2020年7月14日火曜日

人生100年、生理は40年。自分に合った生理の付き合い方を見つけよう

Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/f7bf316a9dd2c8b877cce18a56cc58b09d8e3087

配信、ヤフーニュースより

ウィメンズヘルス

「吸収型サニタリーショーツに出合ってから、自分の生理について考えるようになり、生理をより快適にするためのアクションを取り始めた」と語るのは、日本の吸収型サニタリーショーツブランド「Period.」を主宰する寺尾彩加さん。ショーツをきっかけにピルを飲み始め、現在は卵子の凍結保存も検討中だという。ウィメンズヘルスは、「もっと自分の身体について知り、アクションを起こしてもらいたい」という彼女のメッセージに共感し、生理について考える新連載をスタート! 初回は彼女がこの連載に込める思いをお届け。 【写真】多様化する「生理用品」。ナプキン・月経カップ・経血吸収ショーツのおすすめの使い方

人生は100年、生理は40年?

数年前に話題となった「人生100年時代」、日本は健康寿命が世界一とされ、2007年に生まれた子供に関しては、50%の確率で107歳まで生きると言われています。つい50年前の平均寿命は50歳とされていて、我々の寿命が延びていることがよく分かります。けれど、延びているのは寿命だけではありません。毎月やってくる「生理」の数が昔の人に比べて400回も増えているのです。 そこで思い返してもらいたいのですが、初めて生理がきたときと今を比較して生理にまつわる商品に変化はありましたか?また、今きっとこの記事を読んでいるスマートフォンやPCも同じ時期と比べて変化はあったでしょうか?その答えは明確なはず、多くの商品がテクノロジーをして変化していくなか生理にまつわる商品は全く変化していません。しかし、近年世界ではその動きが変わろうとしているのです。

日本で最初に誕生した「アンネナプキン」

生理用品として一般的に使用されている紙ナプキンは、今からおよそ60年前に発売された「アンネナプキン」が日本で最初の商品です。それまでは脱脂綿を直接詰めたり、布を重ねて当てたりすることで生理をしのいでいたそうです。そんな不自由さとひょんなきっかけから「アンネナプキン」を開発したのは坂井泰子さんという女性で、多くの人々に快適さをもたらした日本の生理用品業界の立役者。 そんなアンネナプキンの発売当時のコピーは「40年間お待たせしました」この40年という月日は何をさしていると思いますか? それは、日本でナプキンが発売される40年前にアメリカでは既に同様の商品が発売されていたということを指しています。日本で売り出す頃にはアメリカでは有経女性の80%が使用していたとされており、日本はアメリカから40年遅れて紙ナプキンが誕生し普及しはじめました。 その後タンポンも発売され、紙ナプキンと同様に今日でも使われていると思います。けれど、我々が現在でも使用している生理用品は60年前から大きな変化はないことが分かります。

なぜ、生理にまつわる商品は変化が遅いのか

アメリカから40年の遅れを取って発売された紙ナプキン。それまでは布を当ててやり過ごしていたとのことですが、その布は日に当てて干してはならず、物置の中に干すなど生理に使うものを人に見せるのはもちろん、月経についての話をすることはタブーとされてきたという背景があります。現在では厳しい取締の対象になりましたが、つい数年前までネパールではチャウパティという月経小屋の風習が続いていました。日本でもかつて地方によっては月経小屋があったとされていて、映画『パッドマン』を観た方なら想像しやすいと思うのですが、生理になると家族とは寝食を共にせず過ごすという風習が世界各地でありました。 また、現代人の初潮を迎える年齢は12歳、閉経は50歳頃で、生涯で455回の生理があると言われていますが、昔の人の生涯の生理回数は50回程度だったそうです。初潮を迎えるのが15歳前後、閉経は40歳前後でありながら、多産だったことから今よりも400回生理が少ないことになります。この生理回数の少なさから、それほど生理用品に対しての不満がなく、大きな商品の進化がなかったと考えられています。 しかし、生理回数が増えたこと、月経に関してのタブー視が過去に比べて軽減されたことを受けて、生理をはじめ女性の身体に関する商品やサービスが現在急速に発展し続けているのです。

Femtech=Female+Technology

Femtechという言葉を聞いたことはありますか? Female(女性)とTechnology(テクノロジー)をかけあわせた造語で、生理をはじめ妊娠や避妊など女性の健康問題をテクノロジーで解決することを指します。生理向けの商品としては月経カップや吸収型ショーツ、月経ディスクなどがこの分野に該当し、紙ナプキンとタンポン以外の選択肢を我々は手に入れたのです。 生理は人それぞれ違うと思います。けれど、まだ対処法は同じ。そんな時代はもうすぐ終わり、自分に合った生理との付き合い方をする時代がすぐそこまで来ていると感じています。それは、生理用品の選択をはじめ、そもそも生理が今の自分には必要なのか? 生理をなくすという目からウロコな選択肢もあります。月経前の不調に備えてピルを服用したり、将来を見据えて卵子凍結をしたり、自分の生理について考えることは自分の身体について今一度、再確認できるときでもあります。 人生100年時代のうち40年付き合い続ける生理について、自分なりの付き合い方を見つけることで、仕方なく耐え抜くものから共に過ごすものに変化させられる環境が今はあります。この連載を通して一緒に生理をはじめ自分の身体との付き合い方を探していきましょう。 〈参考:田中ひかる『生理用品の社会史』角川ソフィア文庫 2019年〉

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