Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/e5a2ee591ddd61b8bfbc37e836e5de53eed2be13
アンソロピック(Anthropic)の研究者が「10年以内にAIが全人類を滅亡させる可能性が10%以上ある」と警告して以来、同調する意見が次々飛び出し、世界的な議論を呼んでいる。 【全画像をみる】「人間らしい生活を送れるのは、あと200〜300年程度」宇宙飛行士・毛利衛さんが環境危機時計で示した強い危機感 だが、実はもう1つ、ほぼ同じタイミングで人類存続の危機に警鐘を鳴らす発表があった。旭硝子財団が1992年から毎年行っている「環境危機時計」調査の結果だ。 環境危機時計とは「地球環境の悪化に伴って、人類の存続がどの程度危機にさらされているのか」を時計の針で表す取り組みで、12時に近づくほど危機感が強いことを示す。世界各国の有識者に毎年アンケートを実施し、全回答を加重平均して「その年の時刻」を決定する。 35回目を迎えた今年は123カ国1464人が回答し、9月8日、日本科学未来館(東京都江東区)で報告会を開催。2026年は2年連続の悪化となる「9時39分」と発表された。 AIによる人類滅亡も深刻だけれど、それだけじゃない。旭硝子財団が1992年から行ってきた環境危機時計。科学者で宇宙飛行士の毛利衛さんは、環境悪化による人類の存続について「不安どころか危うい」「地球で人間らしい生活を送れるのは、あと200〜300年くらいしかないのではないか」と警鐘。 pic.twitter.com/WTE5gTZ1le — 湯田 陽子@Yoko Yuda (@YokoYuda) September 14, 2026
「新たな感染症に人間は対応できるのか」
環境危機時計は、0時1分から12時までを3時間ごとに「ほとんど不安はない」「少し不安」「かなり不安」「極めて不安」の4段階に区分。今年は「9時30分」で、2001年から26年連続の「極めて不安」という危機意識を、世界の有識者が抱いている結果となった。 だが、この日さらに強い危機感を示したのが、宇宙飛行士で日本科学未来館初代館長でもある毛利衛さんだ。 この日講演を行った毛利さん自身が考える環境危機時計に刻まれていたのは、なんと「11時34分」。毛利さんは「不安どころか、危うい状況に差し掛かっている」と語り、最も危機感を抱いた理由として「地球の人口」を挙げた。 「私が1992年に初めて宇宙に行った時の世界人口は55億人でしたが、2回目の2000年にはすでに61億人になっていた。それから26年経ったいま、83億人を超えています。ここまで急増したことを踏まえると、このまま増え続けることはあり得ない。おそらく2050年くらいから急激に減るのではないでしょうか」(毛利さん) その兆しはすでに現れているという。 「人間同士の争いやウイルスによる感染症。人間が細菌に勝てるうちはいいですが、実は彼らのほうが人間よりずっと昔から地球を知っているし、すでに抗生物質の効かない細菌も出てきている。さらに新しい感染症が生まれたとき、私たちは対応できるのでしょうか」(毛利さん) 感染症増加の一因が気候変動や温暖化であることは、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)や世界保健機関(WHO)をはじめ世界の主要な科学機関も指摘している。そうしたさまざまな要因を考えると、「地球で人間らしい生活を送れるのはあと200〜300年程度ではないか」との見解を示した。
「分断を煽らない」国のリーダーを選ぶ重要性
この「私の環境危機時計」は、当日特別対談を行った気候科学者の江守正多さんと登山家でタレントの野口絵子さんも発表した。2人の時刻は偶然にも、「極めて不安」まであと6分という「8時54分」だった。 江守さんは、世界の有識者より楽観的な時刻にはなったものの、「社会経済の現状に対してかなりの危機感を持っている」と発言。一人ひとりができる取り組みとして「まずは国際的に協力するような国のリーダーを選ぶこと」だと指摘した。 「社会の雰囲気が分断に向かって行かないように、一人ひとりが自分の周りとコミュニケーションをとってなるべく分断を煽らないように気をつけること。それが非常に大事じゃないかと思う」(江守さん) 8歳のときからアルピニストの父・野口健さんに連れられ登山を始めた野口絵子さんは、8月26日にネパールで起きた洪水について、父が訪れたことのある場所だったと明かし、こう語った。 「もう20年も前から、地球温暖化によって(氷河が融解してできた)氷河湖の決壊が起こると警告されていたし、私が山に行くようになった時から、父は氷河湖がどんどん広がって、それがいつか決壊したら村ごと流されて大きな災害につながると言っていました」(野口さん) 実際、自身が訪れたネパールの村も2年前に氷河湖の決壊で流されたことで、その警告がよりリアルになったという。 また、2000〜2016年に融解した氷河の量は1975〜2000年の量の2倍となっており、融解のスピードが加速していると指摘。 「私たち人間が自然とともに共存できるエリアが徐々に減っていくという危機意識がかなり高い」と語る一方で、大学時代に始めた食育の活動を通し「自然にはもとに戻る力があると感じているから、まだ(対策が)遅いとは思いたくない。まだ社会で起こせるアクションもある」と訴えた。
湯田陽子

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