救ってくれたことに感謝した。 「保護者たちは私を抱きしめ、共に泣きました」と校長は語った。「感動していました」。 生徒のスビナ・タマンさん(14)は、全生徒が避難を完了した直後に、3階建ての校舎が押し流されたと語った。「会ったら、命を救ってくれたお礼を言いたいです」と彼女は述べた。 しかし、ダワディ校長は英雄としての役割を受け入れることに気乗りしていない。校長にとって、生徒を救うことは責任だった。ダワディ校長は現在、生徒たちには心理的なカウンセリングが必要であり、一時的に学校を移転してでも授業を再開しなければならないと語る。 同校長のネパール政府に対する要望はシンプルだ。学校を再建し、子どもたちを授業に戻すことだ。 (日本語翻訳・編集 アフロ)

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