Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/815b112da29646d692019fb5a6994b92c39748ed
大村入国管理センター(長崎県大村市)に収容されたネパール人男性(39)が、股関節の骨が壊死(えし)する病気で苦しみながら十分な治療が受けられていないとして、支援団体「大村入管のラムさんを支援する学生・市民の会」が手術など適切な医療措置を求めるオンライン署名活動を始めた。キャンペーンサイト「Change.org」(チェンジ・ドット・オーグ)で呼び掛けている。 「前よりもどんどん症状が悪くなっていてしんどい。すごく痛い。一日も早く痛みを取りたい」。男性の代理人の辻陽加里(ひかり)弁護士(福岡県弁護士会)らが長崎市で4月26日に開いた記者会見で、支援者が仮名で「ラムさん」と呼ぶ男性は電話を通じてこう訴えた。 男性が2021年1月に長崎地裁に起こした国家賠償請求訴訟の訴状などによると、09年にインド料理の調理師として来日。愛知県、北海道、神奈川県、東京都で計9年働いたが、18年に在留資格の更新が10日遅れたことで不法滞在になり、東日本入国管理センター(茨城県牛久市)に収容され、19年1月に大村入管に移送された。 男性は19年4月に施設内の運動場でサッカー中に別の収容者とぶつかって、左股関節を痛めた。痛みは激しくなって松葉づえや車椅子が必要になり、7月上旬には外部の医療機関での受診希望を入管に申し出たがすぐには受診させてもらえず、8月になってやっと受診すると、大腿(だいたい)骨の先端が壊死する「大腿骨頭(こっとう)壊死症」と診断された。 その後も症状は悪化し、20年2月ごろからはほとんど寝たきりになり、21年6月には自力での排尿が困難になり腎臓にカテーテルを通した。22年1月からは特例的に大村市内の介護福祉施設に移送されたが、痛みで寝返りもできないという。 辻弁護士は「男性は歩ける体になることを強く希望している。手術を含めた適切な医療措置が必要だが、入管は受けさせていない」と訴える。 大村入管では19年6月にナイジェリア人の40代の男性が「飢餓死」(入管発表)し、21年3月には名古屋出入国在留管理局の施設に収容されていたスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が死亡した。ネパール人男性を支援する長崎大の学生団体「STARs(スターズ)」の三田(さんた)万理子代表(22)は「救えるはずの命が救えない悲惨な出来事をもう二度と起こしてはいけない」と語った。【長岡健太郎】
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