ケンタッキー州の司法長官がRobloxを提訴。背景には“764”という危険なテロ組織の存在

 Source:https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/180e5bdd9c9be938b3a2b537c209adedbe795d98

武者良太ガジェットライター

10/8(水) 9:59、ヤフーニュースより

筆者キャプチャ

「Robloxは現在でも、子供を狙うグループの温床になっている」―そう指摘するのは、ケンタッキー州司法長官のラッセル・コールマン氏です。彼は「Robloxが子どもの安全を守る責任を怠っている」として、同社を相手取り訴訟を起こしました。

この問題は以前から存在するもの。特に2025年8月には世界的な話題となりました。

子どもを守るのは誰の役目か？ いま、Roblox史上最大の炎上事件が起きている

今回、改めて記事にする理由は、コールマン氏の訴状に「extremist sextortion group 764（764と呼ばれる過激派的性的恐喝グループ）」という名前があったこと。

‘Playground for predators’: Roblox sued by Kentucky AG over child sex abuse allegations（14NEWS）

764 (organization)（Wikipedia）

僕はこのニュースで初めて“764”という存在を知りましたが、調べてみるとかなり深刻な内容でした。

764は、RobloxやDiscordなどのオンラインの場で子どもたちに近づき、不適切な写真や動画を送らせ、それを材料に脅すという卑劣な手口を使う国際的な犯罪グループです。アメリカだけでなく、ヨーロッパやアジアにも活動を広げていて、FBIや司法省がテロ組織に近い存在として捜査を続けているとされています。

実際、2025年4月にはアメリカ司法省が764の中心人物2人を逮捕・起訴したと発表しました。名前は「War（ウォー）」ことレオニダス・ヴァラジアニス（21歳、ギリシャ出身）と、「Trippy（トリッピー）」ことプラサン・ネパール（20歳、ノースカロライナ州在住）。被害者の多くが13歳前後の子どもだったとされ、彼らは被害者に自傷行為や暴力を強要していたと報じられています。

Leaders of 764 Arrested and Charged for Operating Global Child Exploitation Enterprise

しかし彼らが捕まったあとも、グループの動きは完全には止まっていません。いくつかの小さなグループに分かれて、今もインターネット上で活動を続けていると見られています。

2025年8月には、カリフォルニア州ロサンゼルス郊外のダウニーで、764のメンバーとみられる男性が児童ポルノ所持の疑いでFBIに逮捕されました。FBIによれば、764は「子どもに自傷行為や暴力を強要する危険な思想的集団」として捜査が続いています。

Downey Man Suspected of Membership in the 764 Nihilist Violent Extremist Group Arrested for Possession of Child Pornography

そしてケンタッキー州司法長官のコールマン氏は、州内の男性が764に関与し児童搾取罪で有罪を認めたと説明しました。この発言は、Roblox提訴の訴状や記者会見でも引用され、訴訟の背景として挙げられています。

Roblox側もAIや数千人のモデレーターによる24時間体制の監視を強調し、対策を進めているとしています。

しかし気になるのは、子どもに悪意を向ける思想をもつ犯罪グループが、現実に存在しているということ。

その脅威は、私たちが思うよりもはるかに身近な場所に潜んでいるのかもしれません。