Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/bf8d22c06edb07850a2d79449c38be603b535703
【AFP=時事】ヤニタ・アントコ(Yanita Antoko)さん(30)は日本にいる夫との同居を望んでいるが、1年以上インドネシアで足止めされている。必要書類を取得し、手作りスパイスを販売する仕事もやめたが、日本への扉は閉ざされたままだ。 【写真】東京・羽田空港の人もまばらな出発ロビー
政府は、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため水際対策を強化しており、外国人の新規入国を原則的に停止している。先進7か国(G7)の中でも最も厳格な措置だ。その結果、37万人以上の外国人が入国許可が下りるのを待ちながら身動きが取れない状況に置かれている。
オーストラリアも厳しい入国制限を導入していたが、渡航者の受け入れを再開した。だが、日本は今なお入国制限を続け、旅行者や商用客のみならず、新規の外国人労働者や留学生、その扶養家族も締め出されている。
「全然納得できません」とアントコさんは言う。インドネシア人の夫は日本の中部地方で技師として働いている。「結婚すれば、子どもが欲しいと思うのは当然です。だからこそ、一緒に暮らしたいと思っているのです」
しかし、いつになれば同居が実現するのか見通しは不透明だ。
世論調査によれば、現行の措置は国民に支持されている。岸田文雄(Fumio Kishida)首相は、少なくとも2月末まで同措置を継続することを決定した。
ネパールのサントシュさん(28)も苦しい立場に立たされている。姓を明かさない条件でAFPの取材に応じた。
日本で学位を取得し、日本語を習得。日本企業の国際マーケティング部門から内定をもらった。だが、2020年からネパールで足止めされ、入国の許可を待っている。
「日本で働く計画を諦めたら、日本で学んだ6年間が無駄になってしまいます」とサントシュさんはAFPに語った。「だから、ずっと待ち続けています」
■入国禁止は「現実的ではない」
日本の大学関係者や財界人は、厳しい入国制限によって他国に後れを取ると危機感を強めている。
在日の欧州ビジネス協会(EBC)のミハエル・ムロチェク(Michael Mroczek)会頭は、日本企業は外国人労働者を受け入れることができず、専門技能の面で遅れが出てきていると指摘した。
国内での感染がすでに広がっているのに、入国制限は「いささか理不尽」だとして、「外国人差別ではないかとさえ思える」とAFPに語った。
新型コロナによる日本の累計死者数は約1万8700人。完全なロックダウン(都市封鎖)を実施せず、隣国・中国のような厳格な「ゼロコロナ」政策も導入してこなかったことを考えると、比較的少ない。
外務省の担当者は、厳しい水際対策を擁護。変異株「オミクロン株」の感染者数が他国よりかなり少ないことも説明がつくと話した。
だが、財界は不満を募らせている。経団連(Keidanren)の十倉雅和(Masakazu Tokura)会長は24日、厳格な入国規制を「鎖国」に例え、現行の措置は「現実的ではない」として岸田首相に見直しを求めた。
先が見えないため、多くの留学生は韓国など他国に目を向け始めている。
獣医学博士課程の1年生、ハナさん(29)はイラン在住。日本の大学の授業をリモートで受けているが、実験室でしか行えない研究には取り組むことができない。そのため、日本に来る最終期限を、やむを得ず4月に設定した。
期限が過ぎたら、「他の国に行くことを考えます」と言う。「たぶんカナダか米国か」
「入国できなければ、私たちのような留学生のほとんどは、日本に見切りをつけるでしょう」と話した。【翻訳編集】 AFPBB News
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