Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/34962ecee47195494633f351eaf99d5e5dc40ba6
【列島エイリアンズ】出会い系外国人編(3) インターネット上で出会った女性と、一度も対面しないままに婚約した上、相手から言われるがままに共同名義の投資口座を開設。ところがその直後、女は2000万円以上の残高とともに姿を消してしまう…。 チャットアプリでの文字のやり取りと、数回の電話だけで大金を巻き上げられてしまった四国在住の60代農家男性は、女の手口をこう振り返る。 「某有名お見合いサイトで彼女と出会ったのは昨年5月のこと。海外育ちの日本人で、今は大阪に住んでいるということでした。結婚相手を探そうとサイトに登録した私でしたが、30代だという彼女はさすがに年齢が離れ過ぎているので、それほど興味はなかった。しかし彼女の方から毎日、朝昼晩とメッセージをくれるので、他愛もない会話をするようになりました」 その後、2人はチャットアプリに交流の場を移したというが、それからというもの、女からのアプローチはますます積極的になっていった。 「だいたい、1時間おきにはメッセージが来ていました。音声通話も何度かしました。文章でのやり取りに比べ、彼女の日本語の会話はかなりタドタドしかったのですが、海外育ちだからしようがないのかなと思っていました。私も『こんなに自分に興味を持ってくれる女性はなかなかいないだろう』と、不覚にも舞い上がってしまって」 そんな男性の心を見透かしてか、女は男性をある「趣味」に誘った。 「お見合いサイトのプロフィルにも書いていたのですが、彼女はFX(外国為替証拠金取引)が趣味ということで、一緒にやってみないかと言ってきたんです。経験のない私は躊躇していたのですが、『使用していない私名義の口座があるからそれを使っていいよ』と、口座のログインパスワードを送ってきたんです」 女の指示に従い、口座にログインすると、そこには200万円以上もの残高があった。その残高を使い、女の助言にしたがってFX取引を初体験した男性。すると、面白いように勝ち続けることができた。 「1週間で、彼女の口座の残高は3倍以上になりました。彼女は私を『投資の才能がある』とおだて、私もその気になってしまいました。さらに、彼女は残高の半分を私に渡すとも言ってきたんです」 その残高以上の〝変化〟もあったという。 「私は彼女に完全にほれてしまっていました。色ボケと言われたら仕方ないですが、今思えば、FX取引のドキドキ感による『吊り橋効果』ってやつだったんじゃないでしょうか」 恋という毒牙にかかり、完全に判断能力を失った男性は、女の言いなりと化していく。 ■1都3県に住む外国人は120万人とも言われ、東京は文字通りの多民族都市だ。ところが、多文化共生が進むロンドンやニューヨークと比べると、東京在住外国人たちはそれぞれ出身地別のコミュニティーのなかで生活していることが多い。中韓はもとより、ベトナム、ネパール、クルド系など無数の「異邦」が形成されているイメージだ。その境界をまたぎ歩き、東京に散在する異邦を垣間見ていく。境界の向こうでは、われわれもまたエイリアン(異邦人)という意味を込めて。 ■奥窪優木(おくくぼ・ゆうき) 1980年、愛媛県出身。上智大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学中退後、中国で現地取材。2008年に帰国後、「国家の政策や国際的事象が、末端の生活者やアングラ社会に与える影響」をテーマに取材活動。16年「週刊SPA!」で問題提起した「外国人による公的医療保険の悪用問題」は国会でも議論され、健康保険法等の改正につながった。著書に「ルポ 新型コロナ詐欺」(扶桑社)など。
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