Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/9d29704adc1db9eb3434d24a26914d39f799d94d
イスラム組織ハマスに拘束され、パレスチナ・ガザ地区で自分の墓を掘るよう強制されたイスラエル人人質の父親がBBCの取材に応じ、解放された息子の健康状態は「日に日に回復している」と語った。 ハマスの人質だったエヴィヤタル・ダヴィド氏とガイ・ギルボア=ダラル氏、エイタン・モル氏は26日、病院を退院し、英雄として自宅に迎えられた。 エヴィヤタル氏(24)の父アビシャイ・ダヴィド氏は、息子が帰宅した後に取材に応じた。 「息子が本来の姿を取り戻しつつあることが、言葉では言い表せないほどうれしい」と、アビシャイ氏は語った。 エヴィヤタル氏が解放される2カ月前の8月、ハマスはやせ細ったエヴィヤタル氏がコンクリートのトンネルの中にいる様子を捉えた映像を公開。イスラエルや、西側諸国の指導者から非難された。 アビシャイ氏はBBCに対し、息子の「活力が日に日に回復し、顔色も良くなり、頬もふっくらしてきた」と語った。 「神に感謝します。息子はこの状況を乗り越えた。強い子だ」 アビシャイ氏は、息子が「わずか80キロメートル先にいるのに(中略)何もしてやれない」ことに何カ月もの間苦しんできたと話した。 「そのことに打ちのめされた」とアビシャイ氏は言い、「まともに眠ることも、食べたり飲んだりすることもできなかった」と続けた。 やせ細ったエヴィヤタル氏の映像が8月に公開されると、兄イライ・ダヴィド氏は、これは「新しいかたちの残虐行為」だとBBCに語った。 「弟は人間の骸骨のような状態だ。死にそうなほど飢えさせられ、ひどい苦しみを受けている」と、イライ氏は当時述べていた。 ハマスが公開した映像では、エヴィヤタル氏が「もう何日も食べていない(中略)飲み水もほとんど手に入らない」と語り、自分の墓だとして穴を掘る様子が映っていた。 ■「恐ろしい拘束」の痕跡 エヴィヤタル氏が26日、イスラエル中部の故郷クファル・サバに戻ると、多くの友人や隣人から歓声が上がった。 解放された3人が治療を受けたラビン医療センターのミハル・シュテインマン医師はBBCに対し、3人の体には「恐ろしい拘束」の痕跡がいまも残っていると語った。 「血液検査の結果からもわかるし(中略)彼らの話も聞きいた。(中略)彼らの話はうそではない。代謝の変化にその痕跡が見て取れる。皮膚が物語っている。傷跡や創傷が残っている」 それでも、3人は「以前よりも強くなって戻ってきた」と、医師は述べた。 エヴィヤタル氏は、2023年10月7日にハマスがイスラエル南部を奇襲した際に、ガザ境界近くで開かれていた「スーパー・ノヴァ」音楽フェスティバルから連れ去られた。 同氏を含む20人の生存している人質は今月上旬、アメリカが仲介した停戦合意の第1段階に基づいて解放された。 ハマスはまた、死亡した人質28人のうち15人の遺体もイスラエルに引き渡している。15人のうち13人はイスラエル人、1人はネパール人、もう1人はタイ人だった。 ハマスは27日にも、人質だとする1人の遺体をイスラエルに引き渡した。イスラエル国防軍(IDF)は、遺体の身元確認のために法医学的検査を行う予定だと述べた。 一方でイスラエルは、パレスチナ人の囚人250人およびガザで拘束した1718人を釈放。死亡したイスラエル人人質1人につきパレスチナ人15人の遺体を返還している。 ハマスは2023年10月7日にイスラエルを攻撃し、約1200人を殺害、251人を人質として拘束した。これを受けたイスラエルの攻撃により、これまでに6万8000人以上のパレスチナ人が殺害されていると、ハマスが運営するガザの保健省は発表している。国連は、この数字を信頼できるものとみなしている。 (英語記事 Freed Israeli hostage forced to dig own grave is 'growing back to his old self', father says)
(c) BBC News

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