偏見乗り越えて大舞台に ネパールの子どもたちに柔道を教えた日本人

 Source:https://www.asahi.com/articles/ASTCJ25FCTCJOXIE04VM.html

大下美倫2025年11月16日 17時00分、Googleニュースより

　デフリンピック東京大会の柔道に、ネパール選手2人が出場した。現地でろう学校の生徒らに柔道を教え、チームの大会派遣に奔走したのは、1人の日本人。観客席から教え子たちの姿を見つめた。

観客席から、試合に臨むススマ・タマン選手にエールを送る古屋祐輔さん=2025年11月16日午前10時12分、東京都足立区の東京武道館、大下美倫撮影

　16日、東京武道館（東京都足立区）で始まった柔道。女子52キロ級のススマ・タマン選手（19）、男子60キロ級のラッキー・チョウダリ選手（18）が畳に立つ姿を見て、2人に柔道を教えた古屋祐輔さん（39）は観客席でつぶやいた。「いつの間にか、自分よりも大きく、強くなっていたんだな」

　古屋さんはネパールに住む写真家。学生時代、ネパールを旅行した時にひょんなことから孤児院を2週間ほど訪れ、競技経験もない柔道を子どもたちに教えた。以来、ネパールのとりこに。卒業後は日本のろう学校などの教員を務めたが、2017年にネパールに移住し、日本の柔道家を呼んで子どもたちに教えるといった活動をしていた。

　ある時、首都カトマンズで開催された柔道大会に、現地のろう学校の子どもたちが見学に訪れた。当時はネパールの手話が分からず、翌日から毎日、手話の学校で勉強。半年後にろう学校の寮を訪れ、子どもたちと再会した。

　そこで、ショッキングな話を聞いた。