Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/3d4abb7290a8f482f32cfebb56d01ea7b953db88
国際家事労働者連盟の地域コーディネーター 「アジアの移住家事労働者」の現状を発表
「韓国政府には、今回のモデル事業を推進するにあたって国民、市民社会団体、移住民団体、労働組合と十分に対話したのか問いたい。市民社会団体や労働組合の参加がないと、(結局は)問題が発生するでしょう」 国際家事労働者連盟(IDWF)の地域コーディネーターを務めるフィッシュ・イプさん(48)は19日、ソウル大学国際学研究所の「国際移住と包容社会センター」(CTMS)が開催したオンライン講演で、「アジアの移住家事労働者」の現状を発表した際に、9月から韓国に初めて導入されるフィリピン移住家事手伝いモデル事業に懸念を表明した。2013年に設立されたIDWFは、全世界の家事労働者の権利を増進するために集まった労働者の団体で、68カ国の88の団体、67万人以上の家事労働者をメンバーとしている。 イプさんは、韓国にやって来る移住民家事労働者にとって最も懸念される問題として「労働条件」をあげた。イプさんは、「労働者にとっては、韓国にやって来れば適切な情報を提供してもらえるのか、虐待と搾取にさらされずに働けるのか、虐待に直面した際にはどこに助けを求められるのかが最も重要だ」とし、「私たちは、このモデル事業には労働組合や市民社会団体、移住民団体がかかわることが必要だと考える」と語った。 最近の移住民家事労働者の「低賃金問題」の本質は、韓国社会における子育ての公共性の不足にあるとも主張した。イプさんは、「家事労働者を雇用する人々は草の根の労働者であり、家事労働者の賃金問題は不幸にも国民をケアすべき政府がその責任を果たしていないから発生する」とし、「韓国は非常に低い出生率を示しているのに、政府は子育てサービス提供に投資せず、国民自らに子育てを押し付けることで、国民が家事労働者の安い労働力を求めるように仕向けている」と述べた。 イプさんは、移住民家事労働者に許された6カ月という滞在期間も労働条件に影響を及ぼすと指摘した。今回導入されるフィリピン人家事手伝いは雇用許可制短期ビザ(E-9)で入国し、2025年2月までの6カ月間、ソウルで働くことになる。イプさんは、「6カ月は本当に話にならないほど短い期間であり、移住労働者を非常に脆弱にすることで、組織化も難しくする」とし、「移住民家事労働者を受け入れる国のためにも、期限を延ばす方向が正しい」と語った。現在、日本は移住民家事労働者に3年契約を結ぶことを認めており、台湾では3年契約で最大21年まで働ける。香港では2年契約を無期限に延長できる。 国際労働機関(ILO)は、移住民家事労働者は全世界に約1150万人ほどいると推定しているが、非公式見解としてはそれよりはるかに多いとしている。アジアでは主にフィリピン、インドネシア、タイ、ネパールなどの若い女性たちが、家族の扶養などを理由に国外で家事労働に従事している。今年下半期からソウル地域に移住民家事労働者を試験導入する韓国は、来年には規模を大幅に拡大する方針だ。政府はフィリピン家事労働者モデル事業の他にも、最低賃金法をはじめとするほとんどの労働関係法が適用されない「家事使用人」方式で、移住民家事労働者の雇用を拡大する方針だ。 ユン・ヨンジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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