Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/02f2441be2c0393b3d98e3a339d2326d248eb386
佐々木司さん(49)=滋賀県東近江市永源寺高野町=は昨年秋、ヒマラヤ山脈のマナスル(8163メートル)初登頂に成功した。「とりわけネパールの人たちとの交流が意義深かった。貴重な体験を今後の活動につなげたい」と語る。 東近江市で里山保全活動を行うNPO法人・遊林会の職員。普段は同市の自然体験施設「布引の森」運営に携わる。登山は海、川、山を巡るスポーツ「SEA TO SUMMIT」出場がきっかけで約13年前に始めた。ヒマラヤは2022年に6千メートル峰に成功し、その時遠くに見えた8千メートル峰に興味を持った。 現地シェルパからマナスルを勧められ、調べるうちに西堀栄三郎の功績を知り、地元にある「探検の殿堂」を訪ねて人柄や当時の登山を学んだ。西堀は1956年の日本隊による世界初登頂とネパール国交樹立を実現。自分も地域に恩返しできればと準備を進めた。 昨年8月下旬にネパールへ出発。高地トレーニングで体をならし、ベースキャンプを拠点に高度を徐々に上げた。酸素ボンベ切れに気付かなかった7千メートル地点で苦しんだが、9月25日に頂上へ到達。下山後は主にカトマンズでネパール外相や大統領補佐官、航空会社CEOらと懇談する機会に恵まれた。自然豊かな同国の魅力発信や両国の子どもの交流について意見を交わした。 こうした活動を基に布引の森で現在構想を練るのが、子どもたちに同国へ短期滞在してもらうための年間プログラムづくりだ。山歩きやアウトドアの体力・知識を習得し、異国で見聞を広めてもらう目的がある。「実際にネパールへ行って現地の方と話してみて、何ができるのか何がしたいのか、じわじわ見えてきたような感じですね」 探検の殿堂では東近江市制20周年の今年、今回の活動内容と西堀のマナスル登頂をテーマにした企画展示の準備が進められている。「東近江市とネパールの新たな架け橋として、また布引の森での活動にも生かせればうれしい」と柔和な笑顔を見せた。
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