2020年7月8日水曜日

ネパールで初めて双頭のククリヘビが発見される この蛇が生まれた原因はさまざま

Source:https://jp.globalvoices.org/2020/06/28/54713/
翻訳掲載 2020/06/28 11:25 GMT 、Googleニュースより





双頭のインドアマガサヘビ 写真提供者:カリガンダキ病院およびカマル・デヴコタ 使用許可済み

蛇が二つの頭を持って生まれる例は極めてまれである。中部ネパールのナワルプル郡の村民が、2018年10月に双頭のククリヘビ(学名 Oligodon arnenis)を捕獲したとき、これが新種だという考えは微塵(じん)も浮かばなかった。しかし、 IRCF Journal (訳注 : 国際ハ虫類保護財団が発行する雑誌)の2020年4月号に掲載された最近の報告で、これが新発見であることが裏付けられている。


双頭のククリヘビ 写真:ネパール、チトワン国立公園内カサラ・リゾートホテル提供  カマル・デヴコタを介して取得 使用許可済み

警察官が村民からこの蛇を引き取り首都カトマンズまで移送し、そこで、チトワン国立公園の管理官に引き渡した。その後、蛇は管理官によって自然環境へ戻された
双頭症と称する出生異常

ククリヘビという名は、鋭く湾曲した平たいククリナイフに似た歯の形に由来する。この歯により爬虫類の卵を砕く。この蛇は、スリランカ、インド、バングラデシュ、パキスタン、ブータンおよびネパールに生息する

双頭の蛇は、胚(はい)の不完全な分裂、二つの胚の融合、気温、環境因子その他の要因により生まれる。このように異常な蛇が産まれるのは、自然界では10万匹のうちわずか1匹である。また、人間に飼育されている蛇から産まれる割合は1万匹に1匹である。

双頭の蛇には脳が二つあるということであり、二つの異なる意志があるということになる。しかし、多くの場合、片方の脳の方がもう一方より勝っている。双頭の蛇は、自然界で長生きするのは極めてまれである。二つの頭が食料をめぐって互いに争い合うからである。また、二つの頭があるため、獲物を捕まえようとしたとき敏捷(しょう)性が損なわれてしまうし、敏捷性が損なわれた結果、 天敵に捕まりやすくなるからである。


Two Headed Snake
It's called dicephaly
it happens when an embryo in the early stages of development divides possibly induced by sudden temperature changes,
environmental pollution, or inbreeding.
Whatever the cause,
these unlucky creatures don't live long. pic.twitter.com/NDK5o8WMeM

— Einstein (@Einstein2020) November 26, 2019


頭が二つある蛇。
それは、双頭症といわれる。
双頭症は、胚が成長の初期段階で分裂することで生じる。分裂は急激な温度変化、環境汚染、あるいは近親交配によって引き起こされると考えられる。
原因は何であれ、
この不幸を背負って生まれた生き物は長くは生きられない。

蛇の絵画や彫刻が カトマンズ盆地内の寺院や噴水に飾られている場面には、しばしば遭遇するが、双頭の蛇が発見されるのは信じられないほどまれである。今回見つかった双頭のククリヘビは、ネパールで見つかった双頭の蛇の中では3番目の事例に過ぎない。最初に見つかったのは、チェッカード・キールバックヘビ(学名:Fowlea piscator)の幼蛇で、1983年にミシュラとシャーが立証した。2番目の事例はインドアマガサヘビ(学名:Bungarus caeruleus)で、2018年5月にネパール中部のナワパル郡カワソティ市で見つかった。これはネパールで初めて見つかった双頭のアマガサヘビで、ネパール毒素学協会委員兼セイブ・ザ・スネイク・プロジェクト管理者カマル・デヴコタその他がこのヘビに関する論文を発表している。


双頭のインドアマガサヘビ 写真提供者:カリガンダキ病院およびカマル・デヴコタ 使用許可済み

デヴコタは、双頭の蛇が見つかるのは極めてまれだとグローバル・ボイスに語った。

蛇を探すのは容易なことではありません。私の10年間の職歴の中で、想定外の蛇を見つけたことはありますが、目的の蛇はいつも見つかりませんでした。これまでに見つかった双頭の蛇は、調査をしているときに偶然見つけたのです。特別な捜査手段などは用いていません。

デヴコタによると、ネパールでは多くの研究者により90種類ほどの蛇が登録されている。その内18種類は毒蛇とされている。毎年特に国内の低地で多数の人が蛇に噛(か)まれて亡くなっているが、蛇は生態系の中で独自の役割を果たしていると、人間と蛇との間に生ずる問題の修復に努めているデヴコタは語る。

蛇は自然界の食物網を維持する上で重要な役割を演じています。また、ネズミ、カエルやその他の有害昆虫類を捕食することで、農産物の生産性向上にも役立っています。さらに、蛇の毒から抗毒血清などさまざまな種類の薬品を生産することもできるのです。
校正:Eiko Iwama

0 件のコメント:

コメントを投稿