駒ケ根市の市民団体「ネパール交流市民の会」は、ネパール・ポカラ市の母子友好病院を拠点に行っている母子保健の支援活動で、新たに現地の担い手の育成に当たる指導者の養成事業に取り組む。駒ケ根市にある県看護大学や産科医、助産師などと連携し、現地スタッフを招いて専門的な研修を行う計画。ただ新型コロナウイルス感染拡大の影響で来日できない可能性もあるため、インターネットを使ったオンライン研修も検討している。
市民の会は国際協力機構(JICA)から受託した母子保健プロジェクトで、現地に専門家を派遣するなどして社会的・経済的弱者の安全安心な産前産後ケアに向けた啓発や人材育成を展開。この春、5年の活動を終え受託事業の区切りをつけた。
受託事業では妊産婦をケアする担い手の育成、啓発は一定の成果を上げたと評価。母子友好病院では持続的な担い手の育成を目的にした保健センターの新設が予定されているため、新たに育成に当たる指導者の養成を支援することにした。
当初の計画では、現地からスタッフ3人を県看護大の研究員として迎え、今秋から約3カ月の期間で指導法や乳房ケアの技能などを伝える研修プログラムを予定していた。しかしコロナ禍で来日の見通しが立たないことから、オンライン研修を軸に対応策を検討している。
事業は自治体の海外活動を支援する「自治体国際化協会」のモデル事業の採択を受け、270万円の助成を受ける。市を通じた交付となるため、市は事業費を2020年一般会計補正予算案に計上し、4日開会の市議会6月定例会に提出する。
市民の会のプロジェクトマネジャー北原照美さんは「これまでの取り組みで、安全安心な出産の環境を整えることができた。次の段階の支援策として指導者育成に取り組み、現地の持続的な人材育成につなげたい」としている。
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