Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/a257fd3bf559d207bbe6b9efbec5d4b6c51b6536
【水際対策緩和で蠢くベトナム人利権の闇】#4 「留学生」の受け入れを前面に押し出し、岸田政権が3月から踏み切った水際対策緩和。その実現に一役買ったのが新聞やテレビだった。 ベトナム人を食い物に…「コロナ禍での鎖国反対」の大合唱に透ける“本音” 私が知る限り、最も熱心だったのが毎日新聞だ。毎日は昨年10月から「令和の鎖国」と題した連載を始め、外国人の受け入れ再開を訴え続けた。その連載で中心に取り上げられたのが「留学生」である。たとえば、2月3日電子版の<「いつになったら日本に行けるのか」「令和の鎖国」に世界が怒り>と題した記事がそうだ。 ■欧米人が抗議? この記事では、ドイツ・ハンブルクの日本総領事館前に日本への留学待機中の若者3人が集まり、厳しい水際対策を批判する自作ポスターを掲げたことが紹介されている。記事によれは、<ドイツのほか、イタリアやスペイン、マレーシアなどでも抗議の声が上がり、これまでに300人超が各国の日本大使館前などで抗議行動を行っている>のだという。「300人超」の抗議を「世界が怒り」と呼ぶのは無理があるように思えるが、「水際対策のせいで日本に行けない留学生」は新聞・テレビの格好の取材テーマとなっていた。 そうした報道で紹介される留学希望者には、お決まりのパターンがある。まず、たいていは欧米の若者だ。アニメなど日本文化の熱烈なファンで、留学先が大学や大学院というケースも多い。メディア側が日本人の抱く理想の「留学生像」を忖度し、それに見合う外国人を選び取材しているのだ。 しかし、留学生たちを長く取材している私に言わせれば、これは明らかな印象操作である。「大学や大学院へ留学するアニメオタクの欧米人」など、実際には留学生全体のごくわずかに過ぎないからだ。 昨年6月末時点で、留学生は23万人弱だ。そのうち欧州出身の留学生は5038人で、アメリカの1298人、カナダの228人と合わせても留学生全体の3%にも満たない。 国別で最も多いのが中国人の10.6万人だ。それにベトナム人の5.1万人、ネパール人の1.8万人が続く。この3カ国をはじめアジア出身の留学生は21.8万人に上る。つまり、アジア以外の留学生は1万人程度に過ぎない。 アジア出身者たちの多くは、日本でまず日本語学校に入学する。コロナ禍以前に留学生が急増していたのも、「ベトナムやネパールなどアジア新興国からの日本語学校への留学」がブームになったからだった。水際対策緩和によって今後入国する留学生にしろ、主流は欧米人ではなくベトナムなど新興国出身者たちとみて間違いない。 にもかかわらず、なぜか大手メディアは ベトナム人留学生らの実態を伝えようとしない。伝えてはマズい事情が存在するからだ。その“事情”については、本連載で後に詳しく述べよう。 =つづく (出井康博/ジャーナリスト)
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