Source:https://news.arukikata.co.jp/column/travel-info/Asia/Nepal/KATHMANDU/226_428226_1643695842.html
たくさんの民族が、独自の文化や慣習を大事にしながら暮らしている国、ネパール。その中のひとつ、カトマンドゥに古くから住む先住民ネワール族には、お祝い事やお祭りの際に「ヨマリ」という、和菓子に似たお菓子を作る慣習があります。米粉に水を加え独特の形状を作り、中に餡を入れ、蒸して作るヨマリ。カトマンドゥ旧市街アサンチョークでは、毎週土曜日に青空販売もしているので、散策ついでに立ち寄ってみませんか!
掘り出し物のおみやげも見つかる「アサン」。旅行者街「タメル」からも徒歩圏内!
カトマンドゥで有名な旅行者街「タメル地区」。旅行中、ここの宿泊施設を利用される方も多いと思いますが、そこから徒歩で行くことができる「アサン地区」は、地元の人たちの生活を垣間見られる、活気あふれる場所。
レンガ造りの古い建物が密集する中、肉屋や八百屋などの生鮮食品を扱う店や露店、金物屋、乾物屋、スパイス屋、衣料品店他、地元民の毎日の生活に欠かせない商品を扱う小さな店がたくさん並びます。
小さな神具や食器類、岩塩の塊、ネパールらしい刺繍が施されたTシャツなど、おみやげになりそうな掘り出し物も多く、通りを冷かしながらただ散策するだけでも楽しめます。
昨年のロックダウン中は一時閑散としていた期間もありましたが、その後はいつものにぎわいが戻っています。
「ヨマリ」ってどんなお菓子?どこで食べられる?
カトマンドゥに古くから住むネワール族。お祝い事やお祭りの際に「ヨマリ」という、和菓子に似たお菓子を作る慣習があります。米粉に水を加えこねながら、独特の形状を作り、中に餡を入れ蒸して作られます。
特に、12月の満月の日には必ず作られるのですが、しずく上の形の先っぽが長く伸びているのは、早く日照時間が長くなるように、という思いが込められているからなのだとか(諸説あります)。
餡は、チャクと呼ばれる黒砂糖のようなものを原料とし、ナッツ類を混ぜて作る黒餡であることが多いのですが、日本でも古代「蘇」として食されていた、牛乳を煮詰めて作る白餡が入ることもあります。どちらも米粉の皮にマッチして、日本の伝統銘菓にもありそうな懐かしいお味です。
かつては、祭事などに各家庭で作るのが一般的で、ネワール文化に縁がない人たちが口にする機会はなかなかありませんでした。しかし近年、見映えする形状のせいか、レストランで扱う店が増えたり、スーパーのベーカリーコーナーに並んだり、チンして食べられる冷凍食品も売り出されたりと、ネワール文化とは縁のない他の民族や外国人でも手軽に食べられる、人気の食べ物のひとつとなっています。
そんなヨマリ、食べるならネワール族の方たちが作ってくれる、本場のアツアツを食べてみたい!ですよね。
そんな方は是非、カトマンズ旧市街「アサン」の中心「アサンチョーク」へ行ってみてください。ここでは毎週土曜日、地元ネワール族コミュニティによるヨマリの青空販売が行われているのです。
ネワール族のお母さん方がせっせと手作りしてくれる、蒸したてホカホカを購入することができます。また、販売のお手伝いをしている女性は「ハクパタシ」と呼ばれるネワール族の民族衣装を着ていることもあり、ネワールの食や文化を体感することのできる貴重な機会です。
<所在地情報>
場所:アサンチョーク(アサン地区内)
アクセス:旅行者街タメル地区から訪れる場合、南に徒歩5~20分ほど(出発地点によります)。一方通行の細く入り組んだ道が多く、車の走行は難しいので、徒歩で行くか、リクシャと呼ばれる人力車を利用すると便利です。
日時:ヨマリの青空販売は毎週土曜日10時頃~14時頃
※コロナ禍による行動規制発令中は一時休止となることもあります。
値段:ヨマリ1個50ルピー(約50円弱)
気になるコロナの影響は?
オミクロン株の流行により、諸外国同様、今年に入り感染者が急増しているネパール。一時緩和されていた行動規制が一部復活、集会における人数制限や、映画館や一部の公共施設の一時的な閉鎖、教育機関の閉鎖(オンライン授業への切り替え)他、1月以降規制が更新されています。
とはいえ、入国に関しては、昨年9月に緩和された条件が今も継続中です(一部の国からの入国を除く)。日本からの渡航の場合、出国前のPCR陰性証明、ワクチン接種証明、入国後の宿泊ホテル予約票があれば、現状では入国後の隔離も不要となっています。
公共の場ではワクチン接種証明の提示が必要となっている場所も出てきていますが、ネパール外務省では「日本政府が発行したワクチン接種証明書(英語版)が、ネパール国内で行っているワクチン接種証明の提示要件を満たすと認められる」と回答しているようですので、ネパール国内行動中でも携帯しておくと安心です。
ロックダウンにならない限り外出は可能。今回ご紹介したアサン地区も、今もたくさんの買い物客でにぎわっています。十分な感染対策を取った上で散策や観光をお楽しみください。
旅のバイブル「地球の歩き方」ガイドブック
亜熱帯のジャングルから世界の屋根ヒマラヤまで、変化に富んだ国土に30以上の民族が暮らすネパール。その魅力は、世界最高峰のエベレストなど雄大な風景の中を歩くヒマラヤトレッキングや、古い家並みや歴史ある寺院が残る数々の文化遺産、自然豊かな国立公園など多様で多彩。今こそ訪れたいこの国の旅を徹底ガイド。
■地球の歩き方 ガイドブック D29 ネパールとヒマラヤトレッキング 2021年~2022年版
URL: https://hon.gakken.jp/book/2080136300
※当記事は、2022年1月20日現在のものです。
〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2022年1月20日現在、国によってはいまだ観光目的の渡航が難しい状況です。『地球の歩き方 ニュース&レポート』では、近い将来に旅したい場所として世界の観光記事を発信しています。渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
旅したい場所の情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス収束後はぜひお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを心より願っています。
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