Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/d952e4bd8869caf7f51af0051e3972c44320f5ce
“世界の屋根”と呼ばれるヒマラヤ山脈に抱かれたネパール。夏休みに「神秘の国」を巡るのは、一家にとって一大イベントだったに違いない。
共働きの両親は、やんちゃ盛りの子ども3人と過ごす時間を楽しみにしていたはず。もちろん、子どもらも心を躍らせていただろう。 そんな5人家族が、8月26日の朝以降に行方不明となった。ほぼ同じ時刻、世界を震撼(しんかん)させた大規模な土石流が発生。一家は中国チベット自治区からネパールに入国し、現地で運転手と合流した直後、連絡が途絶えたのだった。 日本の外務省や大阪府、ネパール観光当局などによると、5人は大阪在住の一家とみられている。 両親は共に41歳で、父親は府立支援学校の教諭、母親は福祉関係のNPO法人の運営にた携わっていた。長女(10)と長男(6)は市立小学校に通っており、次男(3)は幼稚園に入ったばかりだ。 一家と交流のある女性が明かす。 「ご夫婦とはずいぶん親しくさせてもらってました。二人は大学時代に出会って結婚されたそうでね。旦那さんは支援学校の先生だからか、気さくで話し上手。奥さんも快活な方で、いつも仕事で忙しそうにしてはりました」
「ほんまに仲の良い家族」
女性が続ける。 「ほんまに仲の良い家族なんです。娘さんは下の子たちの面倒を一生懸命に見てるんやけど、たまにすねる。“なんで? 我慢すんのは私だけ?”って。これがまた、かわいいんです。長い休みにはよく旅行に行ってはったんやけどね。帰ってきたら、奥さんや娘さんが“どこそこに行ってきたよ〜”って話を聞かせてくれたんですよ」 少し前にはハワイや台湾、最近では「ジャングリア沖縄」にも出かけていたのだとか。 一家の子どもが通う市立小学校の保護者が語る。 「お父さんの勤務先がご自宅から近く、お子さんとの時間がつくれていたようです。平日の夕方でも、お宅の前で自転車に乗ったりボールで遊んだりして、うらやましく見てました。どっちかいうたら、奥さんの方が長い時間、外で働いていたみたい。7年前に自分が立ち上げたNPO法人があったし、ほかにも、障害者支援の仕事をされてましたから」 NPO法人の関係者によれば、 「うちでは子どもの絵を、バッグやお弁当入れといった身近な日用品に刺繍(ししゅう)するサービスを運営していました。法人の設立者である彼女は、昨年から大阪市内にある株式会社の役員として、障害者の就労継続支援事業所の経営にも精を出していた。事業所は3カ所あるため、かなり忙しかったと思います」
「胸が張り裂けそう」
母親は、その状況下で休暇を調整して家族とネパールへと向かったのだ。 「まだ行方不明の状態なのに、9月5日に突如、株式会社の女性代表が“事業所すべてを閉所する”との声明を出したと耳にしました。なんでも、その理由は“役員である彼女しか経営状態を把握していなかったので閉める”とのこと。事業所の利用者やその家族、従業員のあいだに“あまりに急な話で、今後はどうしたらいいのか”といった困惑が広がっているそうです」(前出の関係者) 冒頭の女性が涙まじりに話す。 「ご夫婦は共に障害者支援に取り組み、3人のお子さんとも、きちんと向き合っていた。そんな素敵な家族がもし被害に遭っていたらと思うと……。胸が張り裂けそうです」 一家の自宅前には、5人の帰りを待つかのように、子ども用の自転車やバケツが置かれている。 「週刊新潮」2026年9月17日号 掲載
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