Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/2cf339f0297042e6d1c35ea3848bf2facd1c4339
配信、ヤフーニュースより
じっと見つめてくる寺の本堂、カッパ姿のこま犬、雑木林から顔を出す人面岩…。どうしてこんな所にこんなものが? 愛媛にはおのずと疑問が湧いてくる「不思議スポット」が各地にある。見た目のインパクトやスケールの大きさに、ちょっぴり及び腰になりながらも、作者や詳しい人に思いやいわれを尋ねた。頭の中の「?」が消えるにつれ、親しみや感動、尊敬の念が生まれてきた。いくつかのスポットを案内する。(森満里子) ■岩に大書した望郷の詩 「荒れて行く 故郷の姿 哀しくも 永久なる 母か 仁淀川」―。久万高原町柳井川の国道33号沿いにある面河第三ダム湖畔。岩壁に白いペンキで記されたのは望郷の詩だ。 作者は久万高原町久万でうどん店「心」を営む山中留吉さん(82)=久万高原町柳井川。35歳だった1974年夏に自作の詩を高さ約40メートルの絶壁に幅100メートル以上にわたってしたためた。岩の所有者の了解を得ると、手製の縄ばしごを崖につるして足場を作り、たった1人で、10日かけて描いたという。 ■雑木林に人面岩 大洲市豊茂の県道沿いの雑木林には、男性の顔が彫られた大きな岩がある。高さ5メートル、幅3メートル。明らかに人が彫った形跡があったというが長年、その作者や制作意図は分からなかった。 人面岩の謎が明らかになったのは1999年。近くの農業、米岡幸一さん(84)が1年がかりで調べた。 米岡さんによると、作者は地元の石工、力石力造で、1848(嘉永元)年ごろに制作。力造は、力強さと器用さを兼ね備え、見事な石垣を造ると評判だったという。県道がなかった当時、山越えする住民のために主要道が整備されることになり、参加した力造は道の完成記念を祝って大岩を彫ったそうだ。 ■本堂に目玉がギョロリ 本堂から強い視線を感じるという寺がある。新居浜市萩生の住宅街にある萩生寺は、本堂を見上げると、長さ約2メートルもある目玉がギョロリ。萩生寺の斎藤友厳住職(78)が自ら筆を執った。この目は仏眼と呼び、物事の真実を肉眼ではなく、心の目で見抜く力を養ってほしいとの願いを込めた。 仏眼はチベット仏教の寺院本堂によく描かれるブッダの目に由来する。1974年にネパール最古のスワヤンブナート寺院を訪れた斎藤住職が「世の中の悪を見据えているような目」に衝撃を受け、建築中の本堂仏塔に描こうと日本風にデザイン。1984年10月の本堂完成に伴い、目も「開眼」した。 ■こま犬が、カッパに? 神社のこま犬は犬だけとは限らない。全国唯一とされるカッパのこま犬(西予市指定有形文化財)がいると注目を集めるのは、西予市明浜町高山の若宮神社だ。2体のうち、タイを大事そうに抱えた1体。城主の恩情を忘れなかった「カッパの恩返し伝説」にちなむ。 この神社は、戦国時代に地域を治めた高山城主、宇都宮正綱をまつっている。正綱にいたずらして捕まったカッパ。命乞いして正綱に逃がしてもらうと、お礼のタイを毎日届けるようになった。正綱が討ち死にした時は「ヒュウヒュウ」と鳴いて悲しんだという。
愛媛新聞社
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