Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/b2e3ce05af106dde50fe7f46a89f0649994da1ca
2020年の7月豪雨で甚大な被害が出た老舗旅館が 5月に全面再開しました。 新たなメンバーも加わり奮闘中です。 【写真を見る】豪雨で濁流にのまれた老舗旅館が1年10か月ぶりに全面開業 女将が願う光景とは
■ 再開までの 苦難の道のり
「おめでとう」「ありがとうございます」 5月1日、熊本県人吉市。 真新しい玄関には常連客を出迎える、女将の堀尾里美(ほりお さとみ)さん。 人吉旅館 堀尾 里美 女将 「自然に笑顔があふれるので、お客さんも応じて下さる。本当に幸せだと思います。きょうは本当に嬉しい1日です」 7月豪雨から1年10か月。ついに全面再開した人吉旅館。 2020年7月、球磨川のほとりで約90年間にわたって客を迎え入れてきた老舗旅館は、濁流にのみ込まれました。 復旧への焦りと不安から体調を崩すこともあった堀尾さん。それでも… 「旅館でもう一度お客さんの笑顔が見たい」 その思いが変わることはありませんでした。 堀尾 女将 「やっぱり頑張って。うん、もう一度 旅館で花を咲かせたい」
■ 古いもの と 良いもの と 新しいもの と
元の部材も使い、新しさの中にも創業当時の趣を残した姿に生まれ変わった旅館。 宿泊客の評判も上々です。 「残せるものは残すというところがすごいと思いました」 「古き良き部分を残しながら傷んだところは綺麗になっている。 これから何十年も何百年もこの形を残していけるのはほんと素晴らしい」 新たに露天風呂も誕生しました。 宿泊客 「いやーいいね 最高」 「温泉好きだから長湯してしまうんだけど、ここは温度も熱くないし、いつまでも入っていられそう」 ようやく たどりついた全面再開。しかし今、新たな問題に直面しています。
■ 被災前からの悩みと被災後に訪れた光明
人吉旅館 堀尾 女将 「正直大きな問題なんです。今までは(部分営業で)8ルームだけだったので何とかやってきましたが、順調にお客が増えた場合は(従業員が)絶対足りません」 そう、それは人材の不足です。 被災前から女将を悩ませてきた問題でしたが、7月豪雨の後、体調の悪化などを理由に数人の社員が退職したことで決定的なものとなりました。 そんな旅館に 5月、新たなメンバーが加わりました。 「こんにちは。よろしくお願いします」 恥ずかしそうに挨拶をするのは ネパール出身のダライ・アニタさん(23)です。 4年前に留学生として来日したアニタさんは人吉旅館でのインターンシップの経験をきっかけに、ここで働くことを決めました。 ダライ・アニタさん 「自分もこの旅館に入れば、おもてなしができると思って」
■ 新たなメンバーを迎え 新たな歴史を築く
願い通り、仲居さんとして働き始めたアニタさん。 「子どものお茶碗が良かったかな。可愛いお茶碗につぎなおしてくれる?」 先輩からのアドバイスにもテキパキと動きます。 人吉旅館 岩崎 美時さん 「1回教えたら 言わなくても次から次へとしますし、本当に助かっています」 ダライ アニタさん 「覚えることはいっぱいありますが、女将さんと(先輩の)仲居さんたちのようにおもてなしや接客のできるよう頑張っていきたい」 女将さんも 人吉旅館で働くことを決意したアニタさんを支える覚悟です。 「彼ら彼女らを守っていくのが私の責任であると思っていますので、色んな部分で親のかわりにちゃんと守っていきたい」 復活を遂げた老舗・人吉旅館。 感謝の気持ちを込めて また新たな歴史を築いていきます。 堀尾 女将 「人吉に、にぎやかさが戻ることを是非見届けたい、というのが現在の目標です」
熊本放送
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